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A氏
:この祝日ができるまで、国会でいろいろもめたらしいね。
昭和天皇の崩御
とともに「 天皇誕生日
」は意味がなくなったんで「 みどりの日
」になったんだが、これを「 昭和の日
」としたいという運動があり、それが 07年に決定
したんだね。
「 みどりの日
」は 5月4日
になったんだね。
私 :朝日新聞の見出しは「 昭和ってどんな薫り 」とあるが、言葉を変えれば「 昭和のエートスとは何か 」だね。
A氏 :たまたま、最近、 君のブログ 1 、 2 、 3 で扱っていたね。
私
:朝日新聞には 昭和で思い出す事件
を街頭で聞いていたが、 トップはやはり敗戦
だね。
次に 東京オリンピック
。
昭和の人物
としては、 トップは 田中角栄
だね。
ところで、 今月の文藝春秋
で 佐野眞一
氏が書いた「 ドキュメント 昭和が終わった日
」の最終回を掲載している。
メインタイトルが「 宮崎勤と美空ひばりと天皇
」となっている。
A氏 :なんで 宮崎勤 が昭和に登場するの?
私
:宮崎勤の犯罪が、昭和の終わりである 昭和63年
にはじまっているが、これが 昭和以降の異常な犯罪の始まりとなるという象徴的な事件
だからだね。
宮崎の部屋に 家宅捜索
に入った警部がそのビデオの多さに驚く。
千五百本あればビデオショップを開けるというのに、 五千七百三十七本ものビデオ
があったという。
A氏 : 宮崎勤 は祖父が好きで、 祖父の死後 からおかしくなったようだね。
私:祖父
は 昭和天皇の崩御の1年前
になくなっている。
昭和天皇
より2年早く生まれているから同世代だね。
宮崎勤
は 昭和天皇の崩御と盛大な葬儀の礼を伝える新聞記事をいつまでも大事に持っていた
という。
その理由は「 あれはおじいさんの葬式だったから
」と答えているという。
A氏 : 宮崎勤 は 多重性人格 ではなかったのかね。
私
:人間は良くも悪くも「 物語
」がないと生きていけない動物だ。
その「 物語
」が 人格を統合
する。
「 物語
」がないと 人格がバラバラ
になり、 多重人格的
になる。
宮崎勤
は、その「 昭和の物語」の崩壊による閉塞感の産物
ともいえると佐野氏はいう。
私 : 祖父 が 宮崎勤 の「 物語 」だったんだね。
宮崎勤事件
をテーマに「 M/世界の、憂鬱な先端
」を書いた 吉岡忍
氏は、日本は 敗戦の戦争責任を不問に付し、戦争がもたらした災禍をみてみぬふりをした
。
戦争のトラウマを切り離し、忌まわしい過去を記憶から追放
して、戦後復興を成し遂げ、高度成長をして 世界第2位の経済大国
になった。
A氏
:すなわち、 戦前から続いた日本の歴史「物語」
を切り離した「 多重人格国家
」だというわけだね。
俺たち「 昭和人
」が 「昭和20年8月15日」の「断絶」
をまだ解決していないツケかね。
私
:ところで俺は 岩波新書
の「 シリーズ日本近現代史
」を読んできているんだが、その 9巻目
は「 ポスト戦後社会
」だね。
ここにも 宮崎勤
が登場するね。
この本では、 時代意識
として 敗戦から昭和50年代頃は「 夢
」の時代
としている。
しかし、 昭和末期から現在
までは「 虚構
」の時代としている。
だから、殺人事件として 「 夢
」の時代に起きた永山則夫の連続ピストル射殺事件
は「 夢
」が破れたことが背景にあるという。
しかし、「 虚構
」の時代の 宮崎勤の犯罪
は、 殺人そのものが現実離れした「虚構」で行われている
という。
この 9巻目
の「 ポスト戦後社会
」の読後感はまた、別にとりあげるが、なんだか、バラバラで一貫していない時代だと感じたね。
多重人格国家
とは名言だと思ったね。
「ポスト戦後社会」吉見俊哉著・シリーズ… 2009.09.01
「イスラムの怒り」内藤正典著・集英社新… 2009.08.24