~角川文庫、 1996
年改版初版~
あまりにも有名な『犬神家の一族』です。
2007
~ 2009
年頃)にも読んでいなかったので、このたび読み返してみました。
面白いに尽きるのですが、簡単に内容紹介と感想を。
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生糸工場で成功し、信州一の財閥を築いた犬神佐兵衛が亡くなった。それぞれ母親の違う3人の娘たちと、その夫・息子たちは、それぞれいがみあっていた。長女の息子、佐清(すけきよ)が復員したとき、その遺言書の内容が明かされることとなっていた。
犬神家の弁護士をつとめる事務所の所員から、事件を予期するような手紙を受け取った金田一耕助は、犬神家近くの宿をとる。しかし、依頼人と会う約束の時間直前に、犬神家で起こった事件(ボートに穴があけられ、佐兵衛の恩人の孫娘が湖に落ちかける)に関わった耕助が宿に戻ると、依頼人は毒により死んでいた…。
さらに、復員した佐清は、戦争でやられたということで、仮面を付けていた。そして、本物か疑われる中明かされた遺言書の中身は、まるで殺し合いを誘発しかねないような内容だった。
ついに、次々と3人の娘たちの息子たちが殺されていく。まるで、よき(斧)・こと(琴)・きく(菊)という、犬神家の家宝を連想させるような状況で…。
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これは面白かったです。事件前後に、犬神家付近で目撃される復員服姿の男の役割など、見立て殺人以外にも謎は多く、わくわくしながら読み進めました。
犬神佐兵衛の過去を描く「発端」以降、すぐに金田一さんが登場するのも読みやすいです。
冒頭にも書きましたが、なんとなく有名すぎて、イメージもあって再読できていませんでしたが、やはり原作は安心して読めます。繰り返しですが、面白かったです。
(2023.01.29 読了 )
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