お金をかけずにお金を稼ぐ方法

お金をかけずにお金を稼ぐ方法

チャンスは無限!








A chance is infinity! Failure is resulted in a success in piles.

メアリー・ケイ・コスメティックス社 元会長
メアリー・ケイ・アッシュ


 メアリー・ケイ・コスメティックス社には、年収5000万円以上を稼ぐ女性社員が数多くいる。こんな巨額の年収を稼ぐ助成を抱える会社は、世界広しといえども、メアリー・ケイ・コスメティックス社ぐらいのものだろう。

 メアリー・ケイ・アッシュは、1963年に同社を設立するまで、25年間にわたってダイレクト・セールスの仕事をしていた。そしてその間、ナポレオン・ヒル・プログラムを学び、願望設定の威力をまざまざと知らされたのである。その後の彼女の躍進は、目を見はるものがある。
 彼女が自分の会社を設立したのは、二つの夢を実現させたいという願望があったからである。
 まずその一つは、自分自身も含め、他の女性たちに限りないチャンスを与えたいという願い、そして二つ目は、黄金律に従って人間を管理することであった。

 この着想は、どちらも並はずれた成功への足がかりになった。
そこで、メアリー・ケイ・アッシュのサクセスストーリーの中核をなす、リーダーシップの原則をいくつか紹介してみよう。

過去の否定的な経験を肯定的な生き方の糧にする
 彼女がまだ、得意先回りのセールスをしていたころのことである。
当時、彼女がセールス・マネジャーと商談を成立させるべく、自分の担当していた得意先で、商談の順番待ちをしていたときのことだ。三時間待ち、やっと彼女の順番が回ってきたが、先方の担当マネジャーは、彼女の話を聞こうともしないばかりか、彼女の肩ごしに見える長い行列を、無気力な眼差しで眺めているだけだった。

 このような無気力な商談体験を踏まえて、メアリー・ケイ・は、人と向き合って会話をするときの教訓として、「商談相手と話すときは、常に、重要な人間と会話をしているのだということを忘れないようにしよう」と、肝に銘じている。

 そうするための努力は、決して怠らないともいう。
 メアリー・ケイ・のかつての上司は、何年たっても部下に「ミスター」づけで呼ばせていた。しかし、彼女はそんな堅苦しさは全く必要ないという考えに基づき、自分の会社では上司も部下もファーストネームで呼び合うという、リラックスした雰囲気を作り出している。

 彼女は新入社員の一人に対して、
「私のことをミセス・アッシュなんて呼ばれたら、何か私ではないような、変な気がしてしまうから、私のことはメアリー・ケイって呼んでちょうだい」とか、「私が会長なのだと、考えすぎないようにしてもらいたいの。単に親しい友人なのだ、と思ってもらえれば嬉しいんだけれども」
 とも、付け加えている。
 さらに同社では、いつでもオープンドアの会社方針を貫いている。

失敗を重ねて成功に至る
 メアリー・ケイ・コスメティックス社では、「人は失敗を重ねて成功に至る」という社訓が行き渡っている。
 この言葉が生まれた経緯には、メアリー・ケイ自身が最初のビューティ・ショーでの商談で、あまりにも惨めな失敗に終わったことがあり、そのときの教訓が戒めになっているのだ。
 なぜなら、そのショーで彼女は、たった1ドル50セントの商談しか成立させられなかったからである。
 ショーの会場を後にしての帰り道、彼女は車の中で、悔しさのあまりハンドルに突っ伏し、声を張り上げて泣いたという。

 そのとき彼女の頭をよぎったのは、蓄えはすべて新会社設計に注ぎ込んでおり、もはや自分に資金的な余裕はない、ここに至ってとうとう自分の運命も尽きた・・・ということだった。
だが、やがて少しずつ余裕を取り戻した彼女は、商談が失敗した原因を追求してみた結果、あることに思い至った。

 「そうだ、私は商品を買って下さいとは相手に一言も頼まなかったはずだわ。わずか1ドル50セントの商品しか売れなかったのは、自分から積極的に売り込もうとの強い思いが、相手に通じなかったからなんだわ」ということに気がついた彼女は、それ以降、消極的なあきらめの感情を心の中から追い出し、物事に対して常に積極的な対応を心掛けることにしたのである。彼女は、この失敗から貴重な教訓を学んだと言えるだろう。すなわち「失敗を重ねて成功に至った」のである。

人を褒めて成功させる
 メアリー・ケイは、「人を褒めて成功させる」ことを信条としている。
 この信条の底流となっているのは、「人間の長所を限りなく褒める」ことである。これはちょうど、カラカラに干からびた鉢植えに水を注ぐと、やがて植物は生気を取り戻して生き返ることと原理がよく似ている。
 メアリー・ケイ・コスメティックス社のマーケティング担当役員が、社員とその配偶者のために、『あなたに脱帽』というパーティーを開いたことがある。残業をしてまで会社主催の全国大会を準備した社員に対し、感謝の意を表するために開催されたパーティーである。

 そのパーティーには、タイトルに合わせて参加者全員が奇妙な帽子をかぶって参加した。
 担当マネジャーは、スピーチをする代わりに、帽子に手をかけて会釈しながら会場を歩き回った。個人の努力に対して自分がどんなに感謝しているかということを示すために、社員一人ひとりに笑顔で話しかけて、スキンシップを取ることに専念したのである。マネジャーは、社員の素晴らしい仕事ぶりを心から褒めたいがためだったという。

 メアリー・ケイ・コスメティックス社では、美容部員が最初に100ドルの売上をあげると、リボンを贈っているという。メアリー・ケイが、100ドル相当の功を認めて与える40セントの褒美のほうが、40セントしか功を認めないで100ドル相当の褒美を与えるよりも、はるかに効果があるという信念の実践である。
 また、彼女は。『アプローズ』(称賛)という社内誌を発行し、優秀な成績をあげた社員の記事を掲載して表彰している。

 さらに、地域担当ディレクターにも同様のニュースレターの発行を勧めている。
 彼女は、地域担当ディレクターによくこんなことを言っているそうだ。
「社員たちは『アプローズ』に自分の名前が載っていると『アプローズ』はいい社内誌だと思うのですが、逆に掲載されていないと、全くつまらない誌面だと思ってしまうことを、あなたはご存知かしら?」と―。
「褒めただけで人を動かすという手法は、男には通じない」と言う人に対しては、彼女は次のように切り返している。
「軍人の軍服についているあのおびただしい勲章にお気づきかしら?男の人は、名誉を得るためであれば、死をもいとわないものなのよ!」

相手の話を真剣に聞く姿勢
 メアリー・ケイは、あるセールス・マネジャーと、一緒に昼食をとっていたときのことが忘れられない。
 そのセールス・マネジャーは、彼女との会話には全くうわの空で、そばを通る可愛いウエイトレスに気持ちが集中していた。彼の視線はウエイトレスを追い求めて、レストラン中をさまよい続けていたのだそうだ。
 そのマネジャーの態度に、メアリー・ケイは大いに屈辱感を感じたという。
「このマネジャーにとって大切だったのは、私との会話よりもウエイトレスのきれいな足のほうだったの。私の存在なんて興味の対象外だったのね」
 このようないやな経験を踏まえ、彼女は現在、人との会話には、どんなときもしっかり耳を傾けることを心掛けている。
 オフィスに入ってくる人々には、ありったけの注意力を集中し、混雑した部屋で第三者との会話をするときなどは、この部屋には自分たち二人だけしかいないのだという、強い印象を相手に与えることに努めている。

 会話をしているとき、彼女は常に相手の目を見つめ、次のように語りかけるのだそうだ。
「こんな状態では、ゴリラが部屋に入ってきたとしても、多分、私は気がつかないでしょうね」

 メアリー・ケイ・コスメティックス社の全国会議で行われている「あなたの声」というパネル・ディスカッションが、好評を博している。これは、相手の話をじっくり聞くという彼女の姿勢を、如実に表したものだ。
このパネル・ディスカッションは、総務や業務、製造。マーケティング、研究開発など、各部門のトップ役員等で構成されている。

 その構成は、全国から集まったセールス・コンサルタントやディレクターたちのどんな質問にも耳を傾け、どんな質問にも答えている。

逆境にあっても決してなげやりな態度をとらない
 会社を設立して間もないころのメアリー・ケイは、経済状態がひっぱく逼迫し、健康状態にも赤信号が点灯していた。

 しかし、生計を立てるためには、一日三回のスキンケア・パーティーは決して欠かせなかった。
 彼女は、いろんな悩みを抱えていたものの、「笑顔であらゆる場に臨もう」と決心していた。
 彼女は、この不遇な時代に「熱意は自分でかき立てることができるものであり、一時的な逆境の犠牲になる必要はない」ということを学んだのである。

 すべてが順風満帆に進んでいるときであれば、熱意を持続させることは簡単だが、ひとたび逆境にあった場合、その熱意を持続させることは非常に困難なことになる。
しかし、それができるか否かで、本当の意味でのPMA/積極的心構えが試されることにもなるのだ。

 メアリー・ケイは、自社の美容部員に対して、常に次のように語っている。
「熱意が自分の身につくようになるまでは、うわべだけでもいいから、熱意を持って仕事に取り組んでいるように、相手に見せなきゃダメよ」
 彼女の言葉を要約すれば、熱意を持って行動していれば、知らず知らずのうちに、その熱意が自分のものになってくるということである。

心なごむ社内の雰囲気
ある日、一人の男がメアリー・ケイ・コスメティックス社のロビーに入ってきた。 
この男は、誰かに面会を求めてきた様子もなく、ただロビーにふらっと入ってきて、ソファに腰を下ろしたのである。

 この男の行動を不審に思った受付係は、男に近づいていき、「ご用があれば、承りますが・・・」と尋ねた。すると、男は言った。
「いや結構です。実は充電するために、ちょっと、ここに立ち寄らせてもらっただけですから。一日中、商用で会社を歩き回っていると、ときには不愉快な目にあったり、邪険に扱われて気が滅入ったりするんです。そんなとき、この会社に来ると、皆さんが幸せそうな顔をして仕事をしていらしゃるので、今までのイライラした気持ちがいっぺんに吹き飛び、心から気持ちが安らぐんです」

 一息ついて、その男はまた続けた。
「・・・まるで日なたに出て日光浴をしているみたいで、今までの憂鬱がウソみたいにスッキリと晴れ渡り、元気が回復するんですよ。ここの会社に来るとね・・・」
 メアリー・ケイはその話を聞いて、次のように言った。
「まるで日なたに出て日光浴しているみたい・・・ですか。気に入ったわ。これからも出会う人たちからいつまでも、温かい会社のイメージを抱いてもらいたいものだわね」
 1983年、メアリー・ケイ・アッシュはナポレオン・ヒル財団より、ヒル博士の成功ノウハウを活用した偉大な起業家に贈られるナポレオン・ヒル・ゴールドメダル賞を受賞した。







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