RAFFAEL研究所

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仮面の告白/三島由紀夫


著者名:三島由紀夫
出版社:新潮文庫

最初にコレを読んだのは小学校一年生でした。
僕の両親は共働きで深夜まで働いていたし(自営業なので)兄弟姉妹もいなかったので
とにかく一人で遊ぶコトといったら本を読むくらいしかなかったんですね。
だから字を読むのは早かったと思います。
中でも漢字は大好きでした。
一年生の時にはかなりの漢字を知っていたと思います。
(でも読めるだけで多分書くことは出来なかったんだと思う…苦笑)
漢字はその殆どを週間雑誌で覚えました。
少年ジャンプ、少年マガジン、少年サンデー、少年チャンピオン、少年キング。
この5冊です。少年雑誌のふきだしは全てふりがながふってあるんです。
ウチは自営業と書きましたが、はい、喫茶店でした。
夜になるとスナックとして営業してましたね。VSOPの丸いボトルが沢山並んでいたのをよく覚えています。
幼児が絵本を読むように、僕は週間少年雑誌を読んでました。
だから漢字も読めたんです。
小学校の図書館は暗い校舎の一番隅にありました。
陰気なところで児童の殆どは入ったこともないようなところでした。
僕は根が暗いのと、本が好きだったので、図書館の住人になりました。
放課毎に図書館に行く毎日で、そんな時にこの本を見つけました。
すごく前説が長くなりましたが、
とにかく表紙が全てでした。
「禁色」「金閣寺」「美徳のよろめき」「愛の渇き」「永すぎた春」「宴のあと」
統一されたデザイン、シンプル、オレンジとホワイトのコントラスト。
どれも僕の胸を高鳴らせるには十分過ぎる程でした。
でもやっぱり難しくて、左手に辞書を携えて一文字ずつ根気よく読みました。
漢字だけでなく、純文学特有のやたらと難しい表現にも四苦八苦。
だから漢和辞典と国語辞典の両方が必要でした。
文末にかなりの注釈が附けられていたとはいえ、「揺曳」だとか「払暁」ならまだしも
「関聨」なんて旧字を使われると更に難解で、理解するのに時間が掛かったものだった。
ただ、割と難しい漢字の大部分にはルビがあったのがせめてもの救いで、
それすらないと、国語辞書で調べる前に漢字の読みを調べてからその意味を調べるはめになるからだ。
なんにせよ、僕の本好きの原点のような小説には違いない。
とにかく知らない事を知るのが最も楽しくて仕方なかった時期でした。
感想文というよりこれでは体験談なんですが、
でも、これを読んで以降、好んで読む本の傾向がはっきりしてきたのです。
この仮面の告白、文庫250頁なんですが、2週間くらいかけてずーっと読んでました。
その後何度となく読み、(というか、5年生くらいのときに買った。)
多分コレを読んでいなければ同人誌はやってませんでした。
うん。
今でも年に1,2度は読む本ですね、これだけは。
今夜、また、読もう…

点数はつけるってものではないですね…



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