放浪の達人ブログ

体験の旅

    【体験の旅】

11月の満月の夜にタイのチェンマイで行われるロイクラトン祭りに行ってきた。
ロイクラトンは日本でいう精霊流しのようなものだ。
静かな裏通りを歩いて行くと川に突き当たり、その川辺のゲストハウスに泊まった。
全6室の小さな宿には芝生の庭があってビーチチェアーが置かれている。
そこに座って目の前の川を眺めることが出来る絶好のロケーションだ。
お値段は1泊朝食付き2人で3千円。1人3千円ではなく2人で3千円なのだ。
もちろん個室でダブルベッド、トイレ、ホットシャワー付き。
ビーチチェアーを日陰に移動させて鳥の声を聞きながら昼寝をした。
そのまどろみは究極の贅沢である。時々小さな観光遊覧船が川を渡って行く。

夜になって夫婦でクラトン流しに参加した。1つ60円のクラトンを露店で購入。
花で飾られたクラトンに線香とロウソクを灯して川に流す。
信仰深いタイの人達は流す前にお祈りをする。
その様子はアジア共通なのだろう、俺はタイにいながらインドのガンジスを思い出した。

翌日はレンタバイクを借りてチェンマイ郊外のコテージに向けて出発。
タイでレンタバイクを走らせるには国際免許が必要である。
しかもあちらのバイクは125ccとかなので日本の自動2輪可の国際免許が必要。
自動車限定の普通免許だけ持っていて国際免許を取得しても無免許扱いとなる。
タイの警察もそれを知っていて外国人がバイクで走っていると停めるらしい。
ネットでは「至る所で検問がありチェンマイをバイクで抜け出すのはほぼ不可能」とある。
もし捕まったら日本円で600円の罰金だ。2回捕まっても1回目の違反切符を見せれば免除。
捕まっても日本の免許履歴にキズは付かない。日本で国際免許を取得するには2,400円の費用だ。
日本の警察様には申し訳ないが俺は無免許のままでバイクを借りた。
てか、バイク借りる時に国際免許証の提示とか何にもねえし。
パスポート見せて後で戻って来る保証金数千円を預けて1日600円で借りれる。
俺はここ3年間そうやって現地でバイク借りてるが1度も捕まったことない。
今年もノーヘルで3人乗りもしたけど問題なし。自己責任ってやつですわ。
1時間ほど走って去年も泊まったコテージに到着し、夜はコムローイ祭りに向かった。
日本でもテレビで紹介して有名になったランタンを空に飛ばす祭りだ。
去年は国王の逝去のため花火が自粛されていたようだが今年はものすごかった。
約4千個のランタンが合図と共に一斉に空に向かって放たれ、同時に凄い数の花火。
もう圧巻の光の祭典、幻想的でありながら大歓声の祭りだった。

2連泊したコテージは広大な敷地の中に離れコテージが4つあるだけの優雅さで
朝食はタイ料理、ディナーはタイ風しゃぶしゃぶ、コーヒー紅茶飲み放題、
敷地のテラス前に池があってその向こうの山から朝陽が昇る絶景スポット。
でもお高いんでしょって?こちらも2人で3千円、2食込みだ。
こんなん全然利益取れねえだろ、って料理の質とサービスだ。
日本人どころか外国人も来ない田舎のコテージで、近くのお店では英語も通じない。
安食堂でご飯を食べようもメニューはタイ表記のみ、そして激安ローカル価格だ。
飾られていないタイ、言い換えれば本当のタイ。そんなロケーションだ。

俺達夫婦は今年で結婚30周年である。ええ歳してアジアで無免許でバイク乗ったり
チェンマイの山奥で滝登りをしたり裏通りの安宿に泊まったりして今でもバックパッカーだ。
高級車や高級バッグなどの物欲よりも「体験する旅」が大好きだ。
読者の皆さんも国内外問わず「体験する旅」に出てみようよ。
「連れてってくれるツアー旅行」とは違った楽しさがあるよ。


© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: