☆ｆ4♪ＬＯＶＥ　アンクミの徒然日記

明かされた事実　母の苦悩そして零の悲しみ

キラと出会って　全てが変わった　

母の死　父への憎しみ　
何の目的も無く　過ごした日々

そのどれもが　今は意味を持ち
母の死も受け入れられた　父の苦しみ　悲しみも理解できた

キラのように夢を持つ事も出来るような気がする

キラが居たから　
なのに　そのキラを失いそうで　零は怖かった
母の死以上に　悲しい　こんなにも愛してるのに

僕の手をすり抜けて　遠くへ行きそうで

あの日から毎日　キラの家の近くに佇み
キラの部屋と思われる窓を　なん時間も見つめている
こんなに近くにいるのに
なのに　キラの心は　遥か遠く

『キラ　会いたいよ・・』

夕闇の迫りくる頃　キラの母親が戻ってきた
「あの～お母さん・・キラに会えないでしょうか？」
近づいてくる人影が　彼と知り　驚いている

「樫野君・・だったわね　この前は有り難う　ビックリして詳しい話しを聞けなかったけど　あの日何があったの　何故あの子は気を失ったの　キラは何も話そうとしないの　あの朝はあなたと出かけると楽しそうにしていたのに」

零にも　何故キラが気を失ったのか良く解らなかった
二人で　あの街並みを手を繋ぎ歩いた　楽しい記憶が蘇る

そんな二人の中に入ってきたあの三人の若者
キラにたいして言われた　あの暴言を零は許せなかった

三人と争いになった事　その後　キラが突然怯え出し　そして気を失ってしまったと

そこまで話し終えると　キラの母親は零の顔を覗きこんできた
「その三人はどうなったの？怪我したの？貴方は何処も怪我してなかったように思えるけど」
「ええ～～僕は唇を少し切ったくらいですが　三人は鼻と口から血を流してましたよ　2・3日したらきっとあっちこっちアザだらけでしょうね」
母親の顔に悲しそうな表情が

「何故　そんな事を」
「俺　キラにあんな事言ったことが我慢できなくて」

じっと考え込む母親　　
「樫野君　キラがどうして失明したかご存知」

「いいえ、病気かと思ってました」
思えば　キラはあまり自分の過去を話してくれなかった

失明の後ピアノに出会い　ピアニストになる事が夢だと

ためらいがちに話す母親｢あの子の失明は継父の暴力が原因なのよ　九歳の時よ　殴られ近くの箪笥に強く頭をぶつけたことで
血腫が出来たの　それが視神経を圧迫していて失明したの　手術で血腫は取り除けたんだけど　視力は戻らなかったの

何年も夢に継父が出てきて　自分を殴りに来ると泣いてた
その後男の人を酷く怖がるようになったの　
そんな事があってから　キラは暴力に対して凄く敏感になったのよ　

私はキラを守ってあげられなかった　私が付いていながらあの子をあんな風にしてしまったの　
あの子から光を奪ったのは私なのよ　私さえ再婚なんかしなければ」

キラも長い間苦しんできた　そして又母も同じように苦しんでいたのである　キラの苦しみ　母親の苦悩が　零の悲しみとなる

たとえ　キラを守る為だとは言え　暴力で相手を押さえつけたその事実が　キラを怯えさせたのだと零は気付いた

俺の中に　継父のような暴力的な部分があるのでは
キラはそう思って　僕を避けているのだ

「お母さん　信じて下さい　僕はキラを愛してます　どんな事があっても　キラを傷つけるような事はしません」

「樫野君　あの子にもう少し時間をあげて頂戴　今はそれしか言ってあげられないけど」

辺りは　もうすっかり夕闇に包まれていた

キラ　俺の元に戻ってきてくれ
暗闇に一人で居ないで欲しい
お前が俺の光になってくれたように　おれもお前の光になってあげるから

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