サリンジャーの『ナイン・ストーリーズ (Nine Stories) 』のつづき。「バナナ魚にはもってこいの日(A Perfect Day for Bananafish)」という短篇の主人公・グラース家の長男シーモアのお話は、続編でありながら過去を描いた別の小説『大工よ、屋根の梁を高く上げよ/シーモア-序章』にもでてきます。
・・・というわけで次なる荘子読み。 J.D.サリンジャー(Jerome David Salinger, 1919~2010)であります。言わずと知れたベストセラー『ライ麦畑でつかまえて』の作者です。サリンジャーは、もともとその傾向があったんですが、50年代くらいから、はばかることなく東洋の古典を作中に織り込むようになります。特にグラース家の一連の物語では仏教だけでなく、『老子』『荘子』『列子』も登場します。このうち『シーモア序章』は、物語の背骨の部分に、道家思想と禅仏教の観念が数多く見られます。