読書の部屋からこんにちは!

読書の部屋からこんにちは!

2009.12.05
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カテゴリ: エッセイ
女なら誰だって、中年になったら、容姿の衰えに直面しなければならない。
どんなに美しいと言われている人だって、どんなに仕事で成功をおさめている人だって、どんなにお金持ちだって、みんな平等に年をとり、体の老化を受け入れなければならない。
お腹やお尻がぽっこり出てくるなんて、まだまだ序の口。
顔はしみしわたるみの三点セット。髪はツヤなくハリなくコシもなし。
体型の崩れなんて言わずもがな。
夏の暑い盛りでも、素足にミュールはちょっときつい。
だってどんなに気をつけてたって、足のお肌にも老化は現れてるんだもん。
好きだったかわいい色のセーターやスカート、今も大好きで買いたくなるけれど、着てみてびっくり。かわいい服を着たら顔がますますふけてみえるのね。
それに何より、Gパンの似合わないことにも愕然!

おばさんには安い服は厳禁なのね。かといって、高い服を着てもかっこいいとは限らないし、第一高すぎて買えないし。
ショーウインドウに映ったみすぼらしいおばちゃん…と思ってよく見たら私だった。
そんな経験ありますか?


さて、この本「「綺麗な人」と言われるようになったのは、四十歳を過ぎてからでした」は、今私がぼやいたようなことをテーマに、必死でおしゃれと格闘する林真理子の強力エッセイです。
彼女がほんとうに40歳を過ぎて美しくなったかどうかは賛否両論でしょうが、
さすが真理子さん、まあおしゃれのためならがんばるがんばる・・・!!
パリから二ヶ月に一度帰国するという有名美容師に髪のケアをしてもらい、
高級店の雰囲気を味わうためだけに、着もしない洋服を買い込み(人にあげるのだそうです)
プチ整形をし、美顔器を使って毎晩お顔のリフトアップに励む。
プチ整形をしていながら、これはほんものの整形じゃないって妙にこだわりを持っているのが、ほほえましいというか、プライドが高いというか。
どうせするなら、居直ってしまえばいいのにね。


それはともかく、読みながらかなりしばしばムッとしてしまうのは、お金もないおしゃれもへたな、私みたいなおばちゃんにかなり辛らつだからなのよね。



「よっぽど身の回りにお金と手間をかけ、緊張を持たなくてはならない。」

うん、それは真理子さんの言うとおり。私もそのとおりだと思うよ。
けど、普通のおばちゃんは真理子さんが考えてるより、ずっとおしゃれするのがたいへんな状況に生きてるんだよ。
家事にパートにPTA、忙しい毎日を送っていれば、お肌の手入れだって行き届かないときもある。子どもにお金がかかる世代なら、自分の服代は限られてくるだろうし、美容院だって、もうちょっと我慢しよう、来月にしようって思うこともあるんです。
作家ならそれくらいわかるでしょ。




たまたま、美容のためにかけたいだけお金をかけられる境遇になった真理子さん、私はあなたにそんな言い方をされたくない。

しかし、この思い切った物言いが、真理子さんの真理子さんらしいところ。
だからこそ、彼女のエッセイはおもしろいんですよね。
彼女を嫌いという人は、すごく多いみたいだけど。
そして私も、正直言って嫌いです。嫌いだけど、なぜか目が離せない。

ところで、この本のこの長ったらしいタイトル。
このタイトルのせいで、みんな彼女のことを、「ちやほやされてるだけなのに、勘違い女だなあ」って思ったでしょ?「ちっとも美しくないじゃない」って思ったよね。
真理子さんなら、そういう反応が来るってことくらい予想してたはず。
それをあえて、この自虐的(?)タイトルにしたっていうのは、どういう意図があったんでしょうね。
私はそれを知りたいわ。






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Last updated  2009.12.05 23:24:38
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