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2018.05.16
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麻耶雄嵩『螢』

~幻冬舎文庫、 2007 年~

 麻耶雄嵩さんによるノンシリーズの長編です。

 それでは、簡単に内容紹介と感想を。

―――

 オカルトスポットなどをめぐるサークル「アキリーズ・クラブ」のメンバー6名が、合宿のため、OBの佐世保の別荘「ファイアフライ館」を訪れる。

 この建物は、かつて、有名な作曲家にしてヴァイオリニストの加賀螢司が主であったが、彼が 10 年前にメンバーの演奏家を殺した場所だった。

 クラブの一人、諫早は、恋人のつぐみをジョージという連続殺人犯に殺されていた。その悲しみも癒えない中、合宿に参加するが、その最中に事件が発生する。

 館主の佐世保が、何者かに殺害されていた。そして、電話線は切断され、豪雨により帰路も断たれてしまっていた。肝試しの中、第三者の女が存在しているのではないかとの疑いも生じてきたが、クラブのリーダー平戸と、一年生の島原の間では、外部犯と内部犯との意見の食い違いが起こる。

 果たして真相は。

―――

 これは面白かったです。

 若者たちが館を訪れ、クローズド・サークルの中で事件が発生する、という状況設定はよくあるかもしれませんが、とにかく色んな趣向が凝らされています。

 読後に(私はネタバレサイトも参考にさせてもらいましたが、真相が分かってから)再読すると、伏線の妙にうならされます。

 麻耶雄嵩さんの作品をいろいろと読んできて良かったと、あらためて思いました。

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Last updated  2018.05.16 23:02:03
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