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先日、head&neckの病院は日本医療機能評価機構のサーベイランスを受けました。この日本医療機能評価機構というのは、一九九五年設立の財団法人です。HPを見ると、「医療事故が社会問題化し、国民が医療の質の向上を求めるなか、医療機関を中立的な立場で評価し、問題点の改善を支援することが目的とされます。医療施設の審査料等で運営。基本財産は、厚労省、健康保険組合連合会、国民健康保険中央会等十三団体が出資、国民の税金や健康保険料などでもまかなわれています。」とありますが、2004年には副理事長・専務理事に厚生労働省の健康局長が天下りで就任し、その給与の月額は百三十七万五千円と報道されたりして、何かと悪評が高い組織です。このあたりのくだりはあちこちの医療系ブログや共産党新聞でも記事になっています。 さて、サーベイが3回目ともなると、こちら側にも色々とノウハウが出来て参ります。サーベイヤーが病院に来る日は、院内の対策委員が主に面接に当たるようにします。委員といっても、普段は医療者としてまともに医療をおこなっていますが、概ねサーベイの1ヶ月前からカルテの整理をはじめ、マニュアルを読み、予想される突込みに対する答えを準備しておくのです。さしずめガサいれ前の賭博場といった雰囲気で、どうにもばからしい。とはいえ、評価を受ける以上は味噌はつけたくないですから、それなりにまじめにやっておかなくてはなりません。しかし、日常診療、仕事は通常と変わらなくありますから、現場の負担は大変なものです。普段なら電子カルテにカンファレンスの内容だけを打ち込むところが、出席者の名前と日時をさらに打ち込んだり、何気なくおいてあったゴミ箱の位置が変わったり、サマリー等の書類の期限が厳しくなったり、医局の机の上の片付けまで命じられたり。。よくもわるくもこれまでおおめに見られていたことのすべてを白黒つけねばならなくなります。 一方、これにより患者さんに対する診療態度等が変わったとか医療内容が変わったということは、少なくともhead&neckの周辺ではありませんでした。もちろん患者さんの数も変わりません。 一時期にあった、ある一定の評価をうけた病院は保険点数が高くなるなんて噂も結局ありえなさそうだし、労多くして得るものなしといった印象です。たまたま副院長と話をしたときに、「かっちりと評価を頂いた後は、今後医療機能評価機構のサーベイ不要ですので、返上しますといってみたらどうですか?」と提案したら、真剣に検討する余地があるねといわれました。皆おなじように辟易しているんですね。 この評価を受けるのにうちの病院が使った予算は300万円強だと聞きました。ほのかな怒りを感じるのでした。
2007.06.30
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本日は朝から手術でした。 甲状腺がんの再発、リンパ節は頚動脈を噛み、喉頭の中に浸潤再発した症例で、かなりシビアな手術です。 head&neckはブログネームの通り頭頚部外科医ですから、首から上の癌を扱います。こういう症例は場合により10時間以上の手術となります。朝からぶっ続けです。 よく、医療関係者以外の方からは、「トイレはどうするの」とか、「のどはかわかないの」という質問を耳にします。 正直、手術中にそういう生理的欲求が気になったことはほとんどありません。聞かれて気づいたのですが、10時間以上かかる手術でも、お手洗いや水分補給に降りた覚えはないのです。もちろん、朝、手術に入る前には用を済ます習慣はありますし、終了後はどっと疲れがでて空腹感はmax,のどはカラカラです。 きっと、手術中は代謝がある程度とまっているのかななんて思ったりします。手術中に採血して、腎血流量を測ったり、血中のカテコラミンを測ったりするとどんな値がでるのか少し興味がありますね。十数年かかってこういう身体を作り上げてきたのかもしれません。でも、自分自身の健康にはよくないだろうなあ。 長生きはしないかもしれないと思ったりするのでした。
2007.06.29
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先日、学会の準備の話を少し書きましたが、今日はhead&neckの所属する大学の医局で、予行会でした。 本番の前にリハーサルをして、内容とか、時間内に収まるかとかをチェックするのです。 医者になってから十数年、医局に属していますが、このようなときには、まあ医局の便利さを痛感します。大勢の前で予行すると、それだけいろいろな突っ込みが入りますから、本番までには完成度が上がるというわけです。 何より、臨床の現場にどっぷりつかっているとアカデミックな話が微かに恋しくなることもあるのです。 そんなわけで、研究もやりたい臨床もやりたい留学もしたいと色んな事に憧れた医者になりたての若い頃を思い出した夜だったのでした。
2007.06.28
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本日は6月いっぱいで転勤になる部下の送別会でした。 head&neckの職場は今まで7人体制でやっていましたが、一人去った後に後任の医者は来ないので、6人で仕事をまわさなければなりません。一応我々の職場も今のところ大学医局の派遣先にはなっています。今回のはいわゆる医局人事ですが、うちのように忙しい現場と、そうでない所とのバランスが最近取れなくなっています。現在は従来の医局中心の人材確保の時代と病院単独の人材確保の時代の狭間で、色々と理不尽で苦しい目にあうわけです。今のところ病院固定(後期研修)で就職してきた医師は一人、他に病院就職は一人で、部長はまあほぼ病院就職みたいなもんですから、残り4人が流動的なわけですね。 3年後には皆固定メンバーになっている可能性もあります。head&neckも移動を言われた時点で医局から離れるか、はたまたいうことを聞くのか悩むところです。 やや自分の将来に不安を覚えるのでした。
2007.06.27
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来週日曜日に学会があり、その準備に追われました。 一口に学会といっても色々です。全国規模の学会、その下部組織である地方部会、研究会でも比較的規模の大きなもの、小ぢんまりしたもの。。。 来週のは地方部会で、まあ割合と大きな部類です。 もともと発表する気はなかったのですが、どうやら演題が集まらず、世話人の先生から「出してくれないか」と頼まれて仕方なくといった感じです。 ここ数年、地方会レベルでの演題は減少傾向にあるようです。それもそのはず、地方の基幹病院がどんどん非常勤になり、学会に出すような症例も、暇もなくなっているのです。 head&neckはたまたま大きな病院に勤務しているので、ネタには事欠きませんが、いずれ全国学会でも演題不足に苦労する、さらには学会そのものの存続があやぶまれる時がくるのも、そう遠いことでは無いという気がするのでした。
2007.06.26
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記事:毎日新聞社【2007年5月24日】 奈良・妊婦転送死亡:「異常見過ごし死亡」 遺族、大淀町と医師を提訴 奈良県大淀町立大淀病院で昨年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、転送先で脳内出血で死亡した問題で、遺族は23日、病院を経営する大淀町と担当産科医を相手取り、慰謝料など損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。「大淀病院の担当医が脳の異常を見過ごしたことが死亡につながった」と過失責任を主張している。(29面に関連記事) 提訴したのは夫晋輔さん(25)と、転送先で生まれた9カ月の長男奏太(そうた)ちゃん。訴状によると、実香さんは昨年8月7日、出産のため大淀病院に入院。翌8日午前0時ごろ頭痛を訴えた後、突然意識を失った。産科医は頭痛と陣痛から来る失神と説明し、仮眠のため退室。同1時40分ごろ、両腕が硬直するなど脳内出血をうかがわせる症状が表れたが、来室した産科医は子癇(しかん)発作(妊婦が分娩中に起こすけいれん)と誤診して処置をせずに病室を離れ、同4時半ごろまで病室に来なかった。 病院は同2時ごろまでに転送先探しを始め、実香さんは19病院で転送を断られた後、大阪府吹田市の国立循環器病センターに同6時ごろ到着。CT(コンピューター断層撮影)で右脳に大血腫が見つかった。奏太ちゃんは帝王切開で生まれたが、実香さんは8日後に死亡した。 死亡診断書では同センター受診時、実香さんの意識が刺激にまったく反応しないレベルに達していたなどとする記載があり、遺族は「脳内出血の発症は午前0時ごろ」と主張。「これ以降、家族らが再三脳の異常を訴えたのに産科医はCTなどの検査をせず、手術でも回復しないほど脳内出血を進行させた」としている。 大淀病院の原育史(やすひと)院長は「今後、司法の場において(立場を)明らかにしてまいりたいと考えております」とのコメントを出した。【中村敦茂】 はい。m3の掲示板閉鎖騒動のもとになった事件ですね。 head&neckは臨床医に徹したいと思っているので、あんまり社会的なコメントは得意ではありません。・・が、この事件の被告である産科医も同じように臨床の一線で働いていたことを考えると、明日はわが身かと空恐ろしくなります。 この事件はネットでは有名で、医療系のブログを拝見すると、基本的にシステムの問題で、医師個人の責任を問うのは甚だ勘違いもいいところだという意見がほとんどですね。 一方、毎日新聞はそのような意見には聞く耳を持たず、相変わらず原告側の主張に沿った報道を続けていると思われます。 新聞の偏向報道は今に始まったことではありませんが、この事件以来、うちの病院では毎日新聞の取材は原則拒否になりました。 「提訴したのは夫晋輔さん(25)と、転送先で生まれた9カ月の長男奏太(そうた)ちゃん」だそうですが、果たして25歳の若者が担当医の対応を評価できるだけの正しい知識をもっているのか、今の医療崩壊しつつある現場を把握しているのか??いわんや9ヶ月の赤ちゃんが「ママを帰せ」とでもしゃべっているのか?? ひとつの事件を元に、純粋まっすぐ正義感おたくな周囲の人間の思惑と、意地になった弁護側の主張が絡み、マスコミが煽る図式が浮かび上がる気がします。 この事件報道がきっかけで(「事件」そのものではありません。あくまで「報道」です。)奈良の産科医療は完全に崩壊したとのことです。毎日新聞はその責任をとるべきでしょう。現代のようなネット情報化社会では、アンテナさえしっかりと立てていればいくらでも正しい情報は手に入ります。一昔前のように新聞やテレビの報道だけで世論を操作できた時代ではないことをマスコミ各社は認識する必要があります。 正しい社会認識、問題提起をできるのが真の報道機関の姿、プロの記者ではないのですか?新聞、マスコミ各社にもまだプロフェッショナルはいるはずです。 その方たちの魂に期待したいと思うのでした。
2007.06.25
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本日は朝から雨です。久々の休日なので、たまったお洗濯、洗物などしなければなりませんが・・どうにも体が動きません。head&neckの経験からも、他の皆さんから聞く話でも、休日の家庭では、すごし方について夫婦の意見が対立するようです。「休日くらい休ませろよ」という夫(医者)の意見と「休日くらい子供の相手してよ」という妻(専業)の意見のバトル。往々にして男が負けると相場がきまってますね。これって偏見でしょうか?少なくともhead&neckの周囲では夫が医者でなくても同じ意見で、男性優位型家庭は少ないようです。「時代が平和だと女性が元気になり、災害、戦乱、不幸な時代は男性が優位に立つ」と言ったのは誰だったか。医療崩壊が叫ばれど、平和な時代だなと勝手に納得するのでした。
2007.06.24
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head&neckは私立病院勤務なので、土曜日も外来があります。 とはいえ、午前中のみの勤務日で午後フリーだとうれしいものです。(日によっては結局平日と同じ帰宅時間になってしまいますが・・) さて、今日はエビデンスの話です。 一般の方には「エビデンス」って何よ??といった感じで、なかなか馴染みのない言葉だと思いますが、医療の世界ではここ数年常識となってきました。直訳すると「証拠」とか、「根拠」っていう意味です。「エビデンスに基づく医療」(EBM: Evidence Based Medicine)っていうのは、 経験で治療するのではなく、 この治療をしたら、このくらい効くっていうデーターを基に医療を行うということになります。 これだけを読むと、なるほどあたりまえって感じですが、これがなかなか曲者です。 もともとは、薬の効果を判定するために導入された考え方で、主にアメリカから入ってきたものだと記憶していますが、多くの概念がそうであるように、海外から日本に輸入された概念は妙に変質してしまうという欠点もあります。 たとえば、ある病気に対してAという薬とBという薬を投与して、Aは60% Bは80%の効き目があったとする。そうすると、この病気にはBが第一選択薬で、Aはその次ということになります。至極もっともですね。 同じ理論で、ある癌に対して手術という選択肢と抗癌剤+放射線治療を行ったら、手術は30%の5年生存率、抗癌剤+放射線は40%の生存率であったら、まず抗癌剤+放射線をやろうという話になります。 ところが、癌なんかに関しては、一人ひとりの病気の具合だけでなく、年齢や合併症、はたまたその人の性格が微妙に違ったりします。 そういう要素の影響を頑張って排除して、なるべく同じ条件の症例をそろえてエビデンスを出すのですが、こうして出てきたデーターは、実は参考程度に過ぎないのです。だって、同じ病気、同じ性格、同じ体質なんてありえませんから。 おまけに治療をする医者のほうも、手術の技量がまったく同じなんてありえません。したがって、実地ではあくまでエビデンスを含めたいろんな知識を総合的に判断して、その患者さんそれぞれに合った治療を行わざるを得ないのです。データーにとらわれすぎると、しばしばこの判断を誤ります。 エビデンスはこうなんだが・・・と考えつつも、患者さんの性格に合った治療をしなければなりません。 つくづく、実地臨床は研究や論文と違うなあと実感するのでした。
2007.06.23
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今日は仕事終了は9時前で、割と早めでした。部長が飯食いに行くぞーと号令、皆で出かけることに。(飯食う=飲む)この3日間、医療機能評価のサーベイ対策でストレスがたまっていたらしく、はじける上司、部下。ついつい深酒。気がついたらこの時間です。head&neckはお酒弱いので結構厳しいです。きっと一人医長とかならば早く帰って寝るのになとか思いつつ最後まで付き合ってしまいました。人間関係の潤滑油としての付き合いは必要なのですが、深酒したあとは明日の外来に一抹の不安を覚えるのでした。
2007.06.22
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本日は一日中外来の木曜日。午前は一般、午後は腫瘍外来です。うちの病院は外来が9時から始まりますが、当然手術のない日は予約を詰め込み、それに併せて予約外も飛び込みますから、午前午後がつながることもしばしばです。でも、今日は幸運なことに昼ごはんが食べれました。head&neckは7名いる科の上から2番目(この病院では主任といってます。)ですが、当然上司がいるわけです。部長ですね。本日は悪名高き病院評価機構がサーベイランスにやってきているので(この話はまた後日詳しく書きます)、その対応に追われてカリカリ、ピリピリ。なかなか気を使います。上司が機嫌の悪いときの最も良い対応法・・・触らぬ神にたたりなしを皆実践しています。欠点は、部長の仕事が終わるまでこちらも帰れないこと。こういうのも待ち時間っていうのでしょうね。ただし、何もしていないかというと、病院ってところは探せばいくらでも仕事がでてきます。サマリーを仕上げたり昼間のカルテに加筆したり(うち、電子カルテなので)なにかと仕事を見つけて仕上げてみたり。そして、ブログを書いたりするのでした。
2007.06.21
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水曜日は朝から外来、午後は手術。今日の外来はさしてトラブルもなく午前で終わりました。ただ、オペは12時半からなので当然のごとく昼食は取れません。10年以上やっているとさすがに食事を取らないことに対するストレスは少なくなります。午後から2件の手術を行うとすでに20時。合間にパンを食べて・・晩御飯をどうするかいつも考えてしまいます。おなかが減っているとどうしても油モノ、味の濃いものが食べたくなります。35歳くらいまでは健康診断の血液検査の値も正常だったのですが、その後、順調にコレステロールが上昇しつつあるので、やや心配になりながらも今日もカツ丼を食してしまうのでした。
2007.06.20
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今日は某製薬会社に御呼ばれして食事会でした。 いわゆる接待・・・ 公務員、つまり公立病院の医師はこれを禁止されていますが、私は私立病院勤務なのでまあ罰則はなしといったところでしょうか。 ただし、あまりおおっぴらに行って良いものでもないなあ、という意識はあります。 個人的には、接待はあってもなくても日々の診療で使う薬を変更するとか、特定の会社に便宜を図るなんて事は思いつきません。薬の効果がよければ使いますし、悪ければいくら接待されても使えません。 じゃあ、なぜこういう接待はなくならないのでしょうか? 結局、製薬会社のMRさんも人間、医者も人間。人間関係の構築が大事という側面、おいしいご飯を食べたいという人間の欲望から出た側面、その他もろもろの思惑・・満腹感に微かな満足と反省を自覚するのでした。
2007.06.19
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M3の掲示板も最近検閲がひどく、なかなか言いたいことが言えません。いっちょうブログでも初めてみるかと思い立ちました。なにぶん現役勤務医なので、なかなか時間がありませんが、日々の診療、生活で気になること、うれしかったこと、腹の立つことなどを思いのままに書いていきます。いまのところ、知り合いには何も教えていません。ネットの空間だけでのわがまま。。。
2007.06.19
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