東方見雲録

東方見雲録

2022.10.20
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カテゴリ: 科学
ISOP-Sは、亜臨界水処理システムを利用します。亜臨界水処理はほとんどの可燃性一般ごみを処理することができます。高温高圧下で有機物を低分子化します。処理時間が速く、1回が2時間程度で分解されます。この分解物を原料としたメタン発酵システムによるメタンガスの生成量は、単位投入量あたり従来の8倍もの生成が可能です。

多種多様なインプットから一定品質のアウトプットを生成する鍵となる 技術が「亜臨界水処理技術」です。 亜臨界水とは、水の臨界点(374°C、22.1MPa)以下のある温度における、飽和水 蒸気圧以上の圧力下の水のことをいいます。

亜臨界水の特徴は、有機化合物を溶解したり、加水分解したりするなど、水であり ながら通常の水にはない性質をもつことにあります。このような特徴をもつ理由として は、亜臨界水が高いイオン積(Kw = [H+][OH-])を持つことがあげられます。イオン 積とは、純水がどの程度水素イオンH+と水酸化物イオンOH-に解離しているかを示す 尺度で、常圧下での水のイオン積は10-14(mol/kg)2 ですが、温度・圧力が高くなる とイオン積は増大し、250~300°C付近の高温高圧の液体では約1000倍の10-11 (mol/kg)2となります。このときのH+とOH-イオン濃度は室温の水の約30倍となるた め、それ自身が酸やアルカリ触媒の働きをして加水分解反応を促進するというわけで す。 亜臨界水のもつこのような強力な加水分解反応を利用して、多種多様なインプットを ある一定の品質に換える技術が「亜臨界水処理技術」です。別の言い方をすれば、亜臨 界水処理とは、圧力容器内に高温高圧の水蒸気を投入し、処理対象物である可燃ゴミ と撹拌することによって、燃焼することなしに樹脂を含む広範囲の有機物を低分子化 し、さらには、危険度の高い有機塩素化合物や有機リン化合物なども簡易に分解する 技術であるともいえます。




サステイナブルエネルギー開発株式会社 ホームページ ​ こちら

関連記事:「ゴミをエネルギーにする装置」外航船に設置  こちら

アストモスエネルギー向け大型LPG運搬船「LUPINAS PLANET」。こうしたLPG運搬船で実証実験を進める(画像:日本郵船)。

LPG(液化石油ガス)元売り大手のアストモスエネルギーと、同社が出資するベンチャーのサステイナブルエネルギー開発(仙台市青葉区、以下SE社)、日本郵船の3社は2022年10月14日(金)、外航船の船上における有機物の燃料化実証実験について覚書を締結し、オンラインで記者会見を行いました。

 3社は、可燃ゴミなどからバイオ燃料を生成するSE社の技術「ISOPシステム」(以下「ISOP」)を船上に設置します。



 ISOPシステムでエネルギー化できる原料は、生ごみ、紙類、衣類、廃棄食品、有機汚泥、糞尿、ヘドロ、木片、果ては医療廃棄物や「獣」もOK。プラスチック100%の原料は条件によっては大きく凝固することもあるものの、分別なしで投入できるといいます。

 将来的には、こうした身近な資源とCO2から「その場でエネルギーを生成できる世界」を目指しているのだとか。ISOPシステムから、重油や灯油の代替となる合成燃料を作り出すことも視野にあるそうです。

 日本郵船としては、船上で発生するゴミを有効活用できるのがメリット。たとえば、アストモスエネルギーが傭船している大型LPG船では、約45日の1航海で約5000リットルものゴミが発生しているそうです。

 それらは密閉しているものの、甲板に溜め置いているのが現状。「ゴミの引き取りがなかったり、有償だったりする港ばかりの航路だと、ゴミは溜まりがち」(日本郵船)なのだそう。スペースの有効活用や船員の労働環境改善につなげるそうです。

 3社はまず、LPG運搬船の1隻で実証実験を行うなど、2020年代半ばの実装を目指して共同検討を進めていくといいます。





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Last updated  2024.06.23 06:10:16
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