Divertimento

昨シーズン道民を悩ませた大雪ですが、じつはこの冬も「ドカ雪」となる可能性が指摘されています。こうしたなか札幌の除雪体制が大きく見直されました。   　いつもの年であればすでに一面銀世界になるはずのスキー場ですが…。  　伊藤榮祐記者：「山の上の方には雪が積もっているものの山麓には雪がほとんど積もっていません」  　札幌市南区の札幌国際スキー場。１１月１８日にオープンを予定していましたが１０日以上経ってもゲレンデに雪がありません。札幌の２９日の最高気温は１３．５℃と、１カ月前の１０月下旬並み。スキー場で降っていたのは雪ではなく「雨」でした。  　札幌国際スキー場　竹中淳さん：「本州からの修学旅行やツアーのお客様インバウンドのお客様も入っているのでかなり期待していたところですが肝心の雪が無い」  　３０日からは一転、雪の日が続く予想でこちらのスキー場では来月上旬のオープンを目指しています。   　この冬、雪は少ないままなのか？じつは「気になる」予想が。  　神田昭一気象予報士：「今シーズンの雪の量は平年並みなんですが去年と同じように「ドカ雪」になる可能性もあるんです。今ラニーニャ現象が起きていまして実は昨シーズンもラニーニャ現象が起きていたんです。冬にラニーニャ現象が起きると日本付近で偏西風が南に蛇行しやすくなります。この風に乗って北海道付近に低気圧がやってきやすくなるんです。低気圧ということで一回に降る雪が多くなってしまうんです」  　昨シーズン、私たちの暮らしに大きな影響を与えた「ドカ雪」。  　この経験から、札幌では除雪体制の大幅な見直しが進められていました。  　喜多和也記者；「札幌市の除雪ステーションにはずらりとたくさんの除雪車が並んでいます１２月を前にいつでも出動できる準備万端です」  　除雪業者：「札幌市からは（除雪の時期を）早めるという連絡は来ていますのでそれに向けて準備はしてます」  　昨シーズンの「ドカ雪」で札幌市民を悩ませたのが…。  　伊藤榮祐記者：「札幌市白石区の水源地通りです。信号は青になっているが、車は全く進まない」  　除排雪が追い付かず幹線道路は毎日大渋滞。これを受けて札幌市が新たに取り組むのが「排雪作業の大幅な前倒し」です。昨シーズンは１２月に幹線道路の排雪をしていませんでしたが、この冬は積雪が５０センチに達したり大雪が見込まれる場合、１２月であっても道路脇の雪山をすべて排雪します。これで、１月以降に「ドカ雪」に見舞われても道路の広さを確保できる見通しです。  　排雪した雪が運ばれるのが「堆積場」。ことし２月、札幌で一番規模の大きな北区の堆積場には例年の２倍にのぼる巨大な雪山ができていました。  　喜多和也記者：「去年大きな雪山ができていた雪堆積場です。雪がないと改めて広大な敷地を確認することができます。今年もここにたくさんの雪が運び込まれます」  　札幌市は雪の堆積場を昨シーズンより５か所多い８０か所に増やしました。  　また、生活道路の除雪情報を無料通信アプリＬＩＮＥの札幌市の公式アカウントで今シーズンも配信する予定です。  　連日の「ドカ雪」で深刻な影響を受けた北区屯田。  　住民はすでに除雪作業の準備を進めていました。  　北区の住民：「きのう倉庫から出しました。そろそろ来るかなと思って。今年１０月くらいにもう１台買った。 　１２月初旬くらいに届く一気に降らずに、ちょっとずつを望む」  　さらに…２月の記録的な大雪で７０００本以上の列車が運休したＪＲ。  　伊藤榮祐記者：「北広島駅の列車には雪がのっています」  　昨シーズンの教訓を生かし、この冬は１月と２月の土曜深夜から日曜早朝まで、函館線、千歳線、学園都市線の列車を計画運休させて除雪作業の時間を確保する方針です。  　「ドカ雪」に悩まされた苦い経験を踏まえ、新たな取り組みが始まろうとしています。  HTB北海道ニュース