男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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★ワウ沼 総集編



世界各国には知る人ぞ知る “ワウ沼” という天然の沼があるらしいです。
そして私の住む宮城県にも沼は存在し “チャカポコ沼” として知られております。

そんなワウ沼は抜け出すことが困難な危険な沼であるにも関わらず、神秘的な魅力を秘めており
人の煩悩に語り掛けてくるように呼び寄せられてしまう魔性性があるとのこと。

溺れたら最後、聴覚を頼りに抜け道へと彷徨うしかないが、
あまりの快楽に “Wha-wha” と叫んでしまうとか、しないとか。。。

ということでワウマニアの皆様、ワウってますでしょうか。
数々のワウペダルを試してきた今、所有しているワウを完全なる自己紹介の為にご紹介致します。
あくまで個人的な意見で、レビューも感じたことを書いているだけなのでご了承ください。




​■KATANA SOUND SoulBaby


“FREEDOM CUSTOM GUITAR” と 今は無き “KATANA SOUND” がダッグを組み、
『人間の声帯に近い表現力』を再現すべく開発したSoul Baby。



このサウンドに至るまで試行錯誤を繰り返し、インダクターを手巻き、全てのパーツを厳選してPoint To Point で配線したという、鬼気迫る勢いでこだわりまくったワウペダル。インダクターは理想を追求しオリジナルの手巻きであることから『個体差もお楽しみください』との謳い文句。なんてこった・・・マニア心を分かっていますね(笑) さて、このSoul Baby、ワウ好きの中ではすこぶる評価が高く、コンセプトである表現力の幅も素晴らしいものがあります。持っているのは初期型です。後期は全身ブラックになるので個性的な初期型が見た目では好きです。

個人的に嫌いなワウの特性を先に挙げておくと、ONにしたときの音質が極端に変わってしまうもの。音が痩せたり、耳障りな高域が目立ってしまうワウはどうしても好きになれません。踏み幅に対して効きすぎるのも苦手。 反面、このワウは音質に極端な劣化が無い中で美味しいワウ成分が乗ってくるので、レンジが広がった様にすら感じます。とりわけ音が太く、完全に踏み込んだときも太いまま。痛い高音域も絶妙に丸くされていて自然。可変が滑らかなのでリードトーンで歌うようにワウを使うプレイヤーには重宝するんじゃないかなと思います。またその効き方が絶妙でございます。



内部基板はこんな感じ。配線処理が格好良すぎるだろ! 入力ゲインに関しては内部基板に特徴的なSOUL GAIN(スライダースイッチ)があり、かかり具合を調整出来るようになっていて、ブースターでも踏んだかの様な豪快なサウンドまで簡単に好みを調整出来るというのもナイス。惜しくも電子部品が入手できず品質管理が出来ないことからブランドとしては幕を閉じたKATANA SOUND。個人的にこのワウは傑作の部類に入ると感じています。



​■Shin's Music Freeze Frame WAH


知る人ぞ知るプロ御用達の高品質なエフェクターを生み出す “Shin's Music” の “Freeze Frame WAH” は下記の様な希少な部品をふんだんに用いたヴィンテージワウ。 単にヴィンテージを模しただけではなく、ヴィンテージパーツを使って現在のノウハウ、俺のエッセンスを入れるとこうなる!といったある種の到達点的なワウコンセプト。トゥルーバイパスやLED、電源ジャックなど実用的に進化した30台限定モデルです。

一度、電源部分が壊れてしまい“Shin's Music”で修理しました。説明前ですが “Shin's Music” のエフェクターはどれも素晴らしいです。ヴィンテージ路線であれば個人的には群を抜いていると感じてしまいます。



・60年代後期〜70年代初期のTelefunken BC109Bトランジスタ。
・70年代後期のDucati Polystyrene コンデンサ。
・60年代後期〜70年代初期のMullard Tropicalfish コンデンサ。
・70年代後期のSprague Little Lytic 30D Redtop電解コンデンサ。
・50年代後期〜70年代初期のカーボン抵抗。
・50年代後期〜70年代初期の配線材。
・60年代後期のイングランド製ハンダ。
・Haloレプリカのインダクター
・ヴィンテージピクチャーワウのポッドを再現したICAR Special POT

もはや上記の希少部品だけでも満足度が高いですね。
今は無きヴィンテージパーツをマッチングさせて作るが故に限られた台数しか作れない。
それを手に入れて持っているという所有欲がまず満たされます。



とりわけ音に関してはクリア。ワウを使わなくても踏んだだけで真空管アンプの様な艶が出るので基本ONにしちゃいます。踏み込んだ時の いなたく乾いた感じと適度な倍音が美しい。レスポールで使用して踏み込めば太いままカラっとしたサウンドにもなり、ワウ(常時ON)+ボリューム/トーンという使い方でも使えます。クリーン~クランチでのチャカポコの切れ味も抜群。ヴィンテージ路線ながら高解像度なワウペダルです。其々の好みはありますが “Shin's Music” の音は個人的に大好きで2台持ってます。出音が出音だけにコイツはガシガシ使ってボロくなった感じが似合いそうです。ちなみに気に入っているので無駄に2つ持ってます。



​■Area51/VINTAGE ITALIAN WAH with Buffer


“Area51/VINTAGE ITALIAN WAH with Buffer” この “Area51” というメーカー、個人的に注目しております。とりあえずCDで聞ける格好良いワウサンドに憧れ、ヴィンテージや限定品等ではなく普通に手に入れられるワウの中で悩んでいるならコイツを買っておけ!と感じる万能性。可変域の広さと滑らかな効き。これまでダンロップばかり使ってきた自分にとって初めてこのワウを試した時、音の良さに『美しい』と感じた優秀なワウです。



現行のダンロップやVOXが悪いとは言いませんが、ダンロップ特有の高域の痛さと、VOXでのナチュラル過ぎる効きを比較してもレンジと踏み込みの幅が広く、ジャンル問わず使いやすい。 特徴としては豊かな倍音を踏み幅でコントロールしているような感覚があります。厳選された部品をハンドメイドで組み上げたワウですが、二度と手に入らないヴィンテージパーツを多用しているわけでもないので耐久性も安心できます。



内蔵されているバッファーも質が高く、通すだけで音も良くなります。ファズとの相性も考えて内部トリムで様々な切替調整も出来る親切ぶり。そして作りがめちゃめちゃ丁寧なので、エンジニア達は相当な神経質か完璧主義者なのかと。お値段的にも性能から考えるとコスパが高くお買い得だと思いますのでオススメのワウです。ある意味、汎用性が高いコイツ1つで悩み解決。



​■E.W.S.MOD VOX WAH-WAH V847 MOD


VOXのV847をベースにE.W.S.がNOSパーツやヴィンテージ材を用いてオリジナル仕様にモディファイしたワウペダル。Crybaby MODはたまに出回りますがV847ベースは比較的珍しいかもしれません。VOXは見た目がゴツくて格好良いですね。



標準の個性を残しつつロー/ミドルに厚みを持たせて解像度を上げたMODとのことですが、内部を見ると元の面影はまったくありません。ここまでやってしまうとMODというレベルを超えているような気がします(笑)



とりわけ内部基板が空中配線になっていて『空中配線 格好良ェ!』と試しもせず衝動で買ってみたわけですが普通に良いです。 多くは踏み込んだときに『ワウ入れました~!』とばかりに音が変わってしまうのですが、ギターの原音の残しつつ可変するので自然で耳障りな領域は皆無です。効き方もスムーズでクリーンもリードGOOD。あまり知られておらず中古相場も安いので見かけたら狙いどころです。



​​■Jim Dunlop Crybaby AT95 Akira Takasaki Signature Wah”


“AT95 Akira Takasaki Signature Wah” ワウ界の大御所、ジム・ダンロップから高崎晃氏のシグネチャーワウが登場しました。 ダンロップは多くのアーティストモデルを出しているので好きな受けたギタリストのワウを過去持っていた時期があります。

クライベイビー派生系の高域のキツさが心配でしたが、そこまでではなく良い感じに仕上がってました。 それこそ、初めて買ったワウがクライベイビー95Qでして、ワウの音が欲しいときに自動でONになるオートリターン機構が使えるなと感じていたので、その流れを踏襲した高崎モデルに興味を持ったわけです。95Qは調整機構が多いので耳障りな部分を無くしたりと重宝していましたが、如何せん音の劣化が気になってしまい15年位使って手放しました。



このモデルはファズが内蔵されているわけですが、クリーンに繰り替えられるペダルボードの中では良いのですが、基本的にアンプメインで調整してクランチ寄りで使う自分にとって出荷時のセッティングではモーモー言い過ぎて使いこなせない状態だったので、内部のゲイン調整とワウのQ調整でベストセッティングに整えました。※高崎氏仕様のセッティングでも個人的には使い物になりませんでした(汗) トゥルーバイパスなので心配していた音の劣化も無く、調整することで太い音が出るので心地良いです。高崎氏が好きだってのもありますが面白いペダルだと思います。



​■Jim Dunlop Crybaby 95Q Wah​
自分が初めて手に入れたワウがこのペダル。板バネが仕込まれていてオートでON/OFFが切り替わる機構が採用されていることで使い勝手が良く、Q(ピーク)の調整機構やクリーンブースター内蔵とシンプルながら多機能で使いやすく気に入って10数年使ってました。最終的には繋いだ時の音の劣化とON/OFFの反応が鈍く感じたのが気になってしまい手放しました。ワウとしては実用的ですし音も良いと思います。

​■Jim Dunlop Crybaby EVH-95: Eddie Van Halen Signature Wah​
トゥルーバイパスなので音の劣化も無く、スウィープカーブも滑らか。スイッチもカチッと軽く踏み込むと入るタイプなのも個人的に好きです。ハイゲインでも効きが良く、最後まで手放すのを悩んだのがこのワウ。EVHモデルですが単純にワウとしての評価は高いです。素敵だと思います。

​■Jim Dunlop Crybaby SW95: Slash Signature Wah​
80年代の強烈なディストーションが内蔵されているのが本器。かなりゲインの高いディストーションで熱いサウンドを奏でていましたが、基本的にアンプ主体でドライブを作ることと、歪みペダルは別のものを使いたかったので売却。ワウとしては過激な見た目に反してオーソドックスでナチュラルなクライベイビーの印象でした。9V電池を2つも使うのとAC電源も18Vと高出力なモデル。2in1のセットで考えれば面白いし格好良いんですがワウペダルとしては普通すぎて手放しました。とは言え、汎用性が高く普通こそ実用的ではあったなと今更ながら感じます。

​■Jim Dunlop Crybaby ZW-45:Zakk Wylde Signature Wah​
かつて完全にヘヴィメタルしか弾かなかったときには重宝していました。可変域というか、えげつない効きかたでギョインギョイン言います。半ワウサウンドとはもはや無縁で、ハイゲインだと効きが悪い一般的なワウの効きを良くしてギョインギョイン言わせる為のワウだと思います(笑)クリーンやクランチで“チャカポコ” の様な一般的な使い方だと可変が極端すぎてまるで使えません。優秀なのはONにしたときの音が太く綺麗なのでトレブルブースター的な感じで使うとかなり気持ち良いです。

​■Jim Dunlop Crybaby IK95 “IKEBE 40th Anniversary”
イケベ40周年記念としてダンロップと共同開発して発売した限定モデル。何でも販売店とダンロップ社とのコラボは日本初とのことで凄い快挙です。まぁ私も“限定”に弱い人間でして購入した次第です。見た目のホワイトスパークルと紫色のラバーから知る人から “フリーザ様(ドラゴンボール)” との愛称で呼ばれていますが、確かに戦闘力は530,000くらいありそうです。サイドスイッチでモードを切り替えられるわけですが共に優秀です。各モードごとに調整もできるので一時期メインでした。

​■MXR MC404 DUAL INDUCTOR WAH
コンパクトエフェクター単体でも評価の高いクリーンブースターMXR MC-401と、2つ装着されたFaselインダクターを切り替えられるスイッチも内蔵、更にハードワイヤーバイパスというCustom Audio ElectronicsとCrybabyがダッグを組んで生み出したこだわりの多機能ワウ。選べるファセルはナチュラルなものと刺激的でヌケの良いモノと2種類選ぶことが出来、内部で効きを調整することも出来ます。散々調整しまくってベストセッティングにして使っていたのですが、高域が調整限界を超えても少しキツいので手放しました。1つで色々楽しめるのでコスパも高く楽しいワウです。

​■Shin's Music Delicious Vintage WAH​
このワウペダルは試しただけなのですがとても良いです。踏み込んだ時に原音の太さを維持したままハリを加えたようなカラッとした音が良いです。極端に変わるものではありませんが、踏んだ時に『ん?なんか音にハリが出て良い音!』 程度の自然さ。ワウワウしなくても十分使える音なわけです。この辺のエフェクト臭さが無い調整が Shin's は上手いなと感じます。効きに関してもクリーンからドライブまで痛いところやエグさも無くジューシー。同じヴィンテージ路線の “Freeze Frame WAH” は更に抜けが良く解像度が高印象です。温かさと高域のハリ具合、かかりの力強さはコチラが上かと。余裕あったら欲しいワウです。


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