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アカデミー賞2部門を受賞した作品です。ブレンダン・フレイザーがアカデミー賞主演男優賞を受賞し、メイクアップ賞も受賞しています。舞台劇の映画化で、場面はアパートの室内と廊下だけ。監督はダレン・アロノフスキーです。ダレン・アロノフスキー監督はナタリー・ポートマンの夫で、「π」や「ブラック・スワン」といったトリッキーな演出で知られていますが、今回の演出は、かなり抑え気味です。 極度の肥満症の男が、余命数日だと知ります。男はかつて、娘が7歳の頃に離婚し、ゲイの男のもとへ行きました。やがて、パートナーの男性が拒食症となり自殺。ショックで自暴自棄になった主人公は、過食症になり、大学のオンライン講座で作文の講師をしながら過ごしています。男は娘にもう1度会いたいと連絡を取ります。ただ、7年間会わなかった娘との間には大きなブランクがありました。 全体的に暗く物悲しいトーンで包まれています。主人公の肥満メイクは、すさまじいものがあります。肥満すぎて、アパートの2階から階段を下りるどころか、歩行も困難で、歩行器や車いすを使用しています。だから登場人物も少ないのです。主人公、娘、元妻、介護士、新興宗教の勧誘に来た若い男、ピザの配達人だけです。でも、それぞれの登場人物たちの演技力が非常に高く、個性的でインパクトある演技の応酬となっていて、とても見ごたえがあります。特に、悪態をつきまくる介護士や裏事情のある新興宗教の男の演技力は驚くほどです。 終盤、それまでずっと無表情だった娘の表情が崩れ、部屋に日光が差し込みます。あの瞬間の感動が、心地よい余韻を与えてくれる映画です。
2024年03月24日
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