幸せ探し

幸せ探し

2016年11月14日
XML
カテゴリ: 私のすきなこと


前回の続きです


豆知識
奈良の豆腐屋茜屋半七が遊女三勝と心中したという実際あった事件をもとに脚色した話。
半七の妻お園の口説き(手振り身振りを交えて自分の思いを訴える)が有名

ここまでの話
酒屋茜屋の息子半七は親同志が決めたお園と言う娘と祝言を挙げたものの、女芸人の三勝(さんかつ)と深い仲になり子どもまで作っている。(好きな女がいるのなら、別の女とずるずる結婚するのはとっても失礼な話だと思う)
半七は家によりつかず、三勝の家に入り浸っている。お園は自分が至らないために半七がすげないのかと、一生懸命つくしている。
半七は三勝に横恋慕している男から金をだましとろうとされ、争いの揚句相手を殺してしまう。
お園の親宗岸は半七の不行跡に腹をたて、こんな家に娘を置いておけないと無理やり連れ帰ってしまっている。

酒屋の段
店先で丁稚が居眠りしてる。
主人の半兵衛は代官所へ呼び出されており女房はなにごとかと気が気ではない。
そこへ御高祖頭巾の女が小さい子を抱いて酒を買いにきて、角ダルを注文し、丁稚に角ダルを持ってくれるよう頼んで金をおいて、丁稚とともに出ていく。(後で考えるとこの女は三勝)
半兵衛は町役人とともにもどってくる。
代官所では半七が人殺しをしたことを告げられたが、家業を顧みない不行跡ということで勘当してあるので、こちらは何も心配していないと半兵衛は強気を見せる。
そこへ先ほどでかけた丁稚が背中に幼子を抱き、片手に角ダルを持って泣きながら帰ってくる。
頼りない丁稚がいうには「途中で少し行きたいところがあるからと、女の人が子どもを預けてどこかに行きました。待てど暮らせど女の人が帰って来ず、仕方がないのでお店に帰ってきました。」
角ダルのあて先がこの店となっており、半兵衛と町役人が考えるには、これは酒屋をあてにして、捨て子ををしたのだろうと判断した。
女房も「うちを頼りに子を捨てたとあれば、なんとか引き取ってやろうか。」と考えている。
町役人は帰り、子どもを奥の間に寝かせに行く。
そこへ実家へ帰ったお園が父宗岸とともに現れる。
宗岸「娘が可哀想と家に連れ帰ったが、娘は半七を慕って泣くばかり、本人がその気であれば、男の方から出て行けといわれるまで女から出ていくどうりはない。どうかそちらに置いてやってほしい。」
園「一旦殿御と定まった半七様、嫌われるのは私が至らないからでしょう。これから嫌われぬよう仕えますので、もとの嫁と思ってください。」
女房は喜ぶが、半兵衛は「覆水盆に帰らずという、一旦別れると言った以上帰ってくれ。半七は勘当した身だ嫁も関係ない。」と冷たい態度。
宗岸「勘当したというならばなぜ息子の身代わりに縄にかかられた。」
宗岸の言葉にお園と女房が半兵衛の身を探るとはがいじめに縄がかけられていた(縛り縄という謹慎の刑)。驚く二人。
宗岸「半七は善右衛門を殺したとがでお尋ね者となった。世間はその前に勘当しておいてよかったなというけれど、親子の情はそんなものじゃない。私だって娘は可愛い・・・」
半兵衛「お園は本当によく尽くしてくれて、私だって返したくないここにいてほしい。しかし女房としてここにおいておけば、あたら若後家となる。それが不憫できつい言葉を出したのだ。」
お園を除いた3人は話すことがあると言って奥へひきとり。お園は一人残される。


ここでお園の有名な口説き
今頃は半七様どこにどうしてござらうぞ。今更返らぬことながら、私といふ者ないならば、舅御様もお通に免じ、子までなしたる三勝殿を、とくにも呼び入れさしやんしたら、半七様の身持も直り御勘当もあるまいに、思へば/\この園が、去年の秋の煩ひに、いつそ死んでしまうたら、かうした難儀は出来まいもの。お気に入らぬと知りながら、未練な私が輪廻ゆゑ。添ひ臥しは叶はずともお傍にゐたいと辛抱して、これまでゐたのがお身の仇。今の 思ひにくらぶれば、一年前にこの園が死ぬる心がエヽマつかなんだ 堪へて たべ半七様、私やこのやうに思うてゐる いやいや、気にいらないならいらないで、半七もはっきりしてやってほしい、問題の解決もせず逃げてばかり。)
そこへ目をさました幼子が座敷まで出てくる。
お園は驚き「これは半七さんと三勝さんの子どもお通じゃないか。どうしてここに。」
奥から出てくる3人、お通をここへ預けるからには、なにか言付けもあるはずとお通の身体をさぐると書きおきが出てくる。
「お父様お母様へ、人を殺してしまい、生きるすべもございません。ただ三勝との間のお通は不憫ゆえ、どうぞ、私の形見としてお育てください。お園は私に仕え父母にもよく仕えてくれました。そなたを決して嫌ったわけではない。そなたと知り合う前に三勝との縁があったためこのような結果になったが、夫婦は2世という来世はきっとそなたと夫婦になろう。」(なんだか浮気な夫のその場しのぎの言い訳に聞こえますけど、皆に良いかおしたいんですか)
半七と三勝は陰ながらの別れをしようと、玄関の外からそっと様子をうかがい、我が子に心を残しながら、死に場所をもとめて去っていくのだった。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2016年11月14日 12時05分51秒
コメント(12) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

カレンダー

お気に入りブログ

山手線100周年 高輪… New! MoMo太郎009さん

2025秋旅 九州編(10… New! ナイト1960さん

🍐 新作「秀吉の野望… New! 神風スズキさん

街の病院で治らない… New! 潜在意識の設計士:Inner Heart [向月 謙信]さん

映画 『セーラー服… New! せつぶんまめさん

プロフィール

クレオパトラ22世

クレオパトラ22世


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: