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恋愛する女性へ５０の質問

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Dec 28, 2005

そんな悔しい気持ちで一人の人間を看取りました。

複雑な気持ちでなんか胸の中がもやもやしている中で
今日の勤務。

２６日。深夜明けでした。
患者さんの状態が一気に悪くなりました。

‘患者さん’って呼んじゃいけないくらい仲良しの患者さん。
入れ歯をはずすとしわくちゃになっちゃうおじいちゃん。
なまりでかわいいおじいちゃん。
コーヒーのことは、コーシー（笑

私を信じて！っていうと、「んだ、信じる。」って笑顔のおじいちゃん。

おじいちゃん？おじさんとおじいちゃんの中間かな？

そんなＳさんが苦しみだしました。

ついに来る時がきたな。

全体の申し送りで、厳しい状態って申し送りました。
けど、家に帰って言い過ぎたかなって思ってました。

言いすぎじゃなかった。

今日行ったときには意識がほとんどなくなって、
寝たきりの状態。

２４日に苦い思いをしているので絶対に辛い思いはさせちゃ
いけないって思いました。

表情もすごく穏やか。

私が話しかけたら、まぶたがぴくぴく動きます。
家族みたいに、
「ｓさん聞こえる？？けんだよ（私はＳさんにこう呼ばれてたんです。）
　辛いのとれてよかったね」

けど、心臓が強くて、きっと私は看取れないなって思ってました。

そんな予想に反してくる時はすぐ来てしまいました。

ずっと８０～９０回／分を保っていた脈拍が
一気に４０回／分へ。

みるみるうちに心停止、呼吸停止。

平成１７年１２月２８日　１時３０分　死亡診定。

今年、越えられなかったね。。。Ｓさん。

昔からの仲良しな患者さんがまた一人減ってしまいました。

エンゼルケアで、Ｓさんは更にきれいになって。
仏様みたいでした。

よく、化学療法で髪が抜けた時にかぶっていた帽子。
素敵ねって言ったら、
「黒田明のぉ、デザインしたぁ、帽子なんだぁ。」って。
Ｓさん、
「黒澤でしょ？黒澤監督のことじゃないの？」
「そんだ、んだ。１万円もしたんだよ。」

なんて会話を繰り返していました。

息子さんに、その帽子の話をちょこっとしたんです。
こんな話をしてたんですよって。

エンゼルケアが終わって、家族の時間。
息子さんが色々話しかけています。
男同士だから面を向かって言えなかったことも多々あったと
思います。
すごい貴重な時間を過ごされて。
霊安室からお迎えがきたので、お部屋に入りました。

・・・

・・・・・・

・・・・・・・・

あのニット帽をかぶっています。

今にも、
「けんさん、おはよ。コーシー持ってきてくれるか？
　うんめーな。コーシーは。」
なんて話しかけてくれそうな、いつものＳさんがそこには
いました。

涙が止まりません。

Ｓさんの笑顔が見れなくなる、

Ｓさんのしわくちゃの顔がみれなくなる、

コーシー飲んで、はぁって言ってるＳさんが見れなくなる。

けど無常には別れのときはやってきました。

シーツに包まれて、Ｓさんは霊安室へ。

真っ赤に目を腫らして、
他の患者さんにどうしたの！？なんて聞かれても、

寝不足で・・・

ちょっと彼と喧嘩しちゃって・・・

とかで笑って次の仕事をしています。
普通じゃ考えられません。
けど、これがこの仕事の試練の場なんですよね。

Ｓさん、辛いよ。

Ｓさんには、本当に癒されました。
いつも怒らず笑顔のＳさんに、私も笑顔で仕事をすることが
できました。ありがとうございました。

お疲れ様でした。

そして、さようなら。

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