読書の部屋からこんにちは!

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2007.11.08
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カテゴリ: 小説
「あの日にドライブ」というタイトルから、タイムスリップものかなと思って読み始めたら、そうじゃなかった。誰もが一度は考えたことのある「もし、あの時こうしていたら・・・」の物語です。



上司に言ったたった一言から、エリート銀行員をやめてタクシー運転手に転身。
今までの人生、うまくいってると思っていたのに、なぜこんなことに・・・?
タクシーの営業成績も伸びず、家族からは邪険にされ、でも、エリートだった頃のプライドが捨てられない中年男性が主人公です。
サラリーマンが読んだら身につまされる人も多いのでは?


彼は学生時代のこと、当時の恋人のこと、あれこれと思い出し、学生の頃住んでいたアパートを訪ねたり恋人の住む家を見に行ったりして、夢想にふけるようになります。
もしあのとき、こうしていたら今頃は・・・もし彼女にこう言っていたら・・・もし彼女とこうしていたら・・・

だけど、この主人公はちょっとやりすぎですよ。彼女の家の前で休憩をとり、遠目に彼女が家から出てくるのを待っているなんて、立派なストーカーです。
夢想もとどまるところがありません。それだけ、彼は現在の状況が不本意ということなんでしょうが、あまり夢想がすぎるので、「いい加減にしなさいよ」って言いたくなりました。


エリートだった頃の思い出にふけり、エリート意識を捨てられない人って、はっきり言ってかっこ悪い。タクシーのお客さんにさえ銀行員時代の高額取引の話を自慢げに話すとか、運転手仲間と打ち解けようとしないなんて、男らしくないです。


そのうち、主人公もそれを悟り、仕事に工夫した結果営業成績も上がって、家族のことも考えられるようになりました。そして、その頃乗せたお客が、銀行時代のイヤ~な上司だったんです。酔っ払った元上司に、痛烈なしっぺ返しをして、主人公もスッキリ。それまでちょっぴりうんざりしながら読んでいただけに、私もスッキリ。痛快な気持ちで読み終えました。


ところで、銀行ってほんとにこんなに窮屈なところなんですか?
上司の顔色ばかり伺い、ちょっとしたことが、出世や左遷につながってしまう。
世間からエリートと呼ばれていようと、そんな職場に長年い続けるのは嫌ですねえ。





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Last updated  2007.11.08 08:18:55
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