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私:
横浜は曇りがちで昼過ぎからちょこちょこ小雨があったね。
午前中、家族と逗子海岸のほうにドライブしてきたよ。
途中、無料のお屠蘇と甘酒を飲んできた。
ところで、君は 「 踏み絵 」を知っているだろうね。
A氏
:新年早々、知的街道に踏み出したかね。
もちろん、徳川幕府の最初の頃のキリスト教禁止に対して、信仰していた人を暴くために用いた方法だね。
キリストかマリアの絵を踏ませる。
踏むのを拒むと信者として処罰される。
日本史の常識だよ。
私:
ところで、信者であったが、踏まない人はどうなったと思うね。
踏み絵を踏まないと信者ということで、ものすごい拷問で仲間を聞かれる。
最後は改宗しない限り命はない。
A氏 :殉教者の記録はあるようだが、逆に、そういう人のことはあまり聞かないね。
私
:遠藤周作氏はそれに焦点を合わせて「 沈黙
」という小説を書いたという。
この講演集でそう言っている。
凡人は死まで覚悟して信仰を明らかにすることはないだろうという見方だね。
A氏
:遠藤周作氏と言えば、クリスチャンで高名な小説家だね。
1996年に73才で亡くなっている。
私: 俺が聞いた講演のCDは、1990年のものだ。
A氏 :ところでその踏み絵を踏んだ人たちはどうなったの?
私:
信仰を本当に捨てたのではない。
隠れキリシタンとなり、 明治の禁止令解除
まで続く。
ところが、それらの隠れキリシタンを調べると、聖母マリア信仰が中心だというね。
もとのキリスト教と基礎が違っているんだね。
A氏 :日本は文化的に母性的なものが中心なせいかね。
私:
遠藤氏は、 キリスト教のような 一神教
は父親的で、論理的、権威的であるというね。
文明と違い、 文化は意識下にある考えだから、キリスト教はストレートには日本人になじまず、変化していたんだね。
フランシスコ・ザビエルが布教に来たとき、 神をゴッド
と言わず、 ゼウス
と言ったそうだが、その音から、これを日本人の多くの信者は 大日如来
と聞き違えたという。
戦国時代にキリシタン信者は60万と言われるが、現在、日本では洗礼を受けたキリスト教信者は100万くらいと言う。
だから、 人口比で考えると戦国時代にいかに急速に広まったかがわかる。
しかし、そのキリスト教は、かなり日本化したものであったようだね。
A氏 :キリシタン大名で有名な 高山左近 がいるね。
私: 彼が残した書は、 贖罪 などキリスト教の本質的なことはふれておらず、 世の無常 のような仏教的な内容であるという。
遠藤氏は、日本文化は女性的なもので、 戦争で兵隊が死んでいくとき、天皇陛下バンザイでなく、無意識のうちにお母さんと言って死んでいったと言う。
日本文化は父性的でなく、母性的なようだね。
遠藤氏は、日本でキリスト教が意外に普及しなかったのは、布教するほうでこの日本文化のDNAを意識しなかったせいだといっているね。
しかし、欧米も次第に日本文化を理解するようになっていると遠藤氏は言っている。
A氏:日本文化の根底はわれわれが意識していないが、風土、食、習慣など、日常生活上、奥深いんだね。
私 :NHKの紅白歌合戦の後に、各地に残っている古い行事を残すことが重要だとその紹介をやっていたね。
眠くて途中までしか見なかったけれど。 今後もそういう特集を期待したいね。
「ポスト戦後社会」吉見俊哉著・シリーズ… 2009.09.01
「イスラムの怒り」内藤正典著・集英社新… 2009.08.24