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今月も母のお世話になる病院の認知症家族の会の定例会がありました。
「 認知症と食 」
講師
認知症看護認定看護師 : 森 本 早 苗
◆『食べること』の流れ
・ 食べ物を認知する → 認知期
・ 食べ物を口に取り組む → 捕食
・ 食べ物をかんでのみ込みやすくする → 口腔期
・ 食べ物をのどへ送込む → 咽頭期
・ 食べ物が食道を通る → 食道期
◆ 『認知症の方の食の問題』
・ 食べない
・ やせてきた
・ 立ち去ってしまう
・ おかずとごはんを混ぜてしまう
・ 食べるのが早い
・ 一つの皿だけを食べる
・ むせやすくなった。食後に咳が出る
・ 花瓶の花を食べる。トイレットペーパーを食べる
≪ アルツハイマー病の方に対する食事ケア ≫
◆ 初期 『食行動(料理のつまづき)』
初期では実行機能障害、記憶障害、判断力の低下により
買い物や食品の貯蔵管理、さらに鍋こがしや台所の乱雑、味付けの変化がある。
しかし、手続き記憶は維持されているので支援することによって認知症の人にも
料理を継続することが出来る。
◆ 中期 『 食べようとしない 』
食物を食べる対象物として認識できない(失認)
例えば
・ 白い茶碗に白いごはん → 茶碗を色物にしたり、ふりかけをかけたりしてみる
・ 透明のガラスのコップ → プラスチック、陶器など色物のカップにしてみる
・ どのように使ったらいいのか判らない → 使い慣れたものを使用する。
◆ 中期 『 途中で食べるのをやめる 』
注意障害によって食事以外の環境から過剰の刺激によって摂取を中断することが
ある。
・ 静かな環境つくり、好物など 「食べたい」と言う意欲を誘発するのも有効である。
・ ワンプレート式や丼等食器類にも工夫をしてみる。
◆ 『 食べ方のみだれ 』 (レビー小体型認知症も同様)
・ 食具の位置や使い方に混乱している場合や箸がうまく使えないで手で食べたり
することがある。使いやすい食具やテーブルの色柄にも配慮してみる。
・ 後期になると 口腔失行が認められ口を開かない、
いつまでも口腔内に食べ物をふくみ呑み込めない状態となるが
「口を開けてください」 「のみ込んでください」と言葉で伝えても判らない。
頬をトントンと触れてみる、下唇にスプーン等を触れてみる、好きなものを
出してみる。感覚機能を活用した食事ケアも有効である。
嚥下機能の低下により肺炎、窒息に注意。
≪ 血管認知症(VaD)の方に対する食事ケア≫
◆ 『 のみ込みにくい 』 『 食べようとしない 』
・ 障害部位にもよるが認知症の発症時から嚥下障害を伴う事が多い。
・ 記憶障害は記銘と再生に時間がかかり、食事であることを伝えて認知するのに
時間がかかる。 待つことも大切である。
◆ 『 途中で食べるのをやめる 』
・ 麻痺や局所神経症状を伴うことも多く、利き手に麻痺がある場合動作が出来ない。
自助具の工夫など動作支援が必要。
◆ 『 食べ方のみだれ 』
・ 障害の部位によって半側空間無視がある場合注視している方とは反対の
方側半分を残すことがある
・ 食器の位置、向きなどを変える工夫をする。
仕切りなどは視覚探索に繋がるので注意。
≪ レビー小体型認知症(DLB)の方に対する食事ケア ≫
◆ 『 のみ込みにくい 』
・ 錐体外路疾患であるからパーキンソン病同様に嚥下障害が起こる。
・ 不顕性誤嚥(のみ込むタイミングがずれむせる)も起こりやすい。
・ 痰が絡んだり、嚥下に時間がかかったりで食欲の低下が起こる。
◆ 『 食べ方のみだれ 』
・ 調子のいい時、悪い時の状態を踏まえた対応が必要である。
・ お薬などの調整によって摂取量力が改善される場合もあるので
専門医に相談してみましょう。
◆ 『 食のみだれ 』
・ 視空間認知障害
口に運ぶまでの距離や位置関係が判らずうまく食べ物を掴んだりすくえない事で
食べることを止めてしまうことがあるので考慮する必要がある。
◆ 『 食べようとしない 』
・ 幻視などの症状も特徴的で 「虫が入っている」 「何かがみえる」と
訴える事があるが、本人が納得・安心して食事が出来るよう対応する。
◆ 『 途中で食べるのをやめる 』
・ 注意障害(他の雑音や雑事が気になる)やパーキンソンによる摂取の中断
・ 無動・前掲姿勢などのパーキソニズムによる食事への影響を予測することも
重要である。 症状に応じた食事への環境つくりが必要である。
≪ 前頭側頭型認知症(FTD)の方に対する食事ケア ≫
◆ 『 途中で食べるのをやめる 』
ささいな物音でも敏感に反応し、中断・立ち去り行動につながる。
・ 落ち着ける環境つくり、食事中に声をかけない、壁に向かって食べる
テレビをつけない、耳栓をする
・ 手に持って食べられるものをなど食事形態を工夫する
◆ 『 食べ方のみだれ 』
・ 食べ物を次々と口に詰め込む、早食いなどの食行動も特徴である。
サイズの小さいスプーンにして1回の量を少なくする。
窒息しにくい食材・食物形態にする。
・ 繰り返し行動により決まった時間に決まった(同じもの)料理に固執し
決まった場所で食べるという特徴があるので本人の主体的な食行動を
最大限に生かすことが大切である。
・ 自発性の低下
嚥下障害はないが、長時間咀嚼する
視空間認知機能・手続き記憶・運動機能は保たれていることから
その人に適した環境を用意するとともにゆっくりでも最後まで声をかけたり
することで、後期まで自力で摂取可能となる。
以 上
認知症になると 「食べる事を忘れる」
「食べる事」が生きることに繋がる一番大切な事。
色々な工夫をし配慮しながら食事を楽しんでもらえる環境つくりも大切な事。
お話の後、みなさんから色々な質問や相談がありました。
そんな中でやはり、
「黙ってないで、しっかり施設には訴えましょう」と言う事を力を込めて発言されました。
聞いて貰えない事が多々あるが、それでも言い続けるのですと。
「言い続ける」 なかなか難しいです。
認知症家族の会 定例会 January 25, 2014 コメント(4)
認知症 家族の会 8月定例会 August 25, 2012