放浪の達人ブログ

新元号とロック

     【新元号とロック】

新元号「令和」が先日発表されたがまだ馴染めないので違和感がある。
世論では「安・栄・永」が付く元号になるのではないか?と言われていたが
全く予想外の令和元号になって何かしっくり来ない感じなのである。
「安心が倍になるように」と新元号が「安倍」になると賭けてた人もいたが
いくらなんでもそりゃねえだろ。(笑)

思い起こせば昭和から平成に元号が変わった深夜0時、
俺は仲間との会合で名古屋市から車で帰宅途中だった。
深夜の11時50分頃、その瞬間をなぜだか体験したくなりカーラジオを聴いた。
ラジオアナウンサーがしんみりしたトーンで町の様子を実況しておった。
「間もなく終わる昭和を惜しむかのように歩く人達の姿は寂しそうです」
そしてわずか10分後の0時の時報と共に同じアナウンサーが喋るには
「新しく迎えた平成、街を歩く人達は晴れ晴れしい表情です」
そんなアホな。アナウンサー業というのも無理矢理だなあ。
さて、そんな平成も間もなく終わって新元号到来である。
その瞬間、またアナウンサーはそんな感じの実況をするんだろうか。

それにしても平成はアッという間に終わってしまった気がするなあ。
俺の車は現在走行距離が18万キロを超えたのでそろそろ乗り換えようかと
中古車を探しているのだが、平成5年ぐらいの中古車を見ると
「お、平成5年か、まだまだ新しいじゃん」と思っちゃうんだが、
計算してみると25年落ちという事実に出くわし衝撃を受ける。
この感覚は若い人達には理解できないだろうが、俺のようなおっさん達は
激しく同意してくれるのではないだろうか?

たとえばロック好きのオヤジ達、いわゆるビートルズ世代という60代や
その世代ではないがロック好きオヤジというのは1960年代、70年代こそが
ロック全盛期であって80年代以降のロックは商業音楽だ、みたいに思っている。
50代の俺もローリング・ストーンズの1981年発表の「Start me up」が
クラッシックロックなんぞというチャンネルで流れていると
「こんな新しい曲がクラッシックロックだって?」と思っちゃうんだが
考えてみると38年前の曲なわけだから古い曲というのも頷ける。
世の中のロックオヤジは1980年代以降の音楽をロックだと思っていない。
アレはもはやロックというジャンルに入れた「ポップス」なのである。
キーボードやシンセサイザーを使った音楽はプログレを除いては却下なのだ。
1960年代初頭にボブディランがエレキギターを使ってブーイングを浴びた、
その当時と同じお堅い考えを俺を含めた中年ロックオヤジは持っているのである。

昭和こそ本物のロックがあった時代、平成のロックはロックなんかじゃねえ、
そんなお堅い考えを持ったロックオヤジは新しい世代の音楽には耳を傾けず、
1960年代70年代のロック再発盤リマスターなんぞを聴きながら、
或いは当時のロックスターがヨボヨボになりながらも過去の栄光にすがりながら
往年のヒットソングを歌うライヴに懐かしの涙を流すために会場に足を運ぶ。

令和だなんて何か馴染めないよね、なんて言ってる若い人達、
おめえらも今に中高年の気持ちが分かるようになるぜ。
平成の歌って良かったよね、令和になってからの歌って聴こうと思わないもん、
そう感じるようになったらオッサン・オバサンに近づいたってことだ。


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