RED PAPER

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2007年01月29日
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 施政方針演説で安倍首相は,参院選後に,消費税増税を含む税制の「抜本的改革」の議論を本格的に始めることを改めて表明しました。

 政府税調の香西泰・新会長は,辞任に追い込まれた本間前会長の大企業減税の路線を引き継ぎ,「法人税の実効税率について議論する必要がある」と記者会見で述べています。

 安倍内閣は大儲けを上げる大企業には減税の大盤振る舞い,所得を減らしている家計には福祉と税金の負担増という,「逆立ち」した税財政運営を強行しています。


 安倍内閣は,今後5年間の経済財政運営の基本方針を示す「日本経済の進路と戦略」を,1月25日の閣議で決定しました。

 その屋台骨は「『新成長経済』を構築する」ということです。

 「進路と戦略」は,「人口減少」「格差」「厳しい財政」の「3つの課題」をあげ,その解決は「生産性」の大幅上昇による経済成長で「容易になる」としています。

 生産性の上昇とは,簡単に言えば生産効率の引き上げです。その手立てとして「進路と戦略」は「イノベーション」(技術革新)と,生産効率引き上げに奉仕する「経済社会システム」への転換を掲げています。

 イノベーションの中心はIT(情報技術)の活用であり,横文字で新味を出そうとしていますが,この10年来,経済立て直し策として何度も聞かされた話です。本来イノベーションの担い手となるはずの中小企業と地域経済を疲弊させ,企業の「新規開業率」を低下させてきた大企業中心の経済政策を改めることなしに,新たな展望は開けません。

 何より,「進路と戦略」が生産効率を上げるための経済社会システムの第一に掲げているのは労働市場の抜本「改革」であり,「残業代ゼロ制度」「過労死促進法」のホワイトカラー・エグゼンプションです。



 日本経済の最大の弱点である家計所得と消費の低迷に対して「進路と戦略」は全く無策です。福祉の切り捨てと庶民増税を既定路線にしている以上,安倍内閣の「進路」に見えるのは家計の回復どころか一層の冷え込みに他なりません。

 「進路と戦略」が成功パターンとして示す4%成長は世界経済の高成長を前提にしています。想定できるのは,これまでと同じく外国の需要に依存した不安定な経済の姿でしかありません。

 大田弘子経済財政相が1月18日夜のテレビ番組で,安倍内閣の成長戦略によって「増税なき財政再建をめざす」と明言した翌朝,「言葉足らずだった」「消費税増税は否定しない」と撤回しました。「朝令暮改」ならぬ「暮令朝改」です。


 こうした動揺は「逆立ち」税財政と国民との矛盾の深さを示すと同時に,政権そのものが「進路」に自信を持てないでいることの表れです。

 政府の判断では景気「回復」が5年に及ぼうというのに,いまだに需要の60%を占める家計が回復しません。政府・与党は「企業の好業績がいずれ家計にも波及する」と繰り返すだけで,大企業の空前の利益が雇用と賃金の犠牲の上に成り立っていることから目を逸らしています。

 経済と暮らしの持続的発展のために必要なのは,大企業中心の経済政策を改め,「逆立ち」した税財政を暮らし本位に転換することです。






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最終更新日  2007年01月29日 21時50分47秒
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