~幻冬舎文庫、 2007 年~
麻耶雄嵩さんによるノンシリーズの長編です。
それでは、簡単に内容紹介と感想を。
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オカルトスポットなどをめぐるサークル「アキリーズ・クラブ」のメンバー6名が、合宿のため、OBの佐世保の別荘「ファイアフライ館」を訪れる。
この建物は、かつて、有名な作曲家にしてヴァイオリニストの加賀螢司が主であったが、彼が 10 年前にメンバーの演奏家を殺した場所だった。
クラブの一人、諫早は、恋人のつぐみをジョージという連続殺人犯に殺されていた。その悲しみも癒えない中、合宿に参加するが、その最中に事件が発生する。
館主の佐世保が、何者かに殺害されていた。そして、電話線は切断され、豪雨により帰路も断たれてしまっていた。肝試しの中、第三者の女が存在しているのではないかとの疑いも生じてきたが、クラブのリーダー平戸と、一年生の島原の間では、外部犯と内部犯との意見の食い違いが起こる。
果たして真相は。
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これは面白かったです。
若者たちが館を訪れ、クローズド・サークルの中で事件が発生する、という状況設定はよくあるかもしれませんが、とにかく色んな趣向が凝らされています。
読後に(私はネタバレサイトも参考にさせてもらいましたが、真相が分かってから)再読すると、伏線の妙にうならされます。
麻耶雄嵩さんの作品をいろいろと読んできて良かったと、あらためて思いました。
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麻耶雄嵩『木製の王子』 2025.03.08
松本清張『点と線』 2024.05.11
松本清張『砂の器(上・下)』 2023.04.29
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