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貝塚が多く分布する千葉市東北の大地に、加曽利貝塚と呼ばれる縄文時代の遺跡があります。縄文時代中期から後期にかけての遺跡です。貝塚としては世界最大規模と言われています。かつて開発の計画も出ましたが住民の保存運動により史跡公園として遺跡が保存されています。この遺跡内で縄文時代の竪穴住居跡が発掘されていて、木の腐り具合などから、数十年で放棄されて同じ場所に何度も建て直されたものであることがわかっています。現在では何棟かが復元されていて、中に入って縄文時代の住居を体験できるようになっています。それをこともあろうに、この冬のさなかに縄文時代の疑似体験をしようと考えてしまった高校生がいて、寒いので火をつけたところこの竪穴住居を全焼させてしまったのだそうです。この高校生のグループは放火の疑いで逮捕されてしまったそうですが、罪の意識などはないだろうなと推測します。今回全焼してしまった住居跡は復元されたものなので、再度建て直すことも可能だとは思いますが、私は、次世代の人たちに、遺跡というのは破壊してしまったらそれでもうお終いなのだということをしっかり教育して欲しいと思います。何年か前に、荒れる中学校が問題になったことがありました。その反省から「ゆとり教育」なども行われるようになり、その弊害が問題になってきています。こうした事件が起こると、私は、次世代に伝え切れていないものがあるように思うのです。「成人の日」の祝典も荒れなくなったそうですが、おとなしく椅子に座っていることを強制するのではなく、しっかりと日本が太古の昔から培ってきた偉大な文化を教えるとともに、それを保存するために地元の人たちがどれだけの努力を行ってきたのか、そして、大切にみんなで守っていかなければ文化財は壊れてしまうものだということをしっかり伝えるべきだと思います。もっと言うなら、形式を強要するのではなく、文化の意味を教えるべきだと思うのです。古代人たちがどういう工夫をして生活をしてきたのか、いかに逞しく生き延びていたのか、ということには、ひ弱になりつつある若者たちに励みになることがいろいろと含まれていると思うのです。
2005/01/11
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4月28日付朝日新聞朝刊によると、先月末、4月27日に、「赤本」の通称で知られる大学別の過去問題集で、著作権が侵害されたとして、総額734万円の損害賠償を「赤本」出版元の世界思想社教学社に対して、作家・学者など12の個人と団体が訴訟を起こしました。原告側の主張では、30校ほどの「赤本」で、無断使用があるそうです。また、出典が明らかでないものの中に無断で改変(と言っても、改変したのは出版社ではなく、出題した大学だと思うのですが)されたものもあるそうです。事前に承諾を得た上で然るべき著作権使用料を支払うべきであるとしています。使用量に応じて、1件あたり190万円から14万円程度の支払いを要求しています。原告は、劇作家の平田オリザさん、作家のなだいなださん、政治学者の京極純一さん、イラストレーターの五味太郎さん、社会学者の鶴見和子さんらと、詩人の故寺山修司さんや作家の故川端康成さんのご家族・著作権管理団体などだそうです。今回の原告の所属している日本ビジュアル著作権協会という著作権管理団体によると、会員の作家が、出版社・進学塾に対して、99年から著作権侵害訴訟を起こしているそうです。今回の原告との関係は私にはわかりませんが、Z会(私もお世話になりました)、日能研、などがニュースに出ていたように記憶します。出版元によると、'05年版では、「赤本」は各問題ごとに掲載の承諾を求め、承諾が得られない場合には問題を掲載しない措置をとったそうですが、'04年版では、承諾を得られていないものがあり、提訴されてしまったとのことです。今回の訴訟の元になっている著作権法第36条は以下のようになっています。第1項 公表された著作物については、入学試験その他人の学識技能に関する試験又は検定の目的上必要と認められる限度において、当該試験又は検定の問題として複製し、又は公衆送信(放送又は有線放送を除き、自動公衆送信の場合にあつては送信可能化を含む。次項において同じ。)を行うことができる。ただし、当該著作物の種類及び用途並びに当該公衆送信の態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない。第2項 営利を目的として前項の複製又は公衆送信を行う者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を著作権者に支払わなければならない今回の訴訟はそれほど額が大きくはないので「赤本」出版元が著作権使用料を支払って和解してしまうと思いますが、今後の入試について、巨額の著作権使用料の要求、あるいは、入試問題集そのものへの掲載拒否というような事態も考えられます。「赤本」出版元では、訴訟提起を恐れて、過去問から許諾の得られない作家の文章を外してしまうという対応をとるのもやむを得ないかも知れません。しかし、これでは、受験生の知る権利が損なわれます。そうでなくても、試験をする側の情報提供は充分ではないのです。いったい、何を勉強しておけばよいのかがわからずに受験の準備をするということになれば、明日の日本を背負って立つ人材を養成することが不可能になってしまいます。TBSアクセスでも、この問題がとりあげられていて、一部の視聴者から、赤本出版元は営利を目的として赤本を出しているのだから著作権料をきちんと支払うべきだという声が出ていました。この意見にはちょっと悲しくなりますね。受験参考書がどれだけ出版元の善意に支えられているか全く理解がないんですね。センター試験用の問題集などを見て頂きたいと思うのですが、あれだけのボリュームであの価格で出版社が利益を上げられるのでしょうか?私は人件費を考えればどこも実質赤字だと思います。別の事業で埋め合わせをしているのではないかと思っています。私も、以前、センター試験用の参考書のお手伝いもしましたが、かけた時間を思えば実質時給100円にもいかないと思います。離婚の原因にもなったと言えるでしょう。そうまでして、身を削って明日の日本のためにと信じて受験用の参考書を出しているのに、営利目的と言われるとやりきれないですね。教学社だって、営利目的で赤本を出版しているとは思えません。私自身は、著作権とか肖像権とか言った権利は本来認められるべき権利ではないと思うのですが、知的財産権として世界的に認められる趨勢にあり、日本でも、法律できちんと保護されています。法律で保護されている以上は著作権を無視した出版はできません。私も自分の出版物に対しては、著作権を主張させてもらいます。ですが、受験参考書を出版しているどの出版社も進学塾も予備校も出版物では著作権使用料を支払う余力があるとは思ません。著作権使用許諾以前に、著作権使用料支払いの可能性があるだけで、出版物への問題文掲載をやめてしまうと思います。コストの点から言って、これ以上のコスト上昇に耐えられるようには思えません。ですが、受験生の知る権利と、明日の人材育成を支える活動も保障されるべきだと思います。私は、入試問題を作成していらっしゃる大学の先生の皆さまにお考え頂きたいと思うのです。今後、ことしから来年にかけて、行動を起こします。相手にされるとも思えませんが、著作権に限らず、情報開示の不充分な大学入試については、社会全体でいろいろと考えて頂かなくてはいけません。私は、著作権者に、引用利用であれば、2次利用の無償(あるいは有償にしても極めて低額の利用料)使用許諾を宣言して頂いて、この宣言を頂いた中から、あるいは、入試問題作成者自身が著作権を保持する中から、あるいは、新規に問題文を書き起こして、入試問題を作成して頂きたいと思います。これは、現代国語に限らず、英語などでも言えると思います。2次利用可能宣言著作物については、何らかの方法でリストが公開されていて、受験生がどの程度まで本や雑誌・新聞に目を通していればよいのか、その境界がはっきりと提示されるべきです。少なくとも、一般受験生が、何を勉強しておけばよいのか、何を読んでおけばよいのかが全くわからないというのでは、大学関係者とコネをもつ特定の受験生だけが内部情報をもって入試の準備ができることになりかねず、競争として不公平であると言わざるを得ません。一部の大学だけでもこうしたことが可能になれば、赤本に問題文が掲載されない大学は、受験生が敬遠するようになり、高額の著作権料を要求する著作権者の著作物を若者は読まなくなるでしょう。私が受験生時代はZ会の国語の問題で取り上げられた作家の本はよく読んでいました。川崎洋さんという詩人の「はくちょう」という素敵な詩を気に入って、川崎洋さんの詩集も買って愛読しました。他の詩人の詩集も随分読みました。受験参考書に取り上げられると言うことが一つのステータスであり、無料の広告媒体になっているとさえ言えると思います。川崎洋さんも著作権使用料の訴訟を起こしており、がっかりさせられました。今後、手に取ることはないと思います。楽天広場を利用させて頂きながら、このブログにいろいろと書いてきていますが、私も著作権は主張させて頂きますが、部分引用の2次利用については著作権料の請求をすることはありません。大学関係者の皆さま、入試問題集作成者の皆さま、どうぞご自由にお使いください。なんて、使う人なんているわけないですけれど(笑)。
2005/05/07
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