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2008/03/24
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本日(2008年3月24日)付毎日新聞が「荒れる中学 問題の抱え込みは自壊を招く」と題して、福岡県の中学校で起きた、一部の中学生による授業妨害を採り上げています。
毎日社説は、冒頭、
福岡県田川郡の町立中学校で一部の生徒たちが物を壊したり授業妨害をするなどし、対策に追われた校長、教頭が心労で休職したり、療養するという異常事態になった。今月になり2人が暴力行為法違反容疑で警察に逮捕されたが、ここまで状況を悪化させた要因として、問題を表へ出したがらない教育現場の消極的な体質がまたも露呈した。
と問題提起しています。
また美術準備室がやり放題のたまり場になっている実態を町教委が知ったのも同月で、知らせたのは学校ではなく保護者という。
とも書いています。
心労で倒れてしまった校長先生も教頭先生も決して問題を放置していたわけではなく、必死に対処しようとしていたからこそ休職、療養というような状況に追い込まれてしまったのだろうと思います。
また、こうした社説を新聞が書くと、学校は荒れている、教育は何をやっているんだ、という罵声が飛び交うようになる心配があります。

しかしながら、教育に関してそうした無知蒙昧な罵声を浴びせる日本人がたくさんいることが、まさにこうした教育問題の原因だと私は思います。
「学校が荒れている」という言葉を気安く吐ける人間は、こうした中学生と向き合ってみてからものを言うようにして欲しい。
9割以上の大部分の子どもは、私たちが子どもの頃と比べて遙かに礼儀正しく善良で相互互助の気持ちを持っています。

学校が荒れているのは、子どもや教育の問題ではなく、防衛省のトップがゴルフ三昧でいることを全く糾弾できないマスコミを頂点とする「荒れた日本社会」の問題です。
一方に、でたらめやりたい放題のおとなとそれを問題視しないおとながいて、他方で、子どもが誠実な人間でいろ、と子どもを締め上げることがそもそも大間違いです。
どうせ、「学校が荒れている」という罵声が来るだけで何の救いもないからこそ、教育現場も声を挙げない、ということになってしまうのでしょう。

毎日社説は、
一昨年来、各地の学校でいじめやそれに伴う自殺が表面化したが、学校が隠したり、教委などに報告していなかった事例が相次いで露呈し、社会問題になった。
(中略)
こうした反省から、問題は隠さず、必要に応じて教委や保護者らの支援も積極的に受け、解決に当たる--。文部科学省や各教委は各学校にそう呼びかけ、問題の無理な抱え込みはしないよう求めてきたはずだ。
今回のケースはこの反省が全く生かされていない。
(中略)
公立小中学校入学の選択制をとる地域は「学校の評判」を気にしがちといわれる。
と続けて、学校が抱えている問題点が表面化しないことを問題視しています。
毎日社説は、それを学校選択制や教育評価制度の問題として捉えているように思います。また、そうした意見も多数聞きます。
ですが、当ブログでは、評価項目と競争原理が歪められていることが問題だと、繰り返し書いてきました。
競争していることが悪いのではなく、何を評価項目とするか、ということが間違っているのです。
「国家の品格」とか「日本人のしきたり」などと言う本が本屋で平積みされている状況では仕方がないかも知れません。
しかし、国民の生活を守る国家こそが望まれているのであって、いかにも庶民は黙って少数の利権保持者の言うことに従え、と言いたげな「国家の品格」など国家の評価ポイントでも何でもありません。

学校の評価においても、生徒が授業に真剣に取り組んでいるか、生徒が学校で何をどれだけ学んだか、ということではなく、いかに問題が起きていないように見えるか、どの高校に何人入ったか、あるいは、全国学力テストの学校平均点が何点だったか、ということで、評価をしよう、という日本社会の風潮が、教育を歪めているのです。

何もできず、食べ物を自分で取ってくることさえできない、できそこないの赤ん坊で生まれてくるからこそ、「教育」が必要なのです。
学校の中が問題だらけだからこそ、「学校」の存在意義があるのです。
どれだけ多くの問題を抱え、その問題にどう対処してきたか、ということで、学校を評価するべきであって、「問題がないこと」が優れた学校であるはずがありません。
また、どれだけ平均点の低い子どもたちを学校が受け入れ、その子どもたちにどういう授業を施して、結果、その子どもたちがどれだけ学習意欲を高めたか、ということで、学校の評価を行うべきです。
最初から学力の高い子どもばかりを集めて、どの高校に何人受かったと自慢してみても、その学校は実は最低の評価を下すべき学校だったということだってあり得ます。

平均点の絶対値で学校を評価するのではなく、平均点の上昇率、また、そのために先生が行った創意工夫の内容で学校を評価するべきなのです。

毎日社説は、
例えば、一般に児童・生徒を「出席停止」にすることはためらわれがちだが、その期間の学習支援や指導を学校や教委が連携し、しっかりした姿勢で取り組めば、それは「教育の放棄」ではなく、「教育効果」も望めよう。
文科省は今回の異常事を検証し、その教訓を全国の学校現場で共有すべきだ。
と結論しています。

私は、問題を起こす子どもは地域全体で見守る、という発想が必要だと思います。
発達障害の子どもが学校の輪の中にうまくとけ込めずに孤立化し、問題を起こすようになってしまうことが多いのです。
彼らは、話し相手、遊び相手、相談相手を求めているのです。
一学級30人から40人、という今の子どもの人数では、先生の目がとても全員に及びません。
子ども一人ずつ固有の困難を抱えていて、個別の対応をとることもとても無理です。
問題が大きくならないうちから、学校内においても、地域住民が、問題を起こす子どもに張り付き、彼らと一対一で向き合うのです。
先生の言うことを聞かない子どもが実はそれなりの理屈を持って行動していることを発見することもあると思います。
子どもの言うことの方が間違っているとわかっているのだけれども、一旦、先生が悪かった、ごめん、と謝ることで、かたくなになっていた子どもが心を開いて次のステージに進むことができる、という、学校の先生の話を聞いたこともあります。
学校の仲間も、地域の人も、全員が自分に対して背を向けてしまうので、彼らは、美術室で大暴れを始めて、自分たちの方に注意の目を向けさせようとするのです。
破壊行為や犯罪行為にまでことが及ばない「イタズラ」程度のうちに問題解決ができるように、「全国の学校現場」で問題を共有する、というのではなく、地域全体で問題を共有するという考え方が必要だと思います。

学校への地域参加、ということで、杉並区和田中学校が注目されています。
民間企業出身者が校長に着任してさまざまな試みが行われています。
先日は、PTAを廃止して地域住民参加の学校運営評議会のようなもので学校を運営していく、というニュースも出ていました。
しかしながら、洩れ聞こえる話によると、和田中学校では、「地域参加」が既に歪められつつあるそうです。
某ゲーム機器会社の人間が学校運営評議会に入り込み、会社のソフトを強制導入するような動きもあるのだそうで、子どもたちを地域住民で見守る「地域参加」がいつの間にか、公的施設を利用した大企業の販売戦略の中に組み込まれてしまっています。
地域住民が、地産地消で地元の野菜を使って子どもたちにカレーを作る料理の実習を体験させよう、というような話なら理解できますが、地域住民と何一つ関連しないものをどうして強制導入などするのでしょうか?
これでは、意欲のある地域住民を学校から排除することになってしまうでしょう。

杉並区では、むしろ成績上位層の子どもが、授業妨害などを起こして学校の中で荒れることが問題になっているのだそうです。
今までも、いろいろな高校生の話を聞いてきましたが、私は、この話がとてもよく理解できます。
公立学校では、成績下位者ばかりを手厚く面倒を見るので、成績上位者の方が孤独な状態に置かれてしまうのです。
日々努力をして良い成績を取ったのに、誉めてもらえるどころか、成績が良かったくらいで威張るな、などと言うおとながいれば、荒れ出すのは当然です。
全国学力テストの結果を公表し、良い点数を取った子ども、あるいは頑張って大きく成績を伸ばした子どもに素直に拍手して上げる、ということを、どうして日本社会はやらないのでしょうか?
序列化する、いたずらに競争心をあおる、全国学力テストは全員対象ではなく抽出で行うべきだ、というような批判は、私には全く理解できません。
全員に等しく機会を与え、頑張った子どもには賞賛の言葉を送り、結果の出なかった子どもにはサポートをする、ぜひ、日本社会が、こうした発想をとるように望みます。
また、地域住民全体で、孤独な状況に沈む子どもができないように、一人一人の子どもに視線を向けるような活動が進むように望みます。




理工系受験生向け大学入試問題研究サイトは こちら
大学入試問題検討ブログは こちら
上記の2ブログは、高校生の皆さんはNTTdocomoの携帯ではアクセスできないそうです。携帯でアクセスする場合は他社のものに買い換えるか、できれば、パソコンで閲覧してください。
上記2ブログが、悪質ないじめにつながる俗悪サイトかどうか、ご興味のある方も、ぜひご参照頂くようにお願い申し上げます。

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最終更新日  2008/03/24 08:19:07 AM


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