I love Salzburg

I love Salzburg

2010.08.01
XML
名画「忘れえぬ女(ひと)」が日本へやって来る!

昨夏、国立トレチャコフ美術館展の広告を新聞で見つけた時、私は思わず歓声をあげ 手を叩きました。


それについて、詳しくは過去 ('09.09.26) の日記に記していますので、ここで改めることはしませんが、
その展覧会からの帰り道、気がつけば瞼にあの絵の女性がチラついて、その名の通り 私にとっても「忘れえぬ女(ひと)」となりました。

そして、「いつの日か、もう一度 あの絵に会いにロシアへ行きたいなって思うの。」 そう冗談交じりに話していました。

*

あの絵に再び会うこと。


この絵が本来あるべき空気の中で彼女と対面したかったから。

気高く美しく、どこか寂しげな一人の女性。
まるで自分の人生を、否 暗雲たちこめた世の中の流れを憂いているかのような瞳。
時代は19世紀後半。 まさに激動の時代を彼女の瞳は映してきたのだと思います。

うっすら涙を浮かべているかに見える あの瞳が忘れられなくて、
その絵に導かれて、まさか自分の足でモスクワの地を踏むことになろうとは、半年前の私は全く想像もしていませんでした。
ですが、それくらい あの絵に私は魅了されたのです。


その絵は、国立トレチャコフ美術館 2階の一室に、その他多くの名作とともに並べられています。

広島で見た彼女は、彼女がその展覧会のメインということもあり、一枚だけ特別扱いの展示方法がされていました。
けれど本場トレチャコフ美術館は、この絵に勝るとも劣らぬ名作で、それこそロシア美術の傑作たちで溢れていますので、彼女だけ特別、、、ということはありませんでした。

だからでしょうが、、

手が届かない上流階級の貴婦人というより、まるで妹のような親しみやすさを感じました。

きっと日本に居た時の彼女は、私がロシアに居た時と同じように背筋を伸ばし緊張しており、ロシアに帰国して それが解けてしまったのでしょうね~。^^


彼女を見つけた瞬間、不思議とずっとこの場所で彼女が私を待っていてくれたように思えました。

なんとなく口をモゴモゴさせているように見え、
日本に滞在した時のよそよそしく気取った(?)彼女ではなく、ふるさとの空気に包まれている安心感から、少しお喋りになっていたのだと思います。


周りに人がいないことを確認して、私はこっそり彼女に耳打ちしました。(笑)
もちろん絵画の中の彼女ですから、本当に口を開くわけはありませんけど、ですが本当に目の前に実在する人物のように、私には彼女の中の生命力が伝わってきたのです。


1時間くらい彼女を独占したでしょうか、、、。
素晴らしい作品の中に埋もれた彼女に気付かずに、多くの見物客は勿体なくも素通りしていきました。
おかげで 誰にも気兼ねすることなく、思う存分 彼女と心の対話ができたものと自負しております。



「もう行くね。」
けれど、やはり振り返らずにはいられません。

次の部屋に移っても、まだ後ろ髪を引かれるような気がして、再び彼女の前へ戻ってしまいます。

「帰れないじゃない。。。」
困った顔で、私は彼女に言いました。
彼女の口元は、やはりモゴモゴ動いているように思えるのです。

それを何度か繰り返した後、私は意を決して立ち去ることにしました。
それほど彼女に心を奪われたような、あの場所に心を置き忘れたような、、、そんな錯覚を今でも感じています。

忘れえぬ女.jpg


この絵のことは、以前 あるブログ友達さんが日記で紹介して下さったことで初めて知りました。
その時は、「いつか本物を間近で見たいな~。」程度の思いだったのですが、
まさか これほど私に影響をもたらす絵になろうとは思いもしませんでした。
いや、これほど強く私に語りかける絵がこの世に存在することすら想像もしていませんでした。

私をロシアへ呼ぶほど、彼女の波動は強いのです。
そして、それこそロシアという大国も、この絵に負けないほど強烈な印象を私に残しました。

そして、実際にロシアの地に立ちこの絵を前にすると、この絵の表情も空気感も まさにロシアを表しているな~と感じます。
画家クラムスコイは、単なる一人の女性ではなく、時代や国そのものを彼女を通して描いたのでしょうね。


もしも この先、なんらかの形でロシアを思い続けるならば、この絵が、この絵を紹介してくださった Mさんが、私の人生を変えたことになります。
大袈裟な言い方かもしれませんが、それくらい今回の旅は忘れられないものとなりました。

純粋に、ロシア好き~!ってことにはなりませんでしたけど。(笑)




*トレチャコフ美術館には、正教会に見られるイコン画の大傑作から 繊細な写実をもって表現された近世のロシア美術、印象派などの影響が感じられる近代の作品、そしてカンディンスキーに代表される抽象画にいたるまで、奥深く幅広く名画を楽しむことができます。
そのコレクションは13万点にも及ぶそうです。

ロシアの美術館といえば、西洋画を多く揃えたサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館が筆頭に上がってしまいますが、
純粋なロシア美術をめいいっぱい堪能したい方には、このトレチャコフ美術館をお勧め致します。                                                            2010-08-05 04:50:02





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2010.08.08 04:42:48
[旅行記 モスクワ '10.5月] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

Category

カテゴリ未分類

(228)

父の日記

(10)

愛犬たちの記録

(66)

旅行記 クライストチャーチ '18.09月

(0)

旅行記 グアテマラ&ベリーズ '18.7月

(7)

旅行記 欧州6ヶ国 '13.3月

(67)

旅行記 中欧8ヶ国 '12.9月

(118)

旅行記 アウグス2&ミュンヘン '12.5月

(11)

旅行記 ドブロヴニク&モスタル '11.12月

(32)

旅行記 ザルツブルク4 '11.10月

(19)

旅行記 メキシコ '10.12月

(25)

旅行記 モスクワ '10.5月

(32)

旅行記 ブダペスト '09.12月

(23)

旅行記 ザルツ3&アウグスブルク '08.12月

(38)

旅行記 韓国2 '08.5月

(19)

旅行記 ザルツブルク2 '07.12月

(15)

旅行記 ザルツブルク '07.7月

(10)

旅行記 スイス&リヒテン公国 '06.12月

(7)

旅行記 イタリア&バチカン市国 '05.12月

(4)

旅行記 バンコク&アユタヤ '05.3月

(1)

旅行記 オランダ&ベルギー '04.12月

(3)

旅行記 韓国 '04.6月

(1)

旅行記 ウィーン '03.12月

(5)

旅行記 ニューヨーク '03.2月

(3)

旅行記 ペルー '02.3月

(10)

旅行記 オーストラリア '02.2月

(6)

旅行記 クックアイランド '01.10月

(1)

旅行記 NZ '01.7月~'02.3月

(15)

旅行記 北京 '00.10月

(1)

旅行記 モンゴル '00.6月

(5)

旅行記 カンボジア '00.3月

(4)

旅行記 パリ '00.1月

(5)

旅行記 台北 '99.9月

(1)

滞在記 クライストチャーチ '01.7月~3月

(26)

クライストチャーチ

(10)

日本の旅

(108)

四国へようこそ

(117)

お遍路さん

(25)

城跡めぐり

(3)

観劇・ライヴ

(36)

展覧会

(57)

映画・DVD

(41)

音楽

(34)

読書

(30)

コラム

(36)

お友達

(42)

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: