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カテゴリ: カテゴリ未分類
父(作家K)はかつてない【ピンチ】を乗り越える為、カルフォニアへ。

脳に生涯をもつ兄・イーヨーと受験生の弟・オーちゃん、そして私。
子供たちだけ3人が家に残ることになった  ・・・『静かな生活』を含む6編収録

イーヨーの妹・マーちゃん(私)の視点で書かれた兄弟の日常。

父と母は海外にしばらく滞在。
私は自分のことを考え、イーヨーのことを思い、『家としての日記』を記す。

イーヨーも私も成人している。イーヨーは福祉作業所で働いてもいる。
が、時折発作があるし、事故を起こすわけにはいかない。


『静かな生活』
 私が「狂信者」と呼んでいる、二合瓶に水を詰め門に置いていく人。
 イーヨーが帰っていない時に聞こえたパトカーのサイレン。

『この惑星の棄て子』
 イーヨーの作曲をみてもらっている父の友人の重藤さん。
 イーヨーが作曲した『すてご』という題名の曲。

『案内人』
 タルコフスキーの映画『ストーカー』について。
 オーちゃんとの会話と重藤さんの話。

『自動人形の悪夢』
 “自動人形化”してしまいそうになることがよくある私。


『小説の悲しみ』
 エンデを読んだときのこと。卒論で書きたいと思っているセリーヌ。
 オーちゃんの前祝。父の小説。

『家としての日記』
 アスレチッククラブのプール。コーチの新井君。躰をコロス練習。



大江健三郎。
少し前に、ノーベル賞ってどんなもんだろう?ということで読んだ。
新潮文庫の古い方『死者の奢り・飼育』から『性的人間』まで4冊。
初めて読んだ高揚?もあってか『死者の奢り~』はハッとするものがあったが(随分曖昧だこと)『性的人間』まで行くと、なんでこの本を読んでいるのだろうと自問してしまうような…。強迫観念だとか、【汗】の匂いの印象しか残っていない。もちろん、感性、読解力などがないのは重々承知しているが、所詮自分が読んでどうか?の問題なので楽しめなければ意味はない。
もうちょっと知りたいという思いは確かにあったが、このまま順番通りに作家の道筋を辿り、作風の変化・思想の変遷などを追って行くのはシンドイな、と思った。ので、ちょっとワープしてわかりやすそうな違った雰囲気のものを選んで読んでみた、という次第です。相変わらず、長!

さてさて、というわけで『静かな生活』。
単純に面白かった。
そのまま、ただ真正面から受け止めていいのでは。

やはりイーヨーの存在が光っている。
障害を持っている人は純粋だ、という決め付けは逆に失礼であろう。
他人とは違う所がある、ということの受け止め方の差。
イーヨーは、イーヨーでしかないのだから。だから大らかなのだ(?)

そしてマーちゃん。本当にマジメ。
深刻に悩みもするし(というかずっと悩んでいる)
事件、事故の類もある。イーヨーへの攻撃もある。
必ずしも全てが順風満帆なわけではない。
だが、読後感は悪くない。不思議な爽やさがある。

イカニシテ語られるか?これは確かに一つ大きなテーマであると思う。
ただ読んでいるときは、この点に関しては不安を持ちつつであった。
おいおい、大丈夫なの?と。読了してみると・・・大丈夫でした(笑)

ノーベル賞をとった。脳に障害のある息子がいて、彼は音楽をやっている。
という程度の認識の人が一番、堪能できるのではないだろうか?

ノーベル賞に値する作家なのか?なんてことはわからない。
ただいえるのは、私はこの本結構好きだな、ということ。
(逆にこだわり過ぎかなぁ。さては権威に弱いのか?<自分)

『静かな生活』 大江健三郎 講談社文芸文庫 (1995年9月第一刷発行)





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最終更新日  2003年12月14日 00時07分43秒
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