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今週の25日から、スカパーのニコロデオンで『インベーダー・ジム』が放送される。ここの日記で番組タイトルを書いちゃうことって、やらないようにしてるんだけど、この作品は、特別扱いで書いちゃいます。なんで特別扱いかっていうと、今まで声優やってきて、色んな作品やらせて頂いて、いつも「最低1つは新しいコト(テーマ)にチャレンジして役づくりしよう」って思って演ってきたんだけど、素が不器用な役者なもんで、1つの作品中に完成するコトなんかなくて、(ま、演技に完成なんてないんだけど…)演じたいテーマが毎回増えて行く状態な訳です。それでも前回よりは今回、今回よりは次回って進歩してはいってて、後退してる訳じゃない。ただ、前回頂いた役のチャレンジが今回の役にはハマらない…なんて時もあるから、3歩進んで2歩さがるなんて時もしばし…。おっと、話が横道に逸れて行きそうなので戻して───。で、このジム。私が初めてレギュラーの役を頂いた時のテーマ(チャレンジ)が、力一杯盛り込めるキャラなのです。つまり15年前かかえているテーマを、力一杯ぶつけるコトが出来るご褒美のようなキャラなんです。初めて頂いたレギュラーの役は、子供の頃から見ている作品に山ほど出演していらっしゃる、尊敬する大先輩の2代目で、しかも同じく大先輩と割台詞が多く、沢山しゃべるというよりは、“叫んでナンボ”というような役だった。マイクの前で足はガクガク手はガタガタ震える中、必死で叫んでた。私は誰よりも若い現場で、誰よりも大声で叫んでいるはずなのに、オンエアをみると、誰よりも近くに声がおっこってる。なんで?どうして?それは“叫ぶ”って芝居が解ってなかったから。本当に叫べばいいだけじゃない。叫ぶって演技をキチンとしなければ、叫んだことにならない。ただの大声は“叫ぶ”って演技じゃない。すごく悩んでた。一生懸命稽古した。でも、オンエアをみると全然ダメ。そんな時、その作品で数少ない同じく新人の役者さんに「ナオはイイよね。叫んでるだけだから」と言われた。「そうだね」と答えた。“叫ぶ演技”が、まだ全く解ってない私には言い返せなかった。その人もきっとオンエアで、私と同じように先輩方に囲まれて、自分の思うような表現(演技)が出来ず苦しんでいたのだと思う。自分があまりに苦しくて、私が楽に見えたのかも知れない。その気持ちは解らなくはない。だけど自分だけが苦しくて、他の人は楽してるなんて…そんな思いを外に出しちゃいけない。確かにその人は、私の何倍もセリフのある役だけど、私は私なりにとても苦しんでいるさなかだったから、とっても傷ついた。言い返す事はしないで、心の中で「叫ぶって芝居がどんなに難しいかこの人に解るくらい、 すごい叫びの芝居が出来るようになろう!色んな叫びが出来るようになろう!」それこそ叫ぶように強く強く思った。それから幸い、色んな叫ぶ役を頂きながら声優生活をおくらせて頂いている。喜怒哀楽それぞれの叫びがある。自分の中の物を強く叫ぶときが有る。叫びの裏に悲しみのある時、叫びの裏に温かい思いがある時、歓喜の叫び…言い出したらきりがない程、本当に色んな叫びがある。ジムは、叫びっぱなしと言っても過言ではない役。先に言ったように演技に完成なんてないけど、昔よりは“叫ぶ”ことが出来るようになった、今の私にご褒美の役だと思う。今まで得て来た物を、全てぶち込んでみよう。そして更に発展チャレンジしてみようと思う。ジムを私に与えて下さった全ての方に感謝して止まない気持ち。それと、これだけ“叫ぶ”ことを意欲的に捉えられるようになった原動力になったかも知れない「叫んでるだけだから」と言ってくれたその人にも、今は感謝できる。みんな、みんな…アリガトウ。ニコロデオンって、小さなお子さんのいない家庭では、あまり契約していないかも知れないけど、ぜひ1人でも多くの方々に見て頂きたい。どんな作品も手抜きしたコトなんてないけど、『インベーダー・ジム』一生懸命頑張って収録しています。σ(^○^)
2005年06月20日
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