男の羅生門 ‐ Guitar&Bike Life ‐

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★歪みマニア UOZ PEDAL BOD-01


​​※GuiterMagazineより画像拝借​ ​​

ミュージシャンでありながら有名店のアンプリペア/チューニングなども行う魚頭圭氏が製作する “UOZ PEDAL” はミュージシャンでもある自分が使用する際、既存のペダル(エフェクター)では再現できない領域を求め作ったというのが発祥とのこと。忙しい中で不定期で製作され、少なからずの個体差がある為、通信販売は行わず、直接販売か “Guitar shop Hoochies” 店頭で販売しており、非常に入手困難なペダルです。


■UOZ PEDAL BOD-01


ペダル自体は一般的なパーツとはまったく違う考え方でチョイスし、多くのリペア経験の中から独自に生み出した考え方で仕上げているようです。プロの中でも絶賛される評価・価値共に高いペダルですが、メーカーではなくWEBサイトも持っていない為、比較的レアで知る人ぞ知る存在。コロナ禍以降は稀にWEB直販されるので運よく直接購入できました。※ちなみに販売開始から数分で完売になっていました(驚)




格好良く写真は撮ってみたものの巨大な筐体はどう表現してもケースそのもの。※ある程度研磨されております。​
ほぼほぼデザインされていないペダルが逆に新鮮です(笑) では実際にどんな音を出すのでしょうか?

その正体はギターとアンプで作った音を一切邪魔しない、濁り無きクリアさを持った究極のナチュラルドライブ。元の音像そのままに全方向に倍音を放ち、解像度とレンジを引き上げた様な響きがナチュラルで美しく、エフェクト同士の個性が混ざることもなく、エフェクターの前段/後段共に作動良好。タッチレスポンスが未体験レベルでえげつなく、繋ぐ前よりも反応スピードが速い印象すら持ちます。どんなペダルを繋いでも音が良くなる汎用性。これは・・・オーバードライブともブースターとも、プリアンプとも言える“真のトランスペアレント系”だと言えるんじゃないかなと。

適度なハリと艶、倍音等、音像といった色気がグッと持ち上がってきます。クリーントーンでも更に立体感が出てクリアに変化。
ドライブ(ゲイン)は12時方向以降で少しファズ的な煌びやかさが増してくるので使用するアンプやギターで要微調整。
カットは抜け具合の調整で効きが良く、ノブを1mm動かしただけでリニアに変化するので扱いは玄人向けです。
アンプで “もう少しヌケて欲しい” “音は良いけどゲインが欲しい” という課題に素晴らしい効果を与えてくれます。



内部基板はPOINT TO POINTで仕上げられ、希少なヴィンテージNOSを吟味し、狙った音を生み出す為に使用されています。
1つ1つのパーツがデカくて筐体もデカい。デカさこそ正義! ただならぬオーラだけは感じ取れます。




個性的な作り方としてはワイヤー類を捻って接点に組み付けた後、一度はんだ付けしてから吸い取って必要最小限の量に調整しているようです。
一般的なものとは違い、『はんだ付けしてるのかな?』と感じる程、薄く接着されているのがお分かりいただけるでしょうか?
音の濁りを消す為に接点面積等にもこだわるコダワリと考え方、結果として生まれる音に説得力がありますね。

巨大なサイズに反してゲインのかかり方が絶妙でエフェクト色も無いので単体で個性を出すのは難しく、
既に作り込んだ音に対して調整出来ない領域に踏み込んでレベルを上げるような使い方がベスト。
※語弊が無い表現で言えば単体では比較的地味な部類です。




一方、ファズペダル等を同時に繋ぎブースターとして使用すると “コイツじゃなきゃ出来ねェ!” という絶大な威力を発揮します。
例えば、ローゲインに設定したファズトーンが気に入っているけどゲインが足りず弾きにくい・・という場合にガツンと刺激して
ゲイン/タッチレスポンス/ヌケといった、欲しかった領域(旨味)を引き出す&追加することが可能。
この考え方で言うと真空管アンプにも絶大な効果があります。トランジスタ系はあまり効果が無いかと・・・

上手く使えばファズの太さを維持したままスモーキーでヌケるオーバードライブやディストーションに変貌し、最高のサウンドに仕上がります。




素材を生かして風味を高める “極上の調味料” であることは間違いありません。
料理で言えば濃い味を楽しむことに終わりを告げ、素材の味を活かす為に調味料にこだわる。
そんなところでしょうか。この音は分かる人にしか分からない領域なのでプロ志向だと思います。

玄人向けですが他に無い効果を得られる素晴らしいペダルでした。


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