ルナ・ワールド

ルナ・ワールド

PR

×

プロフィール

月野 かぐや

月野 かぐや

コメント新着

コメントに書き込みはありません。

カレンダー

2005年01月30日
XML
カテゴリ: 考えちゃうこと


現在のことにしか興味がなく、「いま」とのつながりがよくわからない「過去」のことには関心が薄いからだ。

ところが、大人になるにつれ、歴史を知ることの重要性を思い知ることが多くなった。

ある日、こんなことがあった。

とても博識で感じの良いおじさんとその人の部下と話をしていたとき。

このおじさんはご両親が旧満州(現在の中国瀋陽)で教鞭をとっていて、生まれも幼少期も旧満州で過ごした。

おじさんのお父さんはそのころの人には珍しく、現地語も覚えるべきだという姿勢をとっていたため、おじさんは終戦後に日本の片田舎に引き揚げるまでは中国語が話せたという。

そんなときに出た話。「日本人論とはなにか」という話題。

別に、一般の定義を踏まえたうえでの突っ込んだ話、とかいうそういうレベルのものではなくて、「日本人論」って聞いたこともない人がその場にいたのだ。



私は一般的に言う「日本人は偉いんだ。日本人は特別なんだ。」という論をふりかざすだけが「日本人論」だとは思っちゃいない。その逆を行った「日本人は恥ずかしい」と言った、まあ、名前をつけるとしたら「日本人を極度に卑下する日本人論」だってその範疇にはいる、と思ってるからだ。

そもそも「日本人」はすばらしい、とか恥ずかしいとか、どっちの姿勢をとってたって、「日本人は特別」で「日本人特有」の何かがある、という大前提を肯定していることに変わりはない。だから、どっちとも「日本人論」。

でも、じゃあその正反対を行って、「結局はみんな一緒」というのも違う感じ。

日本人論は突然、何の脈絡もなしに、ぽっと日本史上にあらわれたわけじゃない。日本人論が台頭してきた19世紀末から20世紀初頭に「我々は特別。我々がいかに周りより優れているか」という論を振りかざしていたのは日本だけではない。そのころ帝国主義を強めて植民地政策に取り掛かろうとしていた西欧諸国はその政策を正当化するためにいっせいにしていたことなのだ。

(ただ西欧諸国の場合は「いかに白人は黄色人種と黒人よりも優れているか」という議論形態。だから西欧諸国から派遣された宣教師の中には本気で、心から自分たちは神の御世のため良いことを行っている、ってことが科学的にも証明されている、と思ってた人もいた。社会論的に解釈されたダーウィン進化論が多大なる影響を与えてました。)

だから「日本人論」自体に「特別に日本人的なところ」なんてない。

そもそも「日本人論」が生まれ出づる背景には「日本 対 非日本(外国)」というそれまでに希薄だった意識がなきゃいけない。それまでは清とか唐とかいろいろと呼ばれていた中国を中心にして、(今で言う)「外国」とは境界線のあやふやないろんな藩が集まった(今風に言えば)「日本連合国」だったわけだし。「われら日本人」って意識はほとんどなかったはずだ。

それがいつ、(インテリの間では)いっせいに「われら日本人」なる意識が起こり、「日本人論」が普及し始めたか・・・・。

日本で帝国主義が強まったのだ。でもそれが単に征服欲にかられてしたかというと・・・・、う~~~ん、そりゃあ、人間だもん、そういう人だっていただろう。

でもね、黙ってたら自分たちが西欧に植民地化されてしまう、って危機感も少なからずあったはず。「日本人論」が(インテリ層や政府関係者に)そこまで歓迎されたのにはそういう背景も関わっているはず・・・。

と、いうことを「日本人論」の出てきた背景として注釈を加えたあとに「日本人は特別にああだ、こうだ」ということを言うことなんだよ、と話してみた。



そのおじさん、「日本人論」ってなんだったのかは知っていたけれど、そういう背景があったとは知らなかったらしい。これがすべてではないけれど、そういう歴史的背景を知っていると「日本人論」に対する解釈の仕方も変わってくるような気がする。

「日本人論は恥ずかしい。あんな、日本人だけ特別、なんて考え方ができるのは視野の狭い日本人にしかできないことだ」なんていうのだって結局は日本人論に変わりはないわけで。だからそういうことを言って、リベラレぶってる態度に私は少し違和感を持つ。

一応、反対すりゃあ「正しい側に立てる」とか「先祖のした過去が償える」とかそんな簡単なもんじゃないのだ。

史実や歴史のさまざまな解釈のされ方を知って、それで初めて「現在」のことも語れるんだな、と知った今の私はさらに「歴史を知る」ということに興味を感じ出している。






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2005年02月04日 11時06分14秒
コメント(4) | コメントを書く
[考えちゃうこと] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: