読書の部屋からこんにちは!

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2007.10.12
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カテゴリ: その他の本
私が「たいていの女は最後は一人になる」という当たり前のことに気がついたのは、4年前のことでした。4年前義父が亡くなったとき義母が一人暮らしになったわけですが、そのときの義母の取り乱しようは並大抵ではありませんでした。

なにしろ結婚以来50年以上、何をするにも義父の判断をあおぎ、どこに行くにも義父の運転する車に乗り、家の中のことも何もかも、雑巾の置き場所までも義父に聞かなきゃわからない。そんな義母です。親兄弟、夫、子ども、親戚たちに手取り足取り面倒をすべて見てもらって生きてきた人でした。
義父が末期がんであることが分かったときも、義父の心中を考えるどころか、「私はどうなると?」「いつ死ぬるとね?」と、自分のことを一番に心配した人でした。

そんな義母でも運命は容赦せず、義父が先に逝ってしまったのです。
だから、ひとりになった義母はさあたいへん。その心の中は義父の死を悲しむことよりも、自分の行く末を心配することの方が深かったのではないかと思うほどでした。
仕事中だろうと夜中だろうと、一人息子である私の夫のケイタイは鳴りっぱなし。一旦話しはじめたら2時間3時間話し込む、というよりも泣いてわめいて我が身の不幸を呪い、冷たい嫁(私)を恨み、気の長い母親思いの夫も辟易するということが、毎日のように繰り返されていたのです。

私はそんな義母を見ていて、「自立」という言葉の意味を考えざるをえませんでした。
どんなに仲良く信頼しあっていた夫婦でも、最後は一人一人になる。そのときをどうやって乗り越えていくかは、自分だけの責任です。それ以来、義母のようにはなりたくないという気持ちから、無意識のうちにも心の面だけですけど、なんとなく準備するようになりました。具体的なことは特にないんですけど、気持ちの問題。おひとりさまの予行演習ですね。

そんな今の私に「おひとりさまの老後」というこの本は、待ってました!!という感じでした。読んでみると、うんうん!とうなづけることばかりです。



おひとりさまの老後





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Last updated  2007.10.12 16:20:13
コメント(10) | コメントを書く


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私の祖母が・・・  
えみくりん  さん
ぱぐらさんのお義母さんのようです。
とはいえ、早くに夫(私の祖父)を亡くしているので、完全にはリンクしませんが、夫亡き後は息子に頼って生きていくという感じです。

現在進行形で父におんぶに抱っこな祖母です。
叔母達もみな反面教師だと思っているようです。
(2007.10.12 17:34:27)

Re:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
ばあチャル  さん
さっそくお読みになりましたね。上野千鶴子さんなので特に甘ったれ主婦に手厳しいようですが、「自分がこうした、ああした、老後の工夫」の記録と違って社会学的考察が参考になりましたよ。

ばぐらさんのお義母さんのこと、わたしの母をみているようで、、、(苦笑)昔のひとはこういうひとも多かったのでしょう。ほら、父から夫へ手渡された妻達。今はいないでしょうね、いないはず。
(2007.10.12 19:50:46)

Re:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
季節の花束  さん
「おひとりさま」この言葉は聞いた事があります。
私の結婚生活はひとりで子育てする事が多かったので、回りはいつもこう言います。「あなたはひとりが慣れているでしょう」って。
依存する相手はいないけど、ひとりで思い悩む事は多く、ひとりは慣れよりも諦めの方が強いような気がします。
この本はどんな「おひとりさま」が書かれているのか興味がありますね。 (2007.10.12 20:24:30)

Re:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
プックミ  さん
今私の母は、レビー小体型認知症という病で少しづつですが進行しています。大病を持っている父の方がははを残しては逝かれないと頑張っています。
「おひとりさま」を実行するためには、精神的自立はもちろん健康も大切なんだと実感しています。 (2007.10.12 21:48:34)

Re:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
かのこ.  さん
おひとりさま・・・今の私も、おひとりさま?
パートナーがいたらな~と思う反面、
ひとりのペースが出来上がっていて、
もうひとりがいつもいる状態は、耐えられないかも。
何だか、淋しい老後が待っているようです・・・
(2007.10.12 22:34:33)

Re:私の祖母が・・・(10/12)  
ぱぐら2  さん
えみくりんさん
>ぱぐらさんのお義母さんのようです。
>とはいえ、早くに夫(私の祖父)を亡くしているので、完全にはリンクしませんが、夫亡き後は息子に頼って生きていくという感じです。

まさに反面教師です。私自身義母のようにならないように、息子に迷惑をかけることのないように、こころがけなきゃね。 (2007.10.13 21:40:51)

Re[1]:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
ぱぐら2  さん
ばあチャルさん
>さっそくお読みになりましたね。上野千鶴子さんなので特に甘ったれ主婦に手厳しいようですが、「自分がこうした、ああした、老後の工夫」の記録と違って社会学的考察が参考になりましたよ。

そうですね。そこはさすが学者の書いたものと思いました。
父から夫へ・・・実は私も、それに近いものがあるかも・・・まだまだ修行の足りない私と自覚しています。
だけど、私がひそかにおひとりさまの予行演習をしているなんて、夫が知ったら何ていうでしょうね。 (2007.10.13 21:42:58)

Re[1]:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
ぱぐら2  さん
季節の花束さん
>私の結婚生活はひとりで子育てする事が多かったので、回りはいつもこう言います。「あなたはひとりが慣れているでしょう」って。
>依存する相手はいないけど、ひとりで思い悩む事は多く、ひとりは慣れよりも諦めの方が強いような気がします。

私はいつも夫といっしょに生きてきましたが、二人でいても孤独はあるように思います。
子どもたちも巣立って、本当におひとりさまになったとき、よりよく生きるために準備が必要だなあと思います。 (2007.10.13 21:46:19)

Re[1]:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
ぱぐら2  さん
プックミさん
>「おひとりさま」を実行するためには、精神的自立はもちろん健康も大切なんだと実感しています。

まさにそのとおりだと思います。まず健康。そしていくらかのお金。できれば柔軟で強靭な精神。
私の義母の場合、健康だけは満点なのよ。満点すぎて、私の方が先かもって思ってます。 (2007.10.13 21:48:18)

Re[1]:「おひとりさまの老後」 上野千鶴子(10/12)  
ぱぐら2  さん
かのこ.さん
>おひとりさま・・・今の私も、おひとりさま?

いいえ、違うと思いますよ。かのこちゃんはまだ当分子どもたちから必要とされ続けるお母さんですからね。
子どもたちが巣立って、親を見送り、自分ひとりで自分ひとりのことを考える立場になったときが、本当のおひとりさまじゃないかなと・・・
少しでもより良い老後を過ごしたいものですね。 (2007.10.13 21:50:50)

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