のぽねこミステリ館

のぽねこミステリ館

PR

Profile

のぽねこ

のぽねこ

Calendar

2021.09.04
XML


有栖川有栖『幽霊刑事』
~講談社、 2000 年~

 有栖川さんによるノンシリーズの長編です。刊行はもう 20

 上司に呼び出され、「すまん」の言葉とともに射殺された神崎達也刑事は、気づくと幽霊となってこの世に戻っていました。フィアンセの森須磨子刑事は自分に気づくことがなく、絶望的な気持ちになる神崎刑事ですが、イタコ家系の後輩・早川刑事には自分が見え、会話できることに気づきます。
 早川刑事の協力を得ながら、上司の犯罪を立証しようと奮闘する神崎刑事ですが、その上司も密室状況で死亡するのが発覚します。所属署の度重なる不祥事もあり、上層部は事件の解決(もみ消し)に躍起になりますが…。

 物語は幽霊となった神崎刑事の一人称で進みます。物を通過できるけれど触れることはできなかったり、早川刑事以外には自分の姿や声が見聞きできなかったり、眠ってしまったりと、いろいろな設定が面白いです。早川刑事のキャラクターも素敵です。
 いかに上司の犯罪を立証するか。手に汗握る展開の中、その上司も殺されてしまい、さらに謎が深まるという、ミステリとしても抜群に面白いですが、幽霊の存在を全く信じないフィアンセとの行方にも注目です。

 おそらく 20 年近く前に読み、その後一度は再読している(はず)と思いますが、それでも今回が 10 年以上ぶりの再読と思います。感動できる物語、という印象は残っていましたが、あらためて楽しめました。有栖川さんの作品はどれも安心して楽しめますが、その中でも私には好みの物語でした。

(2021.05.28 読了 )

・あ行の作家一覧へ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2021.09.04 12:38:16
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

Keyword Search

▼キーワード検索

Comments

のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 第2部第…
のぽねこ @ シモンさんへ コメントありがとうございます。 脳科学に…

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: