ヌクヌクノート
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28日(水)の研修バスツアーの第一訪問場所は、三橋節子美術館でした。ご存知でしょうか?わたしは、この研修の計画の段階まで全く知らなかった女性画家です。三橋 節子画伯三橋節子さんは、33歳で利腕の右肩鎖骨腫瘍により右腕を切断、余命いくばくもないことを知っても創作意欲を失わずに、35歳で亡くなるまで左手に持ち替えた筆を止めなかったという悲運の画家です。代表作は、右手で描かれた「鬼子母神」三井寺に祀られている鬼子母神は、人の子をとって喰らう鬼子母が悔いて子どもたちの守護神になったもの。節子は鬼子母人を自分に似せて描き、二人の子ども草麻生(くさまお)となずな、そしていとこ達に寄せる母性愛を描こうとした。そして、左手で描かれた「花折峠」比良の麓の花折峠には、気立てのいい花売り娘が雨の日、嫉妬に狂った花売り娘に激流に突き落とされた時、峠の花たちが一斉に折れて娘の命を助けたという話がある。節子の死の半年前、この一つ一つの花に自分の奇跡を祈り託したのかもしれない。「三井の晩鐘」昔、湖に住む龍王の娘を妻にした猟師は、むずかるわが子に目玉を与えて盲になり、わけあって湖に帰った妻に子の無事を知らせるため、毎夕鐘をついたという。節子は、この伝説と自分の運命を重ねるように死の予感の中でこの絵を描き上げた。 作品は、近江・琵琶湖の歴史や自然をテーマとしつつ、残して逝かなければならない家族への愛情が表現された作品として観る人に、深い感動を与えるものばかりでした。28歳での幸せな結婚を機に、長等山の麓に居をかまえ、充実した日々を送っていた彼女に訪れた悲運を想い、それでも描き続けた強さに感動しました。入館料は、210円です。作品数はそれほど多くありませんが本の挿絵の小作品も多く展示されていて、1時間では足りないと思いました。下の写真は、買って帰った素敵な絵葉書です。そして、美術館から三井寺までの帰り道の紅葉を二枚。いかがでしょうか?
2007年12月02日
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