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この半年間は仕事が忙しくて、このブログの最後の日記に登場していたエリート商社マンY氏と
遊ぶ暇などどこにもなかったし、それどころかW氏とだってなかなか会えなかった。
W氏は先月の誕生日で75歳になった。75歳!後期高齢者だ。
65歳になったときにはさほどショックでもなさそうだったW氏だが、今回ばかりは違った。
一年ぐらい前から、「俺は来年には“後期高齢者”になるんだぜ~。もう人生も第4コーナーを
曲がったって感じだよなあ」と繰り返し言うようになった。
おそらくこの”後期高齢者”効果なのか、彼は自分のクリニックの院長を長男に譲ることに決めた。
もちろんあらゆる面で「生涯現役」を目指しているW氏は、死ぬまで医師の仕事は
続けたいと言っているが、いずれ自分が診る患者は昔からのかかりつけ患者だけに
絞っていくのだろうと思う。
私のことは最後までずっと診るからね、と言っているが、私より21歳も上なんだから
私の方がW氏の最期を看取ることになるかもしれない。
それからもうひとつ、W氏は医師とは別に会社をもっていて、そちらの社長の座も
別の人に譲ることに決めたという。
徐々に身辺整理を進めている様子は、寂しいというよりもむしろ清々しい感じだ。
私とW氏の関係も10年目に入った。
付き合い始めた当初は「10年後には75歳!そのときまで付き合っているのか…??」と
思っていたが、なんのことはない、まるで夫婦のような安定感でいまだに関係が続いている。
今でも2週間に1度のペースでデートしているが、この1年で変わったことが2つある。
ひとつはメールの頻度が格段に落ちたことだ。
これは私の側の理由なのだが、研究の仕事をしていると、頭の中が切り替わらないことが多い。
職場を離れても、ずっと研究のことを考えていることがしばらくの間あったのだが、
そんなときは、W氏にたわいないメールを書くような気分になれず、以前には必ず1日1通は
長いメールを書いていたのに、今では3~4日に1度の頻度になった。
それでも1通あたりの文字数はかなり多いので、密度としては変わらないと私は思っている。
(W氏はどう思っているかわからないが)
それからもうひとつ変わったことは、シティホテルではなく、いわゆるカップル専用の
ホテルを利用するようになったことだ。
W氏は数十年前のイメージで、そういうホテルはけばけばしく下品なところ、という
ネガティブな印象を持っていたようだったのだが、最近では違うみたいよ、と
あれこれ調べて教えたところ、ここ最近のインバウンド急増のあおりで急騰したホテル料金に
うんざりしていたW氏は私の提案に飛びついてきた。
予約をしなくてよいという手軽さもあるうえ、ホテルによってはとても広くて
バルコニーに露天風呂まであるところもあり、むしろ狭苦しいシティホテルより
いいんじゃないか、とW氏はご満悦の様子。
私にとっても、高いホテルを予約をしていないということで、デートを仕事などで
ドタキャンせざるを得なくなっても、過剰に罪悪感を感じないで済むようになったので
嬉しいことづくめ。
でも、こうして少しずつ少しずつ、お互いの負担が減っていくのに比例して
お互いに対して大切に思う気持ちというか、希少価値のようなものも減っていくような
気がするのだ。
W氏のことは相変わらず好きだし、尊敬もしている。
見た目は相当おじいちゃんになってしまったが、ふとした瞬間に見せる表情は
いまだに若々しく、いろいろな面での好奇心もいまだに旺盛だ。
だけど、なんとなく、何かとても根源的なモノが擦り減ってきているような感覚がぬぐえない。
こんなふうに、W氏との関係がある種のマンネリといっていいような状態に
なっているときに、2人の男性から連絡がきた。
1人は、結婚前に付き合っていたK。
彼は数年に1度ぐらい私に連絡をしてくる。都合が合えば飲みに行って近況報告をする。
10年以上前に1度だけ再び関係を持ったが、あまりに居心地が悪かったので、もうやめた。
最後に会ったのはおそらく3年ぐらい前。そのときKには3人の愛人がいた。
1人目は40代後半でもう10年ぐらいの付き合いで飽きているが別れられない、
2人目は30代半ばで胸が大きく頭が悪いが、その頭の悪さに癒される、
3人目は30代前半で名門大学の大学院まで出ている才女で彼女が本命、と言っていた。
なんで3人も必要なの?やりくりするのが大変でしょうに、と呆れて言ったところ、
それぞれ満足できない部分があって、補い合っているんだ、まるで仕事のように
スケジュールを組んでやりくりしてるから大変だよ、と言っていた。
それを聞いて、ああ、この男と結婚しないで本当に良かったと心から思ったが、
今はどうなっているんだろう?
Kとは今月下旬にご飯を食べに行くことにしたので、3人の愛人とのその後を聞いてみよう。
もう1人の男性は、以前の職場で私の部下だった30代後半のA。
私が転職した後も時折職場の状況を報告してくれる簡単なLINEがきていたが、
今回は仕事の相談がしたいとのことで、今週末に私の職場に来ることになった。
Aはなんとなく母性本能をくすぐるタイプで、しかも頭が切れる。
しかし、父子家庭で育ったせいか、他人に対する思いやりの心もあって、
必要以上に他人を攻撃したりせず、対立してもうまく落としどころを見つける。
5年前、私が以前の職場に転職したばかりのとき、とにかく浮いていて、他の職員たちから
随分批判や悪口も言われていたのだったが、そんなときにまっさきに私の味方を
してくれたのがAだった。
なんであれ、かつて一緒に仕事をした人たちが「会いたい」と言ってくれるのは
とてもありがたいご縁だと思う。
私が数年前に絶縁したパワハラの元上司は、あらゆる場所で喧嘩をし、
追われるようにして転職していたので、昔からの付き合いの人が誰もいない。
私が知っている限りでは、わずかに2人だけ(しかもその2人とも、完全に
元上司を利用することに徹しているのを私は知っている)。
この年齢になると、何よりも大切なのは人間関係だと感じる。
このゴールデンウィーク中も、30年来の付き合いになる学生時代の友人と会い、
ひとしきりいろいろな話で盛り上がった。
何でも話せる同性の友人がいるということのありがたさ、幸せをひしひしと感じる。
もしかしたら、元カレKは「同性の友人」の域に近づいているかもしれないけれど…。