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2005/01/26
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昨日、小宮山洋子議員が代表質問に立ちました。マスコミが全く取り上げないのでここでだけでも思いっきり書いておきます。

小宮山洋子議員は、普通にお話しをしていると、のほほんという感じの穏やかな方なので、国会の質問もそういう雰囲気かと思っていましたが、田中真紀子さんがNHKのアナウンサーとしてしゃべっているかのような迫力満点の質問で、圧倒されました。恐らく、小泉さんも度肝を抜かれたのではないかと思います。

小宮山さんの質問の内容は多岐にわたっていて、全部を聞き取れなかったので、一部を紹介します。以後、小宮山さんの質問 → 小泉首相の答弁、のように書きます。

90年代以降、少子化対策がさまざま行われてきたのに、なぜ実効があがらないのか。 → 晩婚化未婚化の速度が予想以上に速く対策が追いつかない。待機児童無し、地域での子育てなど、今後5年で集中的に対応する。

少子化・子育てに責任をもって取り組む省庁がないのでなおざりにされている。ノルウェーでは子ども家庭省を作ったところ、出生率が1.65から1.8に改善された。 → 全閣僚が参加する会議を作って対応する。

子どものいる家庭への経済的支援を行うべきだ。扶養者控除を廃止する財源で子ども手当を所得制限無しで支給せよ。スウェーデンでは出産後8年、両親が子育ての休暇取得、所得の80%保証を実現している。 → 高齢者への給付を見直して次世代への給付を厚くする観点から、小3までの児童に対する給付を行っている。これ以上の拡大は財源の問題がある。

出産費用の援助を増やすべきだ。 → 平成18年度以降の医療改革の中で議論する。

子育て中の労働時間について、同一労働価値に対して同一賃金を保証せよ。男女の有償無償労働の比率が日本は諸外国に比べて違いすぎる。所得が多い方が子どもの数が増える。日本でも専業主婦よりも就労している女性の方が子どもが多い。 → 育児休暇制度など現行制度でもいろいろ対応しているが、現行法制度が周知徹底されているとは言えない。まずは、現行法制度の周知徹底を図る。改正パートタイム法では正社員との格差を無くし、三位一体改革では子育て支援サービスも考えている。

大学生の希望者には奨学金を支給せよ。 → 奨学金給付の対象を21万人に増やした。



子育てをする女性の就労環境改善のためにも夫婦別姓を認めて欲しい。非嫡出子への差別があって働く女性が子どもを産むのをためらうことになる。 → 国民の動向を見ながら与野党で協議していく。

なお、小宮山さんの質問については、 こちらも 参考になさってください。

事情を知らずに聞くと、小泉さんはまじめに答えているように聞こえるかも知れません。ですが、小宮山さんは現状の施策では不充分だから、次世代の育成に対する施策をもっと充実させるべきだと主張しているのです。それに対する小泉さんの答弁は、今までこういうことをやってきた、努力してきた、だけで、今までうまくいってきていないことをどう改善していくのか、ということには触れないのです。A級戦犯を合祀している靖国神社への参拝を国家のリーダーが行うのはやめて欲しいという中国の主張に対して、靖国参拝は戦没者の慰霊を行うためだ、と、答えるのと同じ論法です。中国も戦没者慰霊に対してクレームをつけているわけではないのに、相手が認めることだけを言って、批判の対象となっていることを無視するという論法です。

財政支出のバランスの問題から、民主党の主張に答えられないのなら、そう説明すればよいわけです。どういうバランスにするかが次の選挙の争点になるでしょう。ところが、小泉首相の答弁は、相手の主張を採り入れたように言いつつ、結局ゼロ回答なのです。折衷するとか、議論を深めて行くという視点がなく、ただ、ちゃんと考えている、でも、今までやってきた方針は変えない、の、一点張りです。どうせ、小泉さんが、自民党が、自分の思う通りにやるだけなのなら、国会は何のためにあるんでしょうね?自民党が批判する中国の一党独裁とまるで変わらないですね。

小宮山さん、私のお願いでちょっと遠慮されてしまったか、いつもの主張で抜けてしまった部分がありますね。私は、小宮山さんのお考えに反対しているわけではないので、ただ、法律に洩れがあって泣いている人もいるので、それを考慮して頂きたかっただけです。

今回の小宮山さんの質問内容は、政権交代後に私が実現をお願いしたいものばかりになっています。児童虐待の対策についても少し触れて頂きたかったですが、時間に制限があるので委員会の場などでお願いしたいと思います。ただ、私は、小宮山さんの政策は、少子高齢化時代において子どもを大切に育てる政策であって、これはこれで実現に向けて努力をお願いしたいのですけれど、これだけでは少子化対策にはあまり寄与しないと思っています。

小宮山さんも質問の中で述べていらっしゃいましたが、子どもを産みたいと思っている女性は決して少なくないし、晩婚化したと言っても女性の未婚率は男性の未婚率に比べてそれほど高くなっているわけではないのです。私は、少子化は女性の問題ではなくて男の問題だと思っています。女性が子どもを望んでも、経済的に時間的に法制度的に社会慣習的に男が子育てに関与する余裕がなくて子どもを作る意欲に欠けていることが問題だと思うのです。

これは私の境遇、息をするのがやっとの苦しくみじめな境遇になれば男は誰でも実感すると思います。私のようにならない自信を持って仕事をしている男性がどれほど今の日本にいるでしょうか?ノルウェーやスウェーデンやフランスで出生率が大きく改善されているのは、離婚後の共同親権・監護が保証されているからで、離婚後に父親と子どもが切り離されて(子どもの権利条約に日本は大きく違反しています)も国民全体知らんぷりという日本の国情とは全く違います。姜尚中さんや田中宇さんの対北朝鮮経済制裁無効論でも拉致被害者救出・横田ご夫妻の苦しみへのいたわりという観点は全くないのです。これが日本の少子化の現状です。

働く女性を支援することは少子高齢化時代の日本では、労働力確保の点でも、子育ての点でも必須のことです。夫婦別姓も日本は絶対に認めなければ行けないと考えます。でも、それだけでは少子化の流れを止めることはできないでしょう。男も子育てに関与するんだという発想を社会が持つような仕組みや、地域で子どもたちを共同監護していくような発想、総合学習で、地域の人、企業の人、行政の人が学校教育に参画して子どもたちに生きる力をつけるような発想(この発想がないなら総合学習は無意味です)、こうしたものがないと、男性側に子どもを作ろうという意欲が湧かないと思うのです。

よく朝日新聞を左翼偏向新聞と言う人がいますが、NHK問題では自民党議員とも争う姿勢を見せていても、私には、朝日も自民党寄りに見えます。ことあるごとに、民主党の「多様な価値観を認める」という理念を「民主党はバラバラ」と攻撃して空中分解しかねないように書きます。昨日の江田五月議員の質問も、年金に消費税を充てるところだけを切り出して、厚労大臣が大歓迎なんて書いていますが、年金の一階部分を消費税で充てるという民主党の主張は、経済的弱者に対して生活補償をすることとセットになっているのです。朝日はどうしてねじ曲げて書くのでしょう?江田議員のイラク問題、人権保護、政治資金の追及の質問は触れずじまいです。小沢一郎さんが民主党の若手が自民党や官僚にすり寄るのを批判していましたが、読売も民主党の代表質問に対して辛口の社説が書いてありました。日経の社説が民主党に比較的好意的な以外は、あとは代表質問は完全に無視状態。NHKの会長が誰かなんてことよりも生活が税金がどうなるかということを書いてくれる方が新聞が売れると思いますけどね。一般大衆に新聞を売るよりも自民党に媚びを売る方が良い?



ここまで来ると、やはり「小泉幻想」だったんだなと思います。私も4年前に浮かれた一人ですが、本当に2002年の暮れにはひどい目に合って、何もかも失いました。やっと、今から再起です。野田佳彦議員も質問の中でおっしゃっていましたが、自民党をぶっ壊すと口では言っていても、結局自民党のしがらみの中では、小泉さんでもメモに書かれた文章を棒読みするだけの答弁しかできないんですね。小宮山洋子さんがおっしゃっていましたが、これでは国会は単なる儀式の場でしかありません。

質問を聞いていて今思ったのだが、こういう解決法はどうだろう、それならこういう風に議論をして行こう、自民党は何とか説得してみせるから、というようなアドリブの言質がとれれば最高なのですけれど、小泉さんでも無理みたいですね。青木さんへの答弁の最後で、小泉さんは、青木さんの方を向いて、メモも読まないで青木さんに協力をお願いすると言っていましたが、どの質問者に対してもこういう対応をとって欲しいものです。





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最終更新日  2005/01/26 11:09:43 AM


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