東方見雲録

東方見雲録

2023.09.01
XML
カテゴリ: 文化



ご存じの方も多いと思うが、「梅雨」という言葉は中国から日本に伝わった。

季節に関わる言葉は中国に起源があるものが多い。春分、夏至、秋分、冬至など、一年の暦を24に分ける「二十四節気(にじゅうしせっき)」も紀元前、中国で考え出された概念だ。中国にはほかにも四季に関わるさまざまな概念や表現があり、神話に基づいた次のような属性もある。

春=色は青、方角は東、四神は青龍

夏=色は赤、方角は南、四神は朱雀(すざく)

秋=色は白、方角は西、四神は白虎

冬=色は黒、方角は北、四神は玄武

(四神とは天の方角をつかさどる霊獣)

さらには人生を春夏秋冬になぞらえて、それぞれ「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」と呼んだりもする(玄は黒の意味)。冬に始まり、秋に終わる人生。草木が成長する春が若者たちの季節だ。15~29歳が「青春」とされ、日本では4つのうちこの言葉だけが定着した。

そう考えると、温暖化が進み、穏やかで過ごしやすい春と秋が短くなりつつある日本では、人として成長していく青春も、晩年に人生の実りを楽しむ白秋も失われつつある──と言ったら言いすぎだろうか。



天の川が見えるはずの七夕に雨が多いのも、新暦の7月7日だから。そこに温暖化が追い打ちをかけ、季節感の喪失と違和感は顕著になるばかりだ。

このままでは、日本の魅力も大幅ダウンとなりかねない。四季があるはずの中国からの観光客が日本の四季を楽しみにしているのは、日本ほど風物詩が豊かな国はなかなかないから。春の桜、秋の紅葉、旬の食材......。もしそれらがなくなれば、インバウンドどころではないだろう。

伝統的習慣の再評価とともに、私たちは温暖化対策の加速に本腰を入れなくてはならない。

周 来友

ZHOU LAIYOU

1963年中国浙江省生まれ。87年に来日し、日本で大学院修了。通訳・翻訳の派遣会社を経営する傍ら、ジャーナリスト、タレント、YouTuber(番組名「周来友の人生相談バカ一代」)としても活動。

引用サイト: こちら

関連サイト:narakanko-enjoy.com   こちら





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2023.09.01 07:18:07
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: