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私
:この本は古い本だが、「 マイ・ドリーム、バラク・オバマ自伝
」、「 大統領はカネで買えるか?・50000億円米大統領選ビジネスの全貌
」、「 中傷と陰謀・アメリカ大統領選狂騒史
」と続いた アメリカ大統領選の知的街道
に位置するね。
「 アメリカの行動原理
」で、 州中心のアメリカ政治
では、大統領の権限はたいしたことはなく、だから、 歴代の大統領には優秀な人物が少ない
とあったね。
A
:しかし、 ブッシュ大統領
は、ヨーロッパ諸国の反対を押し切って、 イラクに戦争を仕掛ける。
アメリカの大統領は、すごい権限を持っている
と誰しも考えるね。
私
:しかし、 アメリカの大統領の権力構造
は、そう、単純なものではないようだね。
歴史がある。
この「 アメリカ大統領の権力
」を読むと、 建国時には大統領の役割は限定的
なものだったことが分かるね。
19世紀の アメリカの連邦政治の中心は議会
であって、 偉大な政治家の多くは上院議員
だったという。
合衆国憲法は大統領が国家元首であると明記はしていない
という。
独立した行政府の長--大統領という職
を作り、大統領に大きな権力を与えて政治を主導する意図は持っていなかったという。
A氏 :しかし、 大統領はアメリカ軍の総司令官 だね。
私
: 外国に戦争を宣言する権限は連邦議会
に与えたが、戦争時は、緊急な活動を要するので、対外戦争に従事しているときの大統領職を「 戦時大統領制
」として 通常の大統領制とは区別
しているという。
これが 拡大解釈されて利用
されるようになった。
著者は、その例として、 19世紀前半に活躍した11代大統領 ジェームズ・ポーク
の例
をあげているね。
A氏 :彼は、メキシコに軍隊を派遣し、テキサス、カリフォルニア、ニューメキシコなど、 最大の新領土をアメリカにもたらした大統領 だね。
私 :この メキシコとの戦争 は、アメリカ軍をテキサス・メキシコ国境に進め、軍事挑発をして、米軍側に死傷者が出ると、 自衛のためと称して、戦時大統領制となり議会の宣戦布告の承認を得てメキシコを侵攻 するね。
著者は、 ポークの戦時大統領制 が示したのは、 大統領が自分勝手に軍を動かし、対外武力紛争を作り出し、それを口実に外国との戦争を始めるという危険性がアメリカの制度に内在している と指摘しているね。
A氏 :緊急の対外危機に対して、 自衛上、反撃する権限を実質的に大統領に与えた憲法制定者の想定が甘かった ということか。
私 :しかし、好戦的な大統領であっても、 大統領を支える政治連合や、世論が形成されるような事件がないと対外戦争開始の可能性は低い という。
A氏 : イラク戦争の開始 には、 ネオコン連合 と 9.11以来のテロのトラウマ が 世論 にあったのだろうね。
私
:戦後では、 トルーマン大統領
の例がある。
朝鮮戦争でアメリカ軍の派遣はアメリカ議会の承認を得ていないで、軍の総司令官としての戦争権限を一方的に行使した最初の大統領
だという。
A氏 : トルーマンの大義名分 には 当時の冷戦の論理と反共主義が背景 にあるね。
私
: ベトナム戦争拡大
のときの ジョンソン大統領
は議会の事前承認を求めているが、問題はその理由だね。
ベトナムの トンキン湾
にいたアメリカ艦船が攻撃を受けたと虚偽の報告を流し、反撃の議会承認を得る。
この議会承認をジョンソンは拡大解釈し、 北爆の開始など戦争を拡大
するね。
背景に、 共産主義の世界的な拡大を阻止するという大義名分
があるね。
ドミノ理論
だね。
A氏 : イラクの大量破壊兵器の存在 が、 テロの温床 となるという恐怖感と同じだね。
私
:しかし、ソ連が崩壊し、冷戦が終わると、世界最大の軍事国家となったアメリカが「 世界の警察官
」としての役割が期待されるようになるね。
冷戦後のアメリカの軍事介入は 単発的テロ
に対するものだったが、 9.11テロに対する対応は「悪の枢軸」国家を名指しした攻撃
であった。
しかし、著者は、これはブッシュ個人の判断によるものでなく 、ブッシュを囲むブレーンであるネオコンの影響が強い
と見ているようだね。
明日は、 大統領に強い影響を与える巨大なスタッフの活動 に目を転じよう。
「ポスト戦後社会」吉見俊哉著・シリーズ… 2009.09.01
「イスラムの怒り」内藤正典著・集英社新… 2009.08.24