☆f4♪LOVE アンクミの徒然日記

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悲しい別れ~~前編


         ~~~悲しい別れ~~~前編



勇樹の事が頭から離れないつくし
ボンヤリと外を見ていると 通りの向こうの木の陰に 勇樹が

つくしは慌てて会社を飛び出していた 木に背中をあずけて寄りかかっているその姿は 間違いなく彼だった

クラクションの音もお構いなく 通りを走りぬける

その音で勇樹がこちらを向く つくしの姿を見て 驚きその場を立ち去ろうとする彼

「待って 勇樹~~」彼の背中にそう呼びかける
「私に会いに来たんでしょ」彼の背中 こんなに小さかっただろうか 目の前に居る彼は あの頃の彼とは すっかり違って見えた 

ゆっくりとこちらを向く彼 その面差しは 頬が少しこけ 目が落ちくぼみ 髪もボサボサ

「やぁ~つくし 偶然だね こんな所で会うなんて」
彼の精一杯のいい訳

「有紀から 話し聞いたの 勇樹貴方、大丈夫だよね」
「そっか 聞いたんだ 君には知られたくなかったんだけど。君に謝りたかった ごめんな 悲しませて 随分傷つけちゃったね
僕の事 許してくれるかい」

つくしの目から大粒の涙が
「つくし 泣かないで 君の笑顔が好きだったのに 俺は君を泣かせてばかりだね、罰があたったのかな?」冗談ぽく言う彼
でもその顔は 悲しそう

「今日は会えて良かったよ 君にちゃんと謝れて でなきゃ 俺もっと後悔したかもしれないから 有紀から聞いたけど 今付き合っている人がいるんだってね 良かった幸せで」

涙で滲んで彼の姿が良く見えない 
「勇樹 勇樹~~」何の言葉も言えずに ただ立ちつくすつくし

そんなつくしを勇樹が強く抱きしめてくる
「僕の事は忘れて 幸せになってね さようなら」
そう言うと彼は 私一人残して 走り去ってしまった


その日から ぱったりと勇樹の姿は見えくなった
今 どうしているんだろう 苦しんでいないだろうか
誰か 側に居てくれるんだろうか

達也に聞けば何か分かるだろうかと 連絡を取る事にした

詳しいことは 達也にも判らなかったが
余命3ヶ月と言われ 勇樹が自暴自棄になり 荒れた時期があり
その時 付き合っていた彼女も離れていったと
だから 今勇樹は一人のはず 治療さえも受けていないみたいだと 
何度説得しても 聞いてくれず 生きることを諦めたみたいだと

達也の話しは つくしを更に悲しませた
たった一人で 残りの人生を過ごす 勇樹
彼が 私に会いに来たのは ただ誤るためだけだろうか?
私はどうすればいいのだろうか?
このまま 彼が逝ってしまうのを 遠くから見ている事が出来るだろうか

彼と過ごした 学園生活が走馬灯のように蘇る
楽しかった彼との 日々
辛い別れがあったけど 確かに私は彼を好きだった

今は 道明寺と知り合い 又 人を好きになる素晴らしさを教えられもした

道明寺の元を去り 勇樹の所へ行けば 又道明寺を傷つけてしまう あんなに私を愛してくれている彼
その彼を傷つけても 私は勇樹の所に行くべきなのか

その答えは簡単に見つけられるものではなかった

だが 答えは簡単だった 道明寺が私にくれた 安らぎ
辛い時期 何も聞かずに 私を包んでくれた彼の 愛情こそ
その答えなのだ 勇樹の残された短い時間を
私は 道明寺が私にしてくれたように 側に居てあげる事が必要なのだと 
たった一人で 彼を逝かせてはいけないと






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