アイビーのhand made diary

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シュトーレンあれこれ










シュトレンとは?

ドイツのお菓子といえばバームクーヘンが日本では有名ですが、(※ドイツでバームクーヘンは殆どみかけません。)実はドイツで最も有名なお菓子はシュトレンとよばれるお菓子です。

シュトレンは元々ザクセン州の州都ドレスデン市でクリスマス時期に焼かれる郷土菓子でしたが、今やドイツを代表するお菓子として、クリスマス時期になるとドイツ中のケーキ屋さんパン屋さんで焼かれています。

しかしながら現在では、ドイツのほとんどのパン屋が、シュトレンは手間隙かかるので大変だ、いうことで、工場で出来上がった材料をただ混ぜて焼いて売る、という風になってきています。(シュトレンは、ドイツではパンの分類に属します。)ドイツのスーパーなどでは安価なものは工場で大量に作られています。

そんな中、60歳ながら今も現役として昔のマイスター気質を大切にするエンゲルハート氏は、小麦粉やバターなど、素材を手と目でひとつひとつ確認して取り入れ、時間をかけてていねいに作って100年前に作られた焼き型にいれて焼いています。(仕事としては本当に大変なのですが。)ドイツでは、そういうお店がどんどんなくなっている昨今、ほんとうに貴重なマイスターの手作り逸品です。エンゲルハート氏はパン職人のみならず、ケーキ職人としてのマイスターの称号を有し、発酵菓子としてパンとお菓子の中間位置にあるシュトレンを作るに最もふさわしいマイスターと言えるでしょう。


クリスマス時期のシュトレンの食べ方

ドイツのではシュトレンはアドベント(後節節)が始まるクリスマスまでの4週間前から薄く切って食べつつクリスマスを待つ、というのが一般的です。今では夏が終わるとスーパーでもうシュトーレンを売り出しているので、クリスマスまでの間、食べたいときに食べるという風に変わってきています。夕食後のひとときに一切れづつ食べ、クリスマスに食べきるのが通常でしょう。たとえば、クリスマス時期に会合や集まり、来客などがあると、お茶菓子にもシュトーレンを食べます。各家々や地方によっても違うのですが、フランクフルト辺りでは、クリスマスまでお茶菓子代わりにどんどん切って、何本も食べます。シュトーレンの歴史から想像するに、高級な材料がなかなか手に入らなかった昔、クリスマスの特別豪華なお菓子として、一切れづつ味わって大切に食べられたのではないかと思います。



シュトレンの呼び方
日本ではStollenの呼び名はシュトレンですが、まれにシュトーレンやシュトレーンなどとも聞きます。エンゲルハートでは日本で最も広く使われているシュトレンをStollenの日本語読みとさせていただきます。




シュトレンの種類

一口にシュトレンと言って様々なものがあります。

【シュトレンの法的な定義】ドレスナーシュトレンは名称保護法で、それ以外は食品法で定められています。

■ 保護法で名称保護がなされているもの-ドレスナーシュトレン
  (Dresdnerstollen)
■ 特別な材料を用いたもの-ブタ-シュトレン、モーンシュトレンなど。
■ シュトレンの前に種(ヌスやモ-ンなど)や乳製品の名称を名づけられるものは、小麦粉100%に対し、種では8%以上の分量、クヴァークは10%以上の分量の使用が義務付けられています。

※クリストシュトレンとヴァイナハツシュトレンは、どちらも一般的な通称で、 規定はありません。

〇 材料の配分と法律の関係
  -シュトレンと呼ばれるには、規定の分量が要求されています。
  -主材料のほかの規定の分量の材料を含むものは、その名称を名づけることができます。
(モ-ンシュトレンなど)

【シュトレンの正式な種類】

■ クリストシュトレン(Christstollen)
  -一般的に呼ばれている名称の基本のシュトレンになります。
  -シュトレンと呼ばれるものは、小麦粉100%に対し、バター(82%以上のバター) が最低30-50%の分量含まれているもの、または、純正バター(バター100%)が最低24,6%、マーガリンでは30,75%の脂肪分が含まれているものと食品法で規定されています。
  -乾燥物の分量は、小麦粉100%に対し、最低60%が含まれなければなりません。
上記の規定にそぐわないものは、シュトレンと称することができないことが定められています。

■ ヴァイナハツシュトレン(Weihnachtsstollen)
  -上記と同じものの別名で、規定されている名前ではありません。一般的に上記と同じように使用されています。
バターの量30%、ドライフルーツ60%

■ ドレストナーシュトレン(Dresdner Stollen)
  バター20%、マーガリン20%、ドライフルーツ70%、アーモンド10%
  -ドレスナーシュトレンは、ドイツ国法では、ドレスナーで作ったもの以外でこの名称を使うことが禁じられており、ドレスナー以外で作られたシュトレンで、この総称を使いたい場合は、ドレスナー種のシュトレン(Stollen nach Dresdner Art)と呼ばれます。ただし分量についての規定ではなく、ドレスナーのパン屋さんがそれぞれの材料と配分で作るので、上記の配分が規定されているわけではありません。

■ ブッターシュトレン(Butterstollen)
  バター40%、ドライフツーツ70%
  -補足-純正バター(100%バター)の場合は32,8%です。バターの名称の配分が規定されています。パジパンの使用は禁止されています。

■ マンデルシュトレン(Mandelstollen)
  バター30%、アーモンド20%・アーモンドの最低量20%、加えて、パジパン(モモの種で作られた、マジパンに似
せて作られたもの)の使用は禁止されています。
その他シュトレンのアレンジされたもの。

■ マジパンシュトレン(Marzipanstollen)
  真ん中にマジパンが入っている-シュトレン-マジパンが30%以上使用されているもの。

■ モーンシュトレン(Mohnstollen)
  中にブルーポピーのクリームが渦巻状に巻き込んであるシュトレン。
  -モーンが8%以上使用されているもの。

■ クヴァークシュトレン(Quarkstollen)
  クヴァークを40%配合したシュトレン。
  -クワークを10%以上使用しているもの。

【シュトレンのアレンジされたものの特長】

・ 基本の規定となるシュトレンは、Christstollenの生地です。そこから派生して、配分によりブタ-シュトレン、マンデルシュトレン、マジパンシュトレンがあります。ドレスナ-シュトレンは、名称保護がなされていますが、分量の基本はやはり、Christstollenになります。
・ モーンシュトレン、ヌスシュトレン、クワークシュトレンは、基本分量は同じですが、生地の性質が非常に重くなることから、だいたいベーキングパウダーが加えられています。

【エンゲルハートのマジパンシュトレンについて】

  エンゲルハートのマジパンシュトレン(Marzipanstollen)は
ドレスナー種のシュトレン(nach Dresdner Art)がベースになっており、上記のとおり、ドレスナーシュトレンの名称が法律で保護されているため、ドレスナーシュトレンと呼ばれるわけですが、配分は個々のお店で違いますので、Christstollenの規定以上で配分されているものは、この呼び方ができます。
ちなみにエンゲルハート氏は、ドレスナーの側のゲラGeraというところの出身なので、ドレスナーシュトレンの味にも精通しています



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