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私
約300頁の大著
だが、両国の問題を 経済
だけでなく、 政治や近代史
を含めてよくまとめているから、現在の インド
と 中国
を知るには手ごろの本だね。
特に俺は インド
には詳しくなかったが、この本は 両国を比較
しているので分かりやすいね。
著者は女性ジャーナリストであるだけに、数字とともに、具体例が多いね。
それに日本訳がいいのか、原文 がいいのか
、実に文章が読みやすかったね。
原書の題名が The Elephant and the Dragon
とあるから、「 象と龍
」だが、日本訳の題名は意訳で「 インド
」が「 象
」で、「 中国
」が「 龍
」なのかね。
A氏 :中国に比較するとインドは経済成長が遅れているのではないの?
私
:そうだね。
第2次大戦後の両国の国内の動きが関係
していて興味があるね。
1949年
、 中華人民共和国
が生まれる。
1955年
、 毛沢東は農業の集団化
を行い、 1958年に大躍進政策
を行う。
これが失敗し、 1959年から62年までに3千万人ないし4千万人の人民が餓死
する。
これに対して 毛沢東に反対する勢力を粛正するため、1966年に文化大革命
を始める。
1976年に毛沢東が死去
してから、激しい権力闘争の後、 とう小兵
が中国の指導者となり、毛沢東が禁止していた農業改革を彼は推進
する。
農業の市場化
だね。
これにより、 農村部の収入は改善
される。
A氏 : 工業近代化の前に、国内の農業改革 があったんだね。
私
: 中国の近代化モデルはシンガポール
だね。
シンガポールも一種の独裁国家で近代化を成功した国
だから、モデルにしやすい。
とう小兵
は 1978年
に シンガポール
に行く。
そして、ソ連のゴルバチョフのような急速な自由化でなく、 慎重に近代化
を進める。
部分的に 外国企業を誘致
する。
A氏 : 経済特区 だね。
私:
そのために、 空港、港湾、高速道路、一般道、電力、水、住宅などのインフラ整備
を進める。
経済特区の成功
により次第に特区の数を拡大する。
今の 中国
は、 このインフラ整備をバックに工業国に変身
している。
農産物を含め、「 物つくり
」には、 流通の近代化が不可欠
だし、流通には 整備された道路が必要
だね。
ところが インド
はこれが著しく遅れている。
インドの空港はボロボロ、道路はガタガタ。
A氏
:だから、 インド
は工業よりも、 ソフトの仕事が成長
しているんだね。
ソフトだと回線だけで全世界とつながる。
インドは英語ができるということと、数学に強いというソフトインフラ
があったんだね。
私
:しかし、 インド全体では識字率は低い。
一部の大学卒にしかできないね。
しかし、もともと、 人口が多いので絶対数では先進国のソフトの仕事を十分こなす能力
はある。
しかし、 インドの貧困を解決するには、その膨大な労働力を工業にも向ける必要があり、そのためのインフラ整備が必要
だという。
今、 インドは中国の成功に驚いて、中国をモデル
にしつつある。
A氏
:しかし、 インド
は第2次大戦後に独立したが、 選挙でトップを選ぶ民主主義国家だ
。
その点が大きく中国と異なるね。
私
:民主主義は、いろいろな人の意見を調整して決めるので時間がかかる。
インド
はトップの暗殺が多いのも痛いね。
しかし、 21世紀は、アメリカ、中国、インドの三大国が世界を制する
とこの本では言っているね。
そして、 アメリカ
は今のままだと、 低賃金、膨大な人口の中国、インドに追われて没落
するという。
この本の最後の章は、 そのアメリカ人向けの警告と励まし
だね。
アメリカは戦争で外に気をとられているうちに、国内問題を真剣に考えなくなったという。
中国
、 インド
に対して、 アメリカで今後、最も重要な対応策は「教育」充実だという。
中国、インドに負けない革新的な技術なりを創造する力が必要
で、それは「 教育
」だと言い、 アメリカは伝統的に創造性を重んずる文化を持っているから、それを生かせば、21世紀も大国として生き延びるだろうとして楽観的
だ。
日本も同じ問題を抱えているが、 そういう世界の動向をにらんだ戦略的な
「 教育
」
となっているだろうかね。
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