思考が止まらないブログ｜by.のだふぁたふぁた

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ご覧いただきありがとうございます。このブログは、日々を送る中で考えていることを、逃がさずに深掘りして行くブログです。「徒然草」や「菜根譚」のようになれたらいいなと思っている、雑記ブログです。「私もそう思っていた」「なるほど、そういう考えもあるんだ」という風に読んでいただければ嬉しいです。

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欲望を制御することで得られる心の平穏

テーマ：心と家族と人間関係(1326)

カテゴリ：お金

欲望を制御することで得られる心の平穏

吉田兼好の徒然草は、鎌倉時代末期の日常を綴った随筆集であり、表面的な出来事の裏に深い人生の洞察が隠されています。このブログでは、第百七十二段から跋文までの選ばれた段を基に、現代に通じる知恵や生き方のヒントを掘り下げます。

1. 無常と自然の美

・望月の刹那の美

・粉雪の詩情

2. 人間関係の機微と節度

・人を測る難しさ

・真実を語る勇気

3. 伝統と芸の奥深さ

・舞楽の誉とその背景

・細工に宿る鈍さの価値

4. 若さと欲望の制御

・血気の過ちと克己

・賭け事の愚かさ

5. 人生の問いと遺産

・仏への純粋な問い

・徒然なる筆の意義

1. 無常と自然の美

望月の刹那の美

第二百四十一段の「望月もちづきの円まどかなる事は、暫しばらくも住じゆうせず、やがて欠けぬ」は、満月の美しさとその儚さを描きます。兼好は、完璧な状態が一瞬で過ぎ去る無常を説きます。現代では、SNSで完璧な瞬間を切り取ることに執着しがちですが、兼好の視点は、欠ける月にも美を見出す感性を教えてくれます。

満月の夜に静かに空を眺めるひとときは、心に安らぎをもたらします。この教えは、変化を受け入れ、刹那の美を愛でることで、人生の深みを味わうヒントを与えてくれます。無常を愛する心は、日常のストレスから解放される鍵となるでしょう。

粉雪の詩情

第百八十一段で、「『降れ降れ粉雪、たんばの粉雪』といふ事、米よね搗つき篩ふるひたるに似たれば」と、粉雪の繊細な美が詩的に描写されています。兼好は、日常の自然現象に深い情緒を見出します。現代でも、冬の朝に降る粉雪を眺める瞬間は、心を穏やかにします。

忙しい日常で自然に目を向ける機会は少ないですが、こうしたささやかな美に気づくことで、心が癒されます。兼好の言葉は、日常の小さな出来事に意味を見出し、詩情を愛でる感性を養います。粉雪の儚さは、人生の一瞬一瞬を大切にする心を教えてくれるのです。

2. 人間関係の機微と節度

人を測る難しさ

第百九十三段の「くらき人の、人を測はかりて、その智ちを知しれりと思はん、さらに当るべからず」は、他人の本質を見抜く難しさを指摘します。兼好は、浅はかな判断が誤りを招くと警告します。現代では、SNSの投稿や肩書きで人を判断しがちですが、実際の対話で異なる一面に気づくことがあります。

兼好の教えは、偏見や先入観を捨て、相手を丁寧に見つめる姿勢の大切さを教えてくれます。職場で同僚の背景を理解することで、信頼関係が築けます。この視点は、多様な価値観が交錯する現代で、深い人間関係を築く鍵となるでしょう。

真実を語る勇気

第二百三十四段で、「人の、物を問ひたるに、知しらずしもあらじ、ありのまゝに言はんはをこがましとにや」と、知らないことを正直に認める難しさが述べられています。兼好は、誠実さが信頼の基盤だと説きます。現代でも、会議で知ったかぶりをするよりも、「わからない」と認める方が信頼を得ます。

兼好の言葉は、真実を語る勇気が長期的な信頼関係を築くことを教えてくれます。SNSでの過度な自己演出を控え、素直な発言を心がけることで、authenticな繋がりが生まれます。この視点は、情報過多な社会で誠実さを保つヒントを与えてくれます。

3. 伝統と芸の奥深さ

舞楽の誉とその背景

第二百二十段の「何事も、辺土へんどは賤いやしく、かたくななれども、天王寺てんわうじの舞楽のみ都に恥ぢず」は、地方の天王寺の舞楽が都に引けを取らないと称賛します。兼好は、伝統芸能の価値とその背景にある努力を認めます。

現代でも、地方の祭りや伝統工芸には、先人の知恵や文化が宿っています。郷土の神楽や職人技に触れることで、歴史の深さを感じられます。兼好の言葉は、伝統を尊重し、その裏にあるストーリーを理解する大切さを教えてくれます。この視点は、現代人に身近な文化を再発見するきっかけを与えてくれるでしょう。

細工に宿る鈍さの価値

第二百二十九段の「よき細工さいくは、少し鈍にぶき刀を使ふと言ふ」は、優れた職人が鋭すぎる刃よりも鈍い刀を選ぶと述べます。兼好は、急がず丁寧に取り組む姿勢の価値を説きます。

現代では、効率やスピードが重視されますが、手作業でのものづくりでは、時間をかけた丁寧さが品質を高めます。兼好の教えは、焦らずに過程を大切にすることで、優れた成果が生まれると教えてくれます。趣味の陶芸や料理でじっくり取り組む時間は、心の充実感をもたらします。この視点は、急ぐことよりも丁寧さを優先する生き方を気づかせてくれるでしょう。

4. 若さと欲望の制御

血気の過ちと克己

第百七十二段の「若き時は、血気けつき内うちに余り、心、物に動きて、情欲多し」は、若さゆえの衝動的な欲望を指摘します。兼好は、若い時の情熱が心を乱すと警告し、自己抑制の大切さを説きます。

現代では、SNSでの過度な承認欲求や衝動的な行動が、トラブルを招くことがあります。兼好の言葉は、感情をコントロールし、冷静な判断を優先する姿勢を教えてくれます。衝動買いを控え、必要なものだけを選ぶ習慣は、経済的な安定にも繋がります。この視点は、若さのエネルギーを正しい方向に導く知恵を与えてくれるでしょう。

賭け事の愚かさ

第百二十六段で、「ばくちの、負極きはまりて、残りなく打うち入いれんとせんにあひては、打つべからず」と、賭け事での無謀な行動を戒めています。兼好は、欲望に駆られて全てを失う愚かさを指摘します。

現代でも、投資やギャンブルで冷静さを失い、大損するケースは多いです。兼好の教えは、感情をコントロールし、節度ある行動を取ることの大切さを教えてくれます。リスクを管理しながら投資を行う姿勢は、安定した未来を築きます。この視点は、欲望に振り回されない冷静な判断力を養うヒントを与えてくれるでしょう。

5. 人生の問いと遺産

仏への純粋な問い

第二百四十三段の「八やつになりし年、父に問ひて云はく、『仏ほとけは如何いかなるものにか候そうらふらん』」は、幼い子が仏の本質を問う場面です。兼好は、純粋な疑問を通じて、人生の深い問いを投げかけます。

現代でも、瞑想や哲学書を通じて自己と向き合う時間は、人生の意味を考えるきっかけになります。兼好の言葉は、子供のような素直さで大きな問いに挑む姿勢の大切さを教えてくれます。忙しい日常の中で「生きる目的」を考える時間は、心の安定に繋がります。この視点は、人生の本質を見つめ直すきっかけを与えてくれるでしょう。

徒然なる筆の意義

跋文で、「這両帖、吉田兼好法師、燕居之日、徒然向暮、染筆写情者也」と、兼好は自らの執筆の動機を述べます。暇な時に心のままに綴った徒然草は、彼の内面の吐露であり、後の世に残る遺産です。

現代では、ブログや日記を通じて自分の思いを記録することは、自己理解や後世へのメッセージになります。日常の気づきを書き留めることで、心の整理ができ、将来の自分や他者に何かを残せます。兼好の言葉は、記録する行為の価値と、思いを形にすることの意義を教えてくれます。この視点は、現代人に自己表現の大切さを気づかせてくれるでしょう。