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私
: 明治期の徴兵試験のときの読み書きの試験結果
は、「 陸軍省統計年報
」がある。
1899年から1904年のものが掲載され、分析
されているね。
1904年
には、日本全国が 54連隊に分かれていて、その連隊別のデータ
がある。
連隊は大体、 県の区分
に似ているね。
1899年のデータ
によると 非識字率が高い(リテラシーが低い)連隊区
は、
沖縄、高知、鹿児島、大村、松山、丸亀。
逆に、 低い(リテラシーが高い)連隊区
は 仙台、津、長野、福島、静岡、豊橋、福岡
だね。
A氏 :ここにも 山国の長野 が登場するね。
私
: 非識字率は年とともに低下するが、その低下率も 地域差
があるね。
大阪
、 京都
については、さらに 郡部レベルの細かいデータ
がある。
大阪
は 総合では非識字率は高いが
、もっと細かい地域別に見ると、 商業地区の非識字率は極めて低く、工業地区が高い
ため、平均では高くなっている。
これらのデータについては、著者はいろいろ原因を推測しているね。
こないだの 全国学力テスト
で大阪府は点が低かったので、 橋本府知事
は、学校別に発表すべだと言っていたが、この 明治期と同様に、大阪府内でも地区による格差
はあるのではないかね。
A氏 :ところで、明治の頃、試験は具体的にどのような問題が出たのかね。
私
:国語は漢字交じりの1行の文章の意味の理解だね。
例えば、 高等小学校卒程度
だと次のようになる。
これは 京都での試験問題
だね。
国語
は
「 我ガ神聖ナル相宗ノ遺訓ト我ガ光輝アル国史ノ成跡トハ炳トシテ日星ノ如シ
」
算術 は 「 12人の職人がかかって12日に出来る仕事を人数を三分の一に減らしてするときは幾日で出来るか 」
A氏
:当時だからだろうが、漢字は難しいね。
大卒の俺は「 炳
」など、漢和辞典をひかないとわからないね。
私
:高等小学校2年修了、すなわち、 学校教育8年未満の人
に対する問題は次のようだね。
国語
は
「 知能ヲ啓発シ徳器ヲ成就ス
」
算術 は 「 五分利附額面20円の国庫債券7枚を所有している人は1年幾らの利子を得るか 」
これが、 小学校6年修了程度 になると、もっと簡単になる。 国語 は
「• 拝啓、本日午後1時より学校に於いて報徳講演会開会候間御出席相成度候也
• 売捌所は、韓国及満州にも設けたり
• 勅語、呼吸、加藤清正、米価下落、京都府知事
」
算術
は
「 米2石五斗売り、さらに1石8斗売れば初めの有高の半分になるというとき、最初は幾らあったか
」
小学校2年程度
(やや読み書きが出来る者)では次のようなレベルの問題が出ている。
国語
は
「 カラダ、おほさかし。人。赤十字しゃ。青年会。日本のこっき。金銭出入帳。無用のもの入るべからず。」
算術 は 「 1週間に4円20銭のちんせんをとる人は1日ならし、いくらちんせんをとることになるか。 」
A氏
:問題に時代背景を感ずるね。
しかし、このようなテストをして、国をあげて教育に熱心であったのだね。
私
: リテラシー
は著者のいうように、 20世紀初めまでは日本では一律でなかった
ようだね。
それにしても、 明治維新
を起こした薩長の地元である、 鹿児島
は 非識字率が高
く、 山口は低い
のは、 薩摩は武士や村落上層部が中心
で、 長州は奇兵隊など民衆のレベルが高かった
のだろうかね。
専門書だが、シロートの俺も知的興味をひかれたね。
「ポスト戦後社会」吉見俊哉著・シリーズ… 2009.09.01
「イスラムの怒り」内藤正典著・集英社新… 2009.08.24