PLUTOからの便り

PLUTOからの便り

2012/08/11
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テーマ: 短編を作る(405)
カテゴリ: カテゴリ未分類

ハナコは、負けじと言い返す。
 「カッパだけのせいじゃあないね、まじめすぎのカメもいけないんだ」
あらあら、いつの間にか二人はカメ派とカッパ派にわかれて言い争いをして 
いる。おばばは、しばらく黙ってその様子を見ていた。
 「カッパがいなければいいんだわ」
 「カメなんていないほうがいいんだ」
聞き捨てならない。相手を攻めだしたら、もう、いけない。・・・けれども
「そうそう、もっとやれ!!どっちが勝つか見ものじゃのー」

 「なぁ、おばぁ ふつう大人は、やめなさいって言うんじゃねー」
「なんか調子がくるっちゃった」と、顔を見合わせる。
「ふん、大人は、こうなんてことはクソくらえじゃ。それになぁ、おばばく
らい、もぅ大人もてっぺんまで来るりゃー子供に戻るばかりよ、
お前たちよりも若いんだぞ、いいだろう、それよりも、こんな時なんじゃよ、
カメぱっぱがやって来るのは」
「こんな時って?」
「こんな時は、こんな時じゃ、今、お前たちは、相手を攻め合っていたじゃ
ろう」そう言われると、さっきまでは、相手を気に入らず負かせてやろうと
必死になっていたのをすっかり忘れていた。
 「昔も、そうじゃったよ、南と北の人は、今と同じように言い争ったん

しないからと、はじめのうちは、そんなもんじゃった。それが、どんどん
加速して悪い方へ悪い方へと行ってしまったのよ、相手をののしり、しまい
にゃぁ暴力をふるう者まで出てきてな、そうなると、何が起こるかわかるか」
「おばば、怖い・・・」ハナコは、泣き顔になるが、タロは、厳しい顔をする。
 「ボク知ってる、戦争でしょ」 冷たい透き通る声だった。

油断してはいけない。顔を引き締めたまま、おばばの言葉を待っている。
 「世界中で起こっている戦争も偉そうな理由をぶっこいちょるんけんど
たいして変わらんのよ、自分たちが正しい、正しいのは自分だけ、相手は
間違っちょる。だから、間違いをなおしてあげるんじゃ・・と、余計な
お世話じゃあ」
「昔、ここでも戦争があったの?」さすがにタロも不安になってきた。
「んにゃあ、学校で習うような大きな戦争じゃあにゃー、にゃーけれど
それが、本当のところ一番、タチが悪いんだわ、争いの芽じゃからの、
これが育つと大きな戦争に成長するのよ、こればっかりは、栄養不足で
育ってほしくないもんじゃぁ、そんな時じゃよ、カメぱっぱが、現れたのは!
カメとカッパが、一体になって村人を救ったのよぉ」
「一体って、なーに」
 「どういうことか、わかるかにゃ?」
「一緒に、なったのよね」
 「カメとカッパは、神様のお使いじゃろ、ただ南と北の人のために振り分け
られたにすぎない。お互いの守り神を理由に争うのなら、その原因をなくして
しまえばいいんじゃ、と、神様は思われたんじゃ。第一カメもカッパも必死
で争いをやめさせようとしていたんじゃ。そんな思惑が一緒になりカメでも
ない、カッパでもない<カメぱっぱ>ちゅーものが生まれただ。
丸ぁるい頭の上にはお皿が、あっての~ 丸ぁるい目ン玉と、雪だるまの
ような体には、甲羅があってな、ピョコタンと可愛い尻尾もあるそうな・」
「やっぱり、合体したんだ! カメとカッパが」
タロは自分の考えが当たったと、うれしくてしかたがない。
 ハナコも一緒になり喜んでいる。あれ?さっきまで確か二人は対抗意識を
むき出しにしていたようだけど。
 おばばは、嬉しそうに見ていたが、ゆっくりと話しだした。
「カメとカッパで、カメカッパ。それが人づてに呼ばれるうちにカメぱっぱ
になったんだよぉ、守り神が一緒になってしまえば、村人は争う理由なんて
どこにもない。それからは、みんな仲良く暮らしたんだよぉ」
 タロとハナコは、嬉しくてたまらない。おばばの周りを「カメぱっぱ」
「ぱっぱっぱっぱカメぱっぱ」と踊りながら駆け回る。
 目を細めてその様子をみていたおばば、大きな声を出す。
「まだ、じゃあーーー」 無邪気にはしゃいでいた二人、おばばの前に来て
ストンと、腰をおろした。
「・・・・そうは言っても人間は、忘れっぽい。カメぱっぱが、いつでも
いるわけではない、同じ争いごとが繰り返されないとは・・限らない」
「そのあと、カメぱっぱは、どうしたの?」
タロが聞くと、ハナコもうんうんと、うなずいている。
 「そうじゃろう、これを聞かにゃー話は終わらにゃい」
おばばは、」悪戯っ子のように「ふぁーふぁーふぁーーー」と笑う。
 よくわからないが、それにつられて二人も笑う。
「お前たちまで一緒に笑う必要はないにゃー、さぁ、いいか、ここで質問だ
にゃー、カメぱっぱちゃー、なんだ?」
「神様のお使いの・・・・・・」
「カメとカッパが一緒になって・・」要領を得ずに二人とも顔を見つめ合って
いたが、ハナコが声を発した。
 「ねぇ~カメぱっぱは、その後、どこへ行ったの?」
おばば、リンとした声で応える。
「みんなの心の中に」 「エーー?」二人、同時に大声を出した。
 「カメぱっぱは、とても大切な宝じゃよ、宝物は玉手箱の中にしまってある
ものよ・・・・・」静かに言い終わると、おばばは、コックリコックリ、
背中を丸め、居眠りをはじめる。・・・・どこからか、歌声が聞こえてきた。

「♪♪ぱっぱ、ぱっぱ、カメぱっぱ、みんなの心にいる カメぱっぱ♪♪
あらそいごとが、嫌いなカメぱっぱ♪
 口先だけの愛よりも まことの愛を求めよう♪♪
ボクの希望は、ただひとつ、みんなの平和と みんなの笑顔♪
 ぱっぱ、ぱっぱ、カメぱっぱ ♪♪♪」

淡い夕日が、おばばの顏にあたり 静寂さが周りを包んだ、だぁ。



         おしまい





    カメぱっぱ伝説は、東北県や他県からも続々寄せられて
    いるので(?)近日中にまたまた更新します。

                   by PLUTO







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最終更新日  2012/08/11 03:10:39 PM
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