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コメント新着
ゴウゴウと風が耳を通り抜ける…
うるさいっ!
聞こえなどしないのだ 鼓膜はとうの昔に破れてる!
(どうした? 足元が覚束ないじゃないか?)
ブレスがかすって この程度なら安い買い物だ!
萎えかかりそうな気力を必死で支え 俺はまだヤツの前に立っていた。
俺の最後の決断は間違っていなかった。。
気の斬激を受け続けたヤツの体は傷つき あの神々しさは微塵も感じられない。
まなこだけは血走り 爛々と蛍光を放ちながら俺を見据えてる。
翼膜が裂かれたせいで、空中からの攻撃も出来ず、またそれゆえ敏捷性が大幅に低下しヤツからの攻撃を絞り込めた事が俺の命をも繋いでいた…
ヤツが沈み込んだ!!
グイィィィィーーーーーン
速度の落ちた 尻尾の先端が俺を襲う!
ザシュッ!!!!
「ギャァシャヤーーーーーーーー」
エンシェントに両断された 尻尾が宙を舞う!!!
バランスを崩し 俺の足元に崩れ落ちるレウス
(そんなもんじゃないんだろ… さぁ立ち上がれよ 幕はまだ降りていない)
呪詛を俺に向けながら 何とか立ち上がるヤツの姿。
(俺を満足させてくれ… さぁ早く続きを始めようじゃないか…)
永劫とも感じられる時間 確かに俺はそこにいた…
きさまに全てを奪われ、自分の居場所さえも失った。。
ここに立つ事だけが 俺の存在理由なのだ!!
立ち上がったヤツに 幾度と無く斬激を打ち込む。。 さあ 今度はお前の番だろ?
グワッシャッ !!!
左肩を甲冑ごと 食い千切られた衝撃で片膝をつく。。
俺は笑っていた… ヤツも笑っていた…
とうの昔に 気は練れていない。。
重さに任せて 振り回しているだけだ。。
それでも構わないさ…
ヤツの鋼の様な甲殻は 見る影もなく剥がれ落ち頭骨まで露出していた…
あそこに エンシェントを潜り込ませれば全てが終わる…
現れては消える死神に もう少しだけ待ってくれと追い返す…
俺は 最後の気力を振り絞りながら エンシェントを上段に構えた…
ヤツも最後の終焉を感じとったのか 下肢に力を込める。
凄まじい勢いで迫ってくるヤツ体躯。。
俺は渾身の一撃を 眉間のただ一点に振り下ろした。。
(お前が俺の全てだったよ・・・)
グワキーーーーーーッンンン!!!!
激しく両者が重なった。。互いの命を燃やし尽くして。。
夕闇に照らされたリオレウスの頭部には 墓標の代わりに 深々とエンシェントが突き刺さり
その傍らには まるで寄り添うように 満足そうな笑みを浮かべた男が横たわっていた。
未来永劫離れぬ伴侶として。。。。。
終わり
ハンター親父です。。
最後までお付き合い下さり本当にありがとうございました。
最後はどうしようか迷いましたけど 当初からの予定通りの結末に決めました!
親父の小説は終わりますが、団員の小説は 熱く熱く続きます。。
また次の機会がある時まで…