和金とプレコと極火エビ、登山と車と時々カメラ

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2016.10.31
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カテゴリ: 雑談
数日のうちに黒部を題材にした小説と映画を見ました。「高熱隧道」と「黒部の太陽」です。

高熱隧道改版 [ 吉村昭 ]

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高熱隧道は黒部第三発電所のためのダム、黒部の太陽は第四発電所のためのダム建造に際しての軌道トンネル及び導水トンネル工事の物語。

豊富な水量と高い落差のために水力発電に適した地形の黒部へのダム建設には多数の犠牲者が出た、ということは多くの人が知っていると思います。

しかし無知な私などは「安全意識も低かっただろうから、転落事故でたくさんの人が死んだんだろう」程度の認識でした。

しかしながら史実を元にした今回の2作品を見たことでその認識が誤りであったことを痛感しました。


現在の地下鉄工事のような大型掘削機械がある訳はなく、

ドリルで穿った孔にダイナマイトを人間が押し込んで発破し、砕けた瓦礫(ズリ)をこれも人力で敷設したトロッコに放り込んで搬出するという気の遠くなるような工事。

そもそも現場までの道のりも工事のために作った丸太を渡しただけの道。この時点で多数の人が転落死。

発破に関しても、高熱隧道は150度を超えるような岩盤温度のため作業員に水を掛けながら20分交代で作業を進めるような環境で、ダイナマイトの自然発火温度を超えたことによる爆発事故。



さらには泡雪崩という特殊な雪崩で強固に作った宿舎が吹っ飛んだり火災が起きたり。

「地理的要因も加味して雪崩対策を念入りに行った強固な宿舎の三階から上が、多数の人とともに数百メートル吹き飛ばされ、建物と人が岩盤にへばり付いていた」という凄惨な描写には恐怖を感じます。

フィクションでも過剰演出だと言われそうな事故が実際に起きた訳ですから。

春が来るまで現場に近付くこともできず、少しずつ雪が崖へ落ちるとともに共に作業をしていた人夫の遺体も二度と回収することの出来ないところへ落ちていく。

それを双眼鏡で遠巻きに見ることしかできないなどという状況になれば現代の人間の精神では耐えられないと思います。


はたして、技術の発展した現在なら死人を出さずにさらに工期を短縮して完工することができるでしょうか。

私はきっと出来ないだろうと感じました。なぜならこの工事は死人が出ることを前提としないと行えない工事だからです。(いや、出来るのかもしれませんが個人の感想です)

規模や業種こそ違えど、現在の現場で工事監督・現場代理人・安全衛生責任者などの職務を行う私ですら

「実行したことが信じられない過酷な現場だ」と思いつつも、「こうしなければ出来なかった」というなにかを感じました。

第三ダムはキナ臭い戦前の電力自給力向上のため、第四ダムは戦後の復興の電力不足の解消のため、どちらも軍の、国の威信をかけた工事だからこそ行えた工事でしょう。


中島みゆきが紅白中継で歌った黒部ダム。そして仙人谷ダム。日本の建造物の中で明らかに異質なスケールの人工物です。


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ではまた!







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Last updated  2016.10.31 11:56:37
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