未音亭日記

未音亭日記

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

未音亭

未音亭

カレンダー

お気に入りブログ

まだ登録されていません

コメント新着

エガル@ Re:アレグリのミゼレーレはト短調?(05/09) High-Cは1880年にグローブ音楽辞典のアレ…
背番号のないエースG @ Re:関東大震災(03/17) 「福田村事件」に、上記の内容について記…
未音亭 @ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) tekutekuさんへ これまた情報ありがとうご…
tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…

フリーページ

2025年11月16日
XML
カテゴリ: 音楽
こちら )。アインシュタインは「死とは何か、それはモーツァルトが聴けなくなること」という名言(?)を残したほどの音楽好きで、アマチュアヴァイオリニストでもありました。(友人でピアニストのアルトゥール・シュナーベルは、一緒にモーツァルトを弾いている間頻繁に拍を間違えるアインシュタインに呆れて「君は数も数えられないのかね」とからかったとか。「天は二物を与えず」で、音楽でも天才とはいかなかったようですが…)件の楽器は、彼がナチスの迫害を恐れて米国に逃れる直前に、友人の物理学者マックス・フォン・ラウエに託したものだったそうです。

ところで、アインシュタインに限らず物理屋さんには音楽好きが多い、というあまり根拠のないウワサもありますが、かのアイザック・ニュートン(1643-1727)はどうやら音楽を解さなかったようです。

ニュートンといえば、若い頃にペストの流行を避けて疎開していた田舎でりんごが木から落ちるのを見て万有引力の法則に思い至った、というエピソードでよく知られる物理学者。(日本では科学雑誌の名前にもなっています。)彼の生年を見ると、音楽の世界ではジャン=バティスト・リュリ(1632-1687)、ブクステフーデ(1637-1707)、あるいはヘンリー・パーセル(1659-1695)といった前期バロック時代の音楽家たちに近い感じですが、享年84歳と当時としては例外的に長命だったせいで、我々がよく知るヘンデルの英国時代(1712年〜)とも15年近くのオーバーラップがあります。

ニュートンは人生の後半に英国政治と関わるようになり、1696年からは王立造幣局長官の職を勤めるようになります。在職中は贋金作りを摘発するのに手腕を発揮したりする一方、ちょうどヘンデルが英国に現れた1710年ころから過熱し始めた株式投資に手を出し、最後には大損を被っています(これがのちに 「南海泡沫事件」 と呼ばれるようになる1720年ごろのバブル崩壊)。その際、ニュートンは「私は天体の動きは計算できるが、人々の狂った行動は計算できない」と言ったとか。

一方、ヘンデルの方は、この投資ブームに乗って一儲けしたようで、これを元手に彼を支持する貴族たちと1719年にオペラ運営会社「王室音楽アカデミー」を設立、その芸術部門の中心人物として活躍するようになります。ここから生まれたのが「ラダミスト」、「ジューリオ・チェザーレ」、「ロデリンダ」といった作品の数々でした。

ではニュートンが彼の音楽をどう見ていたか?最近聴く機会があったコルティによる ヘンデルのハープシコード組曲集CD のライナーノートにその様子を伝える記事がありましたので、引用すると以下のようになります。
ヘンデルの即興演奏と作曲の才能を誰もが驚異的だと思たわけではない。作曲家の友人ジェームズ・ハリスのノート(1743年4月21日付)によると:
 「著名なアイザック・ニュートン卿は、ヘンデルがチェンバロを演奏するのを聞いて、彼の指の弾力性以外に特筆すべき点を見出せなかった。...かくして、人間、たとえ最も偉大な者でさえも(俗に言うように)自分の本領から外れると、必然的にこのような事態が生じるのである。... 存在するものと存在しないものを区別する知性において、彼に勝る者はいなかった。しかし存在するものの中で、何が公正で美しく優雅で洗練され、何がその反対であるかについて…彼は全く理解していなかったと想像せざるを得ない。
 老いたニュートンはヘンデルのオペラの魅力にも同様に無関心だった。1720年4月18日、新設された王立音楽アカデミーのためのヘンデル初の新作オペラ『ラダミスト』のリハーサルがあると告げられた偉大な科学者は、考古学者ウィリアム・スタックリーにこう語った。「オペラは一度しか観たことがない。第一幕は楽しんだが、第二幕で忍耐が尽き、第三幕では逃げ出した」。
同じ「天は二物を与えず」でも、こちらは音楽への関心が薄い、とうレベルの話だったようで、これには亭主も意外の感を強くしました。

(ちなみに、ニュートンが導き出した「万有引力の法則」、実は経験則以上のものではなく、そこで仮定されている「2つの物体が何もない真空を介して力を及ぼしあう」などという考えは、いわば「念力」にも似て怪しげなもの。もし彼が今の世にこんな論文を書いて専門雑誌に投稿しても却下されたでしょう。このような怪しげな仮定をしなくても万有引力を理解できるようにしてくれたのが、他でもないアインシュタインの一般相対性理論なのでした。)






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2025年11月16日 20時09分13秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: