無印良品の 「コルクコースター」
10枚一組で¥300以下で買えます。
お得っすね~。
10枚あったはずのコースターが何故か3枚になっていたので、妻に問うと、
7枚は、長女P子の工作の材料として、芸術の餌食として、使われたのだとのこと。
ありゃりゃ、・・まったくもう。
グラスの下に敷くコースター。
僕の実家には、こんなものを敷く習慣は無かったなぁ。
グラスの水滴がテーブルに滴り落ちたらさ、
袖よ、袖、迷うことなく服の袖で、ひと拭きよ。
そうそう、昔、友達の家でファミコンとかやってる最中にさ、
その友達の若くて綺麗なお母さんが、カルピスの入ったグラスをコースターにのせて登場したりすると、
じょ!上流階級っ!
とか思ったもんなぁ。
そんで、そのカルピスをかき回す棒が、贅沢にも液体をかき回す為だけに発明されたガラスの棒でさ、
うちみたいにお箸でかき回すんじゃないのね、お箸の反対側じゃねーの。
目の前でカランカランなんつって優雅にかき回して見せてさ、その後、ストロー差してちゅーちゅー。
き!貴族っ!
とか思ったもんなぁ。
僕なんか、カルピスなんてゴクゴク飲んだら勿体ないってんで、
日頃は、スプーンですすってたっつーの、ずーずーと、スープのように。
コースター、オンザ、カルピス、イン、ストロー、チューチュー。
もぉ~その後は自然と、そいつに敬語ね。カルピス一杯で、そいつの家来ね。
そいつがやってたドラクエの 「復活の呪文」
、頼まれもしないのに、そいつに代わって、
ノートに筆記させていただいたりしたもんなぁ。家来として・・・。
ぴずいふぬぴゃぬわいびあるぶるぶえ・・・。
「部長、今、水滴、袖で拭きましたね。」
この間、昼メシで入った牛丼屋のカウンターでの事。一緒にいたK君が僕に言った。
僕、水のグラスからテーブルに滴り落ちた水滴を、無意識に作業着の袖で拭いていたようだ。
「はは。育ちがバレるね、ヤバイね。」と僕。
K君はうちの会社の協力業者で、一人親方の水道屋さんだ。
元々、うちの会社の僕の部下で、10年程下積み経験をして独立、当然の流れで僕は彼に仕事を発注している。
まだ血気盛んな30代前半の若き経営者の彼と、現場での打ち合わせのついでに一緒にメシでもと、牛丼屋に入ったんだけどよ、
メシの最中、やっぱ、血が、気が、お盛んなもんだから、日頃の元請ハウスメーカーへの怒りや不満を、熱く僕に語ってくる訳よ。
体制がおかしい!工程に無理がある!こうこうこうすれば、問題は即解決するはずなのに!
部長!お願いです!今度の業者会議で、僕の意見を!現場の声を!バシッっと言ってやって下さい!
みた~なことを言う訳よ。も~内容が熱すぎてぇ~、熱っ!思わず耳タブつまんだもん。
K君さ。K君の意見、現場の声、100パーセント正論だよ。
でも正論過ぎて、むしろ正論が故に、たぶんそのままでは通らんね。
会議では、君の正論を50パーぐらいの目盛りに落として発言して、やっと通るか通らないかってとこだな。
その後、2・3年の時をじっくりかけて、あと30パーの意見を通す。そこが限度。100パーセントの実現は無理。
と僕が言うと、
部長!逃げるんすかっ!
部長!それでいいんすかっ!
部長!現場を変えていきましょうよ!
部長!てか、紅ショウガのせすぎっす!真っ赤っかじゃないすっすか!これもう牛丼じゃねーっすよ!
などと、さっきから、ちょいちょい人のメシの喰い方にイチャモン付けながら、K君は吠える。
「踊る大捜査線」の青島。K君ってそんな奴。
正直うっとおしいね。K君的な、青島的な人。
いつも真っ直ぐな熱い気持ちで体当たりじゃん?
ちょいちょい体当たられるほうは、たまったもんじゃないよね。
もぉ~あの番組、僕、ずっと室井に感情移入して見てたもん。
「室井さん!上は何やってんすか!」
知らねっつーの!俺のせいじゃねっつーの!
「室井さん!何で黙ってんすか!何とか言って下さい!」
黙っているのも「発言」の選択肢のひとつだっつーの!
「室井さん!偉くなって、警察変えて下さい!」
テメーがやれっつーの!もう俺ダリーっつーの!
さて、こっちの青島、K君はというと、
部長!部長って、交渉とか得意じゃないっすか!だから頼んでんすよ!
部長!部長がそんなんだったら、僕、 直接元請けの会社に行って直談判するっす!
部長!てか、喰い終った丼ぶり米粒だらけっす!喰い方汚いっすね!
などと、いちいち人のメシの喰い方にうるせー事言いながら、元請けへの クーデター
も辞さぬと吠える。
ありゃりゃ、・・まったくもう。
まぁ、何とかしてやるか。
K君は僕の弟子みたいなもんだし・・・。
しっかし、あれだぁ~。
今の会社で今の位置についてから、僕、ずっとこんなんばっかだなぁ~もぉ~。
社内、社外、問わず、イザコザやゴタゴタなどの、
僕としては全く無関心の事柄、むしろあえて避けて通りたい事柄に、
何故か、ごく自然に、否が応でもって感じで、巻き込まれてちゃってなぁ~もぉ~。
まぁ。これが俺様の運命よ!なんつって、割り切ってしまえばね、楽だよね。
たぶん、前世から、ご先祖様から、こんな運命だったのだと思うな。
戦国の時はさ。京で坊主やっててさ。
夜中、騒がしいから起きたら、寺の廻り 「水色桔梗の旗印」
で取り囲まれてるじゃんか!
「敵は本能寺にありぃー!」とか叫んでんの。
「違う違う!お隣!本能寺はお隣ぃー!」
言うも虚しく、関係無いのに襲われちゃって、
障子も畳もグチャグチャ、寺ボロッボロ、みたいな。
江戸中期の頃はさ。江戸でお勤めしててさ。
夜中、騒がしいから起きたら、家の廻り 「赤穂浪士の陣太鼓」
が鳴り響いてるじゃんか!
「討ち入りじゃー!」
とか叫んでんの。
「違う違う!お隣!吉良邸はお隣ぃー!」
言うも虚しく、関係無いのに襲われちゃって、
障子も畳もグチャグチャ、家ボロッボロ、みたいな。
幕末の頃はさ。京で旅館やってってさ。
夜中、騒がしいから起きたら、旅館の廻り 「水色の羽織着たガラの悪い輩」
がウヨウヨいるじゃんか!
「新選組だぁー!」とか叫んでんの。
「違う違う!お隣!池田屋はお隣ぃー!」
言うも虚しく、関係無いのに襲われちゃって、
障子も畳もグチャグチャ、旅館ボロッボロ、みたいな。
手塚治虫の 「火の鳥」
に 「猿田」
って登場人物がいるじゃんか。
先祖が犯した大きな罪の、その罰として、子々孫々までその顔は醜く、
何度生まれ変っても、永久に満たされぬ旅を続ける運命の、あの「猿田」ね。
あの「猿田」って訳じゃないっすけど、僕の場合もさ、
僕の先祖に、ものすげー自分勝手に、人に迷惑をかけまくって生きた奴がいてさ、
その罰として、 他人のイザコザやゴタゴタに巻き込まれまくる運命
の、
哀れな子々孫々のうちの一人なんじゃねーかね?
そんでもって、
そのイザコザを調整していくのが、
僕の宿命なんじゃねーかね?
ははは。なんつって割り切ってしまえば、
ははは。なんか笑えてきたわ。
ははは。永久に満たされぬ中間管理職の旅。
ははは。・・・とほほ。
昔から、コースターなんて特に高い物じゃなかったのだろうけど、
家でちょいと飲むグラスの下に、こんな物を敷く「心の余裕」というか、
テーブルの水滴や輪ジミが気になっちゃう「心のゆとり」というか、
子供の頃の僕には、どこか「豊かさ」の象徴のように見えたんですね、「コースター」。
んで。こうして大人になって、いっちょ前にコースター敷いて、グラスで酒飲んでる訳っすけどね。
おかげ様で、昔より生活もずいぶん豊かになったろ?
会社でも、ふんぞり返ってしまおうと思えば、きっと出来ぬ訳でもなかろ?
もういいんじゃない?
グラスとテーブルに挟まれたこのコースターみたいに、
いつまでも、人と人との板挟みを買って出なくても、
もういいんじゃない?
おおっと!あぶねぇ~。
おごるな!人生!
逆らうな!運命!
遠い宇宙の果てから、
火の鳥が見てるぜ!
そう、火の鳥は、きっと見ている。
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