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1973年に発表され400万部を超えるベストセラーとなり、史上最高額の5億円(当時)を投じて映画化された「日本沈没」が、33年ぶりに リメーク されるのだが、それに合わせて小学館からも小説版「日本沈没( 上 ・ 下 )」が発売された。
映画は幼少の頃に観ており(内容はうろ覚えであったが)、今回小説版を購入して読んでみることにした。まだ下巻の途中なのだが、これがなかなか読み応えのある作品である。
伊豆諸島の小島が一昼夜にして海中に水没し、その調査に参加していた田所博士は「最悪の場合、日本列島は2年以内に海中に没する」という結論に達する。それに合わせるかのように日本列島には火山噴火や大地震が襲い、政府による日本国民と資産を海外へ避難させる「D計画」がスタート。国民避難が続く中、次々と沈没に繋がる大災害が起こっていき、それでもギリギリのところで生き残るために奮闘する話しである。
日本人はこの狭い列島のなかで2000年以上にわたり単一民族で生きてきた世界史の中でも特異な国家・民族であるが、それが否応なしに故郷を無くし世界へちりぢりになっていくというのがこの話しのミソであろう。ユダヤ人や中国人などはずる賢い民族である。それは外交・経済を見ていても明らかだ。その一方、日本人はお人好し過ぎる民族だ(日本だけでなくオセアニアの島国なども同じだそうだが)。それが、世界に出て行くことでどうなっていくのか、それぞれの国に飲み込まれてしまうのか?もしくは、散り散りになりながらも世界の荒波に揉まれてもその中で日本民族のアイデンティーティーに目覚めて生きていくのか?小説は日本が沈没してしまって人々が世界に出て行くところで終わりである(その後を示唆する部分はあるが)が、著者・小松左京の構想では帰る国を無くした日本人のその後まで描く構想にあったそうだ(下巻のラストが第一部完となっているのもそのためらしい)。今年の映画化に合わせてその後の第2部が発表されるという噂を耳にしたが、それが事実であるなら是非読んでみたいもんだ。
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