就職活動2020


看護基準が変わったせいで、異常なほどの就職天国であった。
多少なり、難関の病院もあるが、聖路加とか虎ノ門などの超人気病院や、地方での国公立とか選ばなければまず就職は可能。
ただし、それも今までの話。
最近は都内の大学病院を中心として就職が厳しくなっている。
今後は急性期病院も絞りこまれるので、急性期で働ける人は少しずつ減っていくといわれている。慢性期、在宅に移行が求められる。


まず病院選び。
大まかにいうと、次のように分けられる。
大学病院、国公立、総合病院、専門病院、個人病院、老人病院、クリニック、老人施設、訪問看護ステーション、その他。

クリニックは新卒では厳しいでしょう。というか採用もされないはず。
また老人病院、老人施設なども教育という面では厳しい。なぜならある程度経験を積んだ人がいくので。
老人保健施設などは看護師が1フロアを一人や二人でみるという状態。そんなところへ新人がいっても対応は難しいし、飽くまでベテランがやるところ。
訪問看護は人気は高いが、新卒ではあまり採用されない。
でも最近では採用されることもあるようだが、だいたい、臨床経験5年以上が必要といわれている。
一人でまわるわけだから、自立できる必要があります。
仮に経験の浅いままやっても、あとでかなり苦労する可能性が大きいです。
一人で幅広い対象の患者をみる必要があるし、一から教育も難しい。
そういったことから、一般病院から選ぶのが最適だと思われます。

就職活動の開始。
どうでもいいなら、卒業してからでも楽勝で就職はできます。
病院によっては即日採用もあるでしょう。
でも人気のあるところに行きたいなら、ある程度準備は必要です。
大学なら3年目、専門なら2年目にはいきたい病院の候補あげてお来ましょう。
見学もいいけど、インターンシップがおすすめ。
というか、インターンシップは絶対にいったほうがいいです。
雰囲気を知るにはいいチャンスだし、うまくいけば、スタッフと仲良くなって、裏情報を聞けるかもしれません。
就職試験は早いところだと春から始まりますが、人気のある病院は定員が埋まったら募集を停止するところもあるので早いもの勝ち感があります。
年をあけると二次募集などもあるが、枠はかなり狭くなります。
人気病院は試験回数も少ないので要注意。
とにかく、早め、早めに動き、そしてちゃんとチェックしておきましょう。
なるべく一次募集で受験しましょう。
配属希望なども一次が有利でしょう。
就職試験内容は病院によってマチマチ
国立系などは一般教養とかが入ったりしますが、その一方で筆記試験そのものもないところも多いです。
でも、総じてそんなに難しいものはないし、今の状況ならよほどのブランドの人気病院以外は敢えて対策するほどの試験もないとは思います。

面接。
この比重は大きいです。
服装に気をつけてください。もちろんスーツは必須。
たまにジーンズとか普段着できてる勘違いな人がいますが、それは問題外。
髪もできれば色は黒に戻したり、派手な色は避けましょう。
そーいうのにうるさい年配の看護師は多いです。
とにかく元気に明るく。
内容はともかくとして、快活に話すことが重要です。
内容はみんなうそっぽいのもあるわけで、差をつけるなら、声の大きさ。
他にも受けてますか?と聞かれたら答えてもいいが、正直に答える必要はまったくないと思います。

内申。
これが実は一番重要です。
成績は上位をキープしておきたいですね。
そして、欠席、遅刻は限りなくないようにしてください。
これが多い人は致命的かも。
就職試験そのものよりもこれが駄目だと不利です。

病院選びのコツ。
ネットをフルに利用しましょう。
ナスコミというサイトは働いている人の口コミがダイレクトに掲載されていて真実味があります。
紹介会社は会社の利益がからんでいるので、あまりおすすめはしません。
何が得意なのかを調べるには、今流行りの病院ランキング本が参考になります
手術の症例数がのってるので、それで何が得意なのかがよくわかります。
ただし、治療で有名でも、看護がいいかは別問題ですが・・・・
治療と看護は違うので・・・・
多くの症例があればそれだけ経験ができるが、少ない人数で多くの患者を受け入れ、まわしていこうとする病院もあるので注意が必要です。
そういう病院はハードだし、業務でだけで終わりがちですね。
これ重要です。


圧倒的人気の大学病院。
大学病院は最近だと思ったほど入りやすいが、配属がなかなかとおりにくいというのもあります。
診療科も多い上に、新入社員も多いのだから第一希望が必ず通るわけがないですよね。
さらに学校をもっていると内部生も抱えていますし。
外部から入る人は、それ相応の覚悟をしなくてはいけないかも。
なので、配属希望がかなり強い人は大学病院は微妙だし、どこへ配属されてもいいという覚悟はもったほうが良いと思います。
あと、大学病院は診療科が細分化されています。
たとえば普通の病院なら消化器なら消化器病棟で一つでまかなってる所を、肝臓病棟、上部消化管病棟、下部消化管病棟などと別れていたりします。
ICUにしても、救急のICU、術後ICU、CCU、SCUなどさまざま。
専門性は高くなる分、視野が狭くなる傾向もあります。

あと、みんなが気になるのは教育。
しかし、教育については、病棟にもよります。
結構差が激しい。
大学の場合、勉強を否応無しにやらされるといった雰囲気はあります。
自分で自主的に勉強する人は大学に行かなくてもちゃんとやっていけるはずだし、逆にウザイかもしれないです。
反対に人に言われないとやらない人は向いているんじゃないかと思います。
看護過程、看護計画などは、やはり大学はしっかりやっていると思います。

本当に教育がいいというのは、マニュアル的な教育でなくて、現場で先輩がちゃんと間違ってることは間違いと教えてくれて、正しい知識、技術を導いてくれることだと思います。
マニュアルじゃくて、人がポイント。
そして無茶をさせないことですね。
その新人の能力に合わせて、受け持ちを調整させたりすることは大切。
それには何が重要かというと、マンパワー。
スタッフが少ないところは余裕がないです。
すぐに人が辞めてしまうところは、経験の浅い人ばかりだったりで、人が育たないし、指導できる人が少ないですね。
だから、病院の教育体制を見るにはまずはスタッフの数だと自分は思います。
簡単な指標として、総病床に対してどれたけ看護師がいるかを見るといいです。
例えば600床の病院なら、限りなく600人に近いところがいいということです

最初の1年間は、仕事づくしなので、遊んでる暇はあまりないです。
特に大学病院はその傾向が非常に強いです。
休みの日でも看護研究や、勉強会に狩り出され、やれプリセプターとの話合いとかで、休日はあっても、職場にいくこと多いです。
また、委員会、係りなどもあり仕事以外の役割がやたらに多いのが特徴。

専門病院は、確実に希望の科にすすみたい人におすすめです。
ただし、1つの科をさらに細分化しているため、幅広い知識を身につけるには、病棟を移ったりして、長い時間をかける必要があります。
つまり、心臓なら循環器内科病棟、心臓血管外科病棟、CCU、ICU、手術室、救急などと細かく分けられてしまうということです。

国公立は、定員が決まっているので、多く採用できないとも聞きます。
定着率は高いところが多く、特に地方は辞めないっていいますね。
民間よりは離職率が低い傾向にあります。
国立とかに見学に行けば分かりますが、比較的年配のナースが結構多い印象があります。
しかし、給料は月給は意外に安めかなと。
ボーナスも年々下がってきています。
さらに赤字とかで民間に移譲している傾向にあるので、安定性も微妙。
いいのは退職金だけかなあと感じます。
ただし、公立は休みがかなり多い傾向にあります。
これは民間と決定的に違うところかもしれないですね。
有給消化も比較的しやすい。
プライベート重視なら、公立は狙い目かもしれません。
あと、隠れた部分での福利厚生が充実していたりします。
トータルでいうと、公立、あるいは公立系は最もおすすめしたい病院ではあります。

ちまたによくある個人病院は微妙です。
即実践的な感じはあります。
その代わり、技術的に色々と身につき、なんでもやらされるという感じもあります。
医師が少ない分、ナースがフォローしなくてはいけないからですね。
そういう意味で鍛えられるし、やりがいがあるかもしれません。
さらに新人が少ないから、ある意味じっくり教えてもらえるかもしれません。
その昔、個人病院にいた時、病棟では自分だけ新人だったので、あらゆることをさせてもらえたという経験があります。

出世。
今は、管理職コースか、スペシャリストコースかに分かたりします。
管理職コースというのは、いわゆる看護師長や主任。看護の専門性とかよりは、マネジメント能力とかが必要になってきます。
スペシャリストは認定看護師、専門看護師といったその分野で高い専門性をもったナース。
教育とか院内のナースのレベル向上などといった役割を果たしていく。
師長になるには、病院によってかなり差があります。
次々に人がやめていくところは流動性が高いので当然、師長になるチャンスが多くなります。
20代で主任とか30代前半ぐらいで師長になれたりするところもあります。
反対に公立とかなかなか辞めないところでは、何10年もかかることがあります。
さらに試験があったりするので、国公立とかで師長になるのは長い年月が必要と思います。

病院のホームページなんかでも、常時中途採用をしているようなところは慢性的に人手不足といえます。
やはり、人が辞めないところや、人が充足しているところは定期採用しか出してない傾向があります。中途採用なしなんて病院も最近では見かけます。

給料も高いほうがいいが、それは二の次でしょう。
まず入りたいところを重視したほうがいいと思います。
異常に給料がいいところはその裏に何かがあると疑う必要もあります。
超忙しいとか、それだけ人が足りないとか、数字のカラクリとかも・・・。
夜勤体制は最近は2交代が主流になりつつあります。
賛否両論あるが、3交代のほうがきついという人が多いです。
日勤→深夜とか、準夜→日勤などのシフトがあるところは避けたほうがいいと思います。
ただ、2交代の長時間勤務は結構きついです。
急がしくて仮眠もとれないような部署では2交代はかなりきついです。
たっぷり確実に仮眠休憩がとれるような部署は2交代はアリですが・・・・
要は一気にやってしまって休み時間を多くとるか、こまめにやって、一回あたりの労働時間を減らすかですね。
2交代は夜勤を二回分やるわけだから、通勤回数が少ないというメリットもあり、3交代をするなら寮とか近くに住んでないと辛いです。
私は、3交代のほうがいいです。早く終わった感が味わえるし、嫌な人と半日も勤務するのが辛すぎるからです。

診療科選び
悩むところです。
本人の行きたいところが一番だが、後でつぶしが利くところを厳選すると・・・・
循環器、脳神経、消化器、外科、ICU、救急などいったメジャーな急性期。
ただ、ICUと救急は、新卒では厳しいと思います。
また、基本を身につけるという意味では、病棟からが無難でしょう。
ICUとかだと記録もやや特殊だし、重症が多く自分のレベルに合わない。
手術室は、毎日挿管の介助をしているし、急変も多いから勉強にはなるが、病棟とはまるで違う雰囲気があるので、いざ病棟にいくと、業務の違いに戸惑うかもしれません。
精神科は、一生涯それにかかわるのならいいかもしれませんが、中途半端な気持ちなら、まず一般科で教育を受けたほうがいいです。
じゃないと、あとで進路変更はなかなか厳しいから。
就職してからの移動はできることはできますが、大学病院のように巨大すぎるところは異動希望を通してもそうそう通るわけではないし、数年はかかります
そんなのをいちいちみんなの希望をとっていたら、病院側もやってらないわけで。
そこにいくと個人病院とかなら、希望は通りやすいメリットがあります。
つまり融通が利きやすい。
とりあえず、人気のある科は、救命、外科系。
第三希望ぐらいまでは、聞かれるはずです。
だけど、第三希望全てはずれるっこともなきにしもあらず。


あと、まず見学しましょう。
病棟を見学してみて、年齢層を把握。
あまりに若過ぎるところはすぐにやめてしまうか、超ハードだったりすることも・・・・
つまり、年配の人がいないということは、子育てできる環境ではないということともいえます。
某カリスマ病院は超人気だけど、離職率も恐ろしく高く、ほとんどが3年ももたないと聞きます。
国公立病院は、若い子からおばちゃんまで、幅広いことが多いです。
公務員の退職金は半端じゃなく、国公立の最大のメリットともいえます。
しかし、国立も民間への移行によりどうなるかは分からないし、一生同じところに勤める人もなかなかいないだろうし、国公立の魅力は前に比べて減ったと思います。

人間関係とかよくいうが、こればっかりは入ってみないとわかりません。
ある病棟はよくても、ある病棟は最悪だったりもするし、また人によって受け取り方も違います。
救急やICUなどはその環境により、一般的にきついナースが多い傾向にはありますが・・・・


まとめ
有名大学病院などにせっかく入っても数ヶ月で辞めては逆に経歴が汚れるし、自信もなくなりまする
また、今後の就職にも影響がでるかもしれません。
大学病院にいって、救命センターに入って・・・・そんな夢をもってる人は多いが、現実の厳しさとギャップを知り挫折する人は少なくないです。
焦らず、自分の合うところをじっくり見つけてもいいと思います。
相変わらず、大学病院志向は高いが、大学病院だから高度な看護や、高度な教育があるわけではないです。
ここを勘違いしている人がかなり多いかなと。
さらに勘違いなのは、手取り足取り教えてるくれると思ってることです。
実際はそんな感じではないです。
導いてくれることあるけど、すべてを教えてくれるわけではないのです。
有名大学病院にいれば、確かに「ハク」がとりあえずつくかもしれません。
多少はハッタリが利くかも。
でも、実力が伴わないと・・・
でも、転職してその肩書きに見合った実力がなければ逆に馬鹿にされかねないです。
有名病院にいっても、漠然とダラダラと受身では意味がないし、小さい病院でも積極的に勉強してる人と比べたら大きな差が出ると思います。

よく、ネットの掲示板とかで、「○○病院の雰囲気、人間関係はどうでしょうか?」「残業時間は多いですか?」「教育システムはいいでしょうか?」とか質問されているのを見ます。
聞きたい気持ちはわかりますが、それで就職を決めてほしくないと思います。
病院なんてのは、実際入ってみて仕事してみないと実態はよく分かりません。
噂とまるで違うなんてのはめずらしくないです。
自分の行きたい病院があれば、まず飛び込んでやってみることは大切だと思います。
就職する前から色々考えて、行かずじまいに終わるのはもったいないですね。
実績を上げてる病院が忙しいのは当然です。
厳しくもあります。
でも、そこで学びたいなら多少の犠牲は覚悟しなくてはいけないです。
犠牲なく、学ぼうなんて甘い話はそんなにないです。
誰でも、楽で待遇がよくてそれでいて学べるところがいいですが、そんな病院は存在しないといってもいいです。
だから、何を優先するのか、何が譲れない条件なのかを自分で確認して、そして選ぶべきです。



それから、忘れてはならないのが、内定後。
複数の内定をもらった場合、気をつけなくてはならないことがあります。
誰でも、避けたいと思われる内定辞退。
とてもいいにくいのは分かますが、辞退するときは、丁重におこなうべきです。
電話が基本。ちゃんと理由を説明し、はっきりといいましょう。
辞退する場合は、なるべく早急に
でないと、その穴埋めとして採用する病院に迷惑をかけます。
その対応いかんで、母校の後輩にも影響を与えてしまいます。
また、どこでどうなるかはわらりません。
もしかしたら、辞退した病院に行きたくなるかもしれないし。
だから、礼儀正しく行うのが、自分のためでもあります


© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: