六都ガーデン

六都ガーデン

造園技能士3級試験

なぜ造園技能士試験を
狙おうとしたのか

2003年2月

園芸は子供の頃からの趣味で、この歳(55才)までに草花園芸、家庭菜園、盆栽とやってきました。定年退職まであと数年となり、そろそろ集大成を行いたい希望が湧いてきました。昨今、多くの会社は早期希望退職を募るようになってきております。六都が勤める会社もその制度を検討中です。そこで家々の庭に植栽される樹木のほか、街路や公園に植栽される樹木も勉強して、園芸知識を造園という観点から総合化し、次ぎの人生への準備としたいと思ったことが発火点です。

インターネットで調べたところ<造園技能士3級取得コース>が、日本園芸協会にあると分かり、2003年2月に申込みました。以下は、その勉強の足跡です。

受験の資格について
    造園技能士3級の受験資格は、専門の学校を卒業する見込みがある者あるいは造園の仕事に1年以上就いた者とされております。事務職一辺倒だった方が定年後に、この資格を取ろうとするならば、各都道府県の技術専門学校へ半年ほど通うなりして情報を得ることがいいでしょう。私の場合は、現在の会社へ入る前に、3年ほどコンクリート練り、ブロック積み、植栽などを経験しております。

学科試験対策
    日本園芸協会さんの話しでは、最近、3級範囲にどんどん2級課題が入ってきているとのことです。学科試験の勉強でボリュームが大きく感じられたのは、その2級課題であるレンガ・石積み、ペンキ塗り、クレーン、玉掛けの範囲でした。庭園史や植物や石の種類は覚えるだけですが、 作業は、それが目に浮かばないと 、言葉が記号のままで頭に入りません。図書館から本を借りたり、本屋さんで専門書を読んだり、インターネット検索したりして、作業風景が想像できるようにしました。

    日本園芸協会さんから送られてきたテキストから、7冊のメモ帳へエッセンスを書き写し、通勤の行きかえりの電車で殆ど毎日読み返して覚えました。

    学科テストは理屈ではなく、暗記することだらけです。ゴロ合わせを発明するより仕方ありません。以下は私なりの方法です。

    また自分自身の好奇心を緊張させて高めるために、東京地区の庭園巡りをしました。以下はその庭園リストです。インターネット上の皆さんが作成したページにリンクしております。

    日本園芸協会の通信教育の添削指導は6回で、提出サイクルは以下の通りでした。暗記ですので、記憶のピークを試験日に持ってゆくようにしました。

    • 2003年3月3日
    • 2003年3月24日
    • 2003年4月28日
    • 2003年6月2日
    • 2003年7月3日
    • 2003年7月21日

要素試験対策
    要素試験とは、樹木の枝葉(約30cm)のものがフラスコやビール瓶に入っていて、それが何の樹木があてるもの。3級は60種類で、2級ですと120種類弱。試験の実際は、3級ですと10樹木が提示されて30秒毎のホイッスルで移動しながら、試験用紙に記入して行きます。私の勉強は、学科試験対策用のメモ帳に書いた樹木や、60種類の樹木をメモ帳化しておき、それがどこに行けば見られたか、記入するとともに、特徴を書きました。

    私は東京にいますので、以下の公園等へゆきました。
    • 小石川植物園
    • 東京大学田無演習林
    • 神代植物公園
    • 中野区役所周辺

      トベラの葉トベラの葉です。

    インターネットからはグリーンアドベンチャー(樹木名の札が隠されている)できる近くの公園を検索し、一と月に1回は樹木研究時間を取りました。試験まで時間がある間は、2級・1級範囲までの樹木も見ていましたが、試験直前では日本園芸協会さんの 要素試験対策本 をしっかりと復習しました。
    また、次ぎのインターネットページは大変便利な思いをしました。

技能試験対策
    一番苦労したのは、当然この技能試験。先ず、道具名で分からないのが<こうがい板>でした。市販されていると思い、ホームセンターを3~4店舗回りましたがありません。店員さんに聞いても分かりませんでした。しかし自宅に帰って教本を読むと、この道具は自作することと書いてありました。ここで教本は隅々まで読むことを学びました。

    その <こうがい板> の写真は、以下のURLをクリックして見て下さい。園芸装飾士試験の道具の写真がページの下の方にありますが、<森グリーンハウス>と書かれた板が<こうがい板>です。
    園芸装飾士の技能検定

    道具と言えば、 <遣り方> を作るには <竹串> を作れば良いと書いてありますが、技能試験の道具持参表には <ピンポール> も可と書いてあります。これは一体何だと思い、やはりホームセンターへ行くと、店の方は誰も分からない。DIY本にどうも記載されていないようでした。結局、インターネットで調べ通販で買うことになりましたが、送料が高くて弱りました。本数は、60cm程度のもの4本と100cmもの2本がいいです。 60cmもの4本で、四つ目垣の遣り方を一度に作る と時間の節約になります。100cmものは柱の穴の上に置き、コンベックス(巻尺)を使って底までの深さを図ります。


    次ぎに 竹材店 探しです。私はまだ自動車免許を持っていません。そこで近所の店を探すことになります。また竹を半分の長さにしてもらい、自転車に括りつけて運ぶため、自動車道路ではなく生活者道路が、その店に通じている必要があります。この道がある竹材店探しが大変でした。

    自転車活躍する自転車

    一番最初にしたことは、 自宅の狭い庭と言えないスペースに、シュロ縄結束練習台となる簡易四つ目垣の作成です。この時は練習用なので、塩化ビニールで出来た竹を使いました。本格的な練習を始める前に、シュロ縄の結束練習を毎土曜日、日曜日に行いました。指の皮がはがれて痛い思いもしました。また、休み明けは会社なので、シュロ縄の墨が指先に残っていて、気付かれないか心配もしました。

    シュロ縄の結束の仕方は自習でしたが、 都立農芸高校で市民講座『小庭園づくり』教室 があり、応募したところ出席ができましたので、緑地環境科の先生にもう一度確かめてもらうことができました。

    翌2004年6月28日。佐賀県教育センター内にこんなインターネットのページを見つけました。
    三級実技のポイント
    また結び方のページはここにもありました。
    綾十字いぼ結び

    庭を借りる

    3級課題3級課題(園芸協会さんのページから)

    さて練習です。自宅の庭にはスペースがない。ふと気付くと私の裏のお宅は、大工さんで独身さん。引っ越してきて1年経つが、庭には何もありません。そう言えば、引っ越ししてきた時、大工道具は全て建物の中に入れておりました。大工道具は錆たら駄目ですからね。早速、庭を借りるべく相談すると、使っていいとのこと。大変あり難い話しです。総合練習4回目には、また別のお宅の庭を借りることができました。こちらは、元農家さんなので広く使えました。

    総合練習は4回行いました。どの回も後で見ると反省点が多くて困りました。完全を目指すことは、相当大変なことです。しかし4回目には、時間配分の目安がたち、どこを注意すればいいのか分かってきました。また、チリを出す。つまりレンガや敷石がグランド・レベルからの高さが綺麗に出ていて、出来あがりが整理整頓されてスッキリしていることが大切です。

    総合リハーサル
    • 1回目--->5月24日
    • 2回目--->6月17日
    • 3回目--->7月5日
    • 4回目--->7月19日

    試験4日前(7月27日)の最終の練習でのチェックは、遣り方で竹串を使うか、ピンポールを使うか判断することでした。ピンポールに水糸を括り付け、ピーンと緊張した状態を作り出せるか練習をしました。最終的に、ピンポールを使って作業するようにしました。

    軍手

    軍手 。日本園芸協会から送られてきたビデオを見ると、最初から最後まで軍手をはめて作業していましたが、この真似は大変です。何しろ真夏・炎天下の試験ですので、 私はレンガ敷きと敷石作業の時にだけ使うようにしました。 シュロ縄を軍手をはめたまま作業するほど上達しておりませんので・・・。このようにすると、汗で軍手がグッショリして作業にならないという心配はなくなります。次ぎの上級試験でも、使う工程を限定する積もりです。

    もう一つ、ビデオと違う方法としては、胴縁の取りつけを行う時、シュロ縄で片方を押さえておくのではなく、 長い釘を軽く打ちつけて竹をおくと便利です 。シュロ縄作業は1回の連続した作業にすることで、手数が減ります。

    ここがポイント
    胴縁の竹の取りつけで、四つ目キリなり電気ドリルなりを使って、釘の案内穴をあけるが、竹が太いので反対側まで充分に空かないことが多い。それを知らないで、釘で柱へ打ちつけると、竹が割れてしまいます。
    必ず裏も見て、充分な大きさが確保されたか確認して下さい。小さな場合は、その 反対側の穴にもう一度キリで揉むことが必要です。 これはどの実技の解説本にも記載がありません。

    ちなみにヘルメットですが、
    ヘルメット
    私は電気工事用で濃い緑色にしました。 これに小さなツバ付け用(黄色)のペンシルホルダーをつけると格好がいいです。
    このヘルメットの下に、 暑さ対策用のグッズ を付けることができるのですが、どうも高いようです。
    技能試験会場へ向う ・・・2003年7月31日
    まだ自動車運転免許を持たない私は、どう会場へ向ったかと言うと、手押しというか、手で引くというかホームセンターで買ったキャリアに道具を乗せることにしました。小さなホウキは、すんなり収まりませんでした。長い道具のスコップ・突き棒・ピンポールは、布製のガムテープでまとめました。この長いものを肩に担ぎ、キャリアをゴロゴロ引いて、メインの道路まで出ました。まるで 弁慶 のような格好でタクシーを待つことになりました。どうです?皆さん出来ますか?
    弁慶の図
    第17回 弁慶祭り実行委員会公式ホームページのポスターコンクールにある 玉井柚衣さんの絵です。





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