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2017.06.14

歌野晶午『密室殺人ゲーム2.0』

テーマ：最近、読んだ本を教えて！(24672)

カテゴリ：本の感想（あ行の作家）

～講談社文庫、2012年～

『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の続編です。
　前作を前提にしているので、順番に読まれることをおすすめします。（なお、密室殺人ゲームシリーズは、３部構成の巨大な長編となるという構想があるそうです。本書の次に刊行された『密室殺人ゲーム・マニアックス』は、外伝という位置づけとのこと。『マニアックス』解説より。）
　今回も、便宜的に連作短編集のかたちで内容のメモをしておきます。

―――
「Ｑ１　次は誰が殺しますか？」 密室殺人ゲームの模倣犯（？）が逮捕された。流出した捜査資料の中にあった、犯人が残した謎の数字が意味するものとは？

「Ｑ２　密室などない」 伴道全教授と頭狂人が出題する、軽めの推理ゲーム。

「Ｑ３　切り裂きジャック三十分の孤独」 出題者はザンギャ君。密室状況の中で、バラバラ死体が発見された。果たして、ザンギャ君はどのように密室殺人を成し遂げたのか？

「Ｑ４　相当な悪魔」 出題者は頭狂人。大阪に行っていた被害者を、大阪まで行く時間的余裕のなかった頭狂人はいかに殺害したのか？

「Ｑ５　三つの閂」

「Ｑ６　密室よ、さらば」 出題者は０４４ＡＰＤ。男女住むマンションの一室で、女性と、全く男女と面識のない男性が死んでいた。その部屋に犯人は入り得なかったはずなのに、いかに犯行はなされたのか？

「Ｑ？　そして扉が開かれた」
―――

　今回も面白かったです。
　印象的だったのは、「Ｑ５　三つの閂」。意図的に雪の密室を作ることがいかに大変かを、ａｘｅが力説します。
「Ｑ４　相当な悪魔」も、タイトルどおり、頭狂人はひどいことをやってのけます。といっても、殺人ゲーム参加者は、全員ひどいことをしているわけですが……。
　杉江松恋さんによる解説も、非常にわかりやすく、また勉強になりました。解説は玉石混淆だと思いますが、この解説はとても良かったです。

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