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私
:対談だから読みやすい。
しかも、例によって甲野氏の考えは自分の実践に基づいているだけに 知的に刺激的
だね。
久しぶりに集中して読めたね。
冒頭で 体育科学の不信論 が出てくる。 人間というのは普通に生活しているだけでもものすごくたくさんの情報を 同時並行処理 している。
A氏
:そうだね。
人の顔を見た瞬間に、この人は誰だとすぐにわかる。
それは、 ものすごくたくさんの情報を
同時並行的に処理
しているからだね。
私
:これに対して、同じ人がやることでも 思考や論理というのは根本的に
時系列順
だね。
論文などは完全に時系列だ。
そこで甲野氏は人間の複雑な動きのようにたくさんの情報が同時並行的に処理されているものを、 科学に基づいた論文にするのは不可能
ではないかと疑問を提示するね。
そして、 徹底的な体育関係の学者批判を展開
するね。
A氏
: ウエイトトレーニングの理論
などそうだね。
それに基づいて トレーング機器メーカー
や プロティンを作る製薬メーカー
が巨大産業化していく。
なるほど、本当に複雑な人間の行動に役立っているのかね。
私
:その結果、 人間の身体や運動そのものが同時並行的で豊かなもの
から、 部分化、限定化されて矮小化してきてしまった
のではないかという。
優れた技
、 次元の違う技
というには、 だいたい同時並行性が高い動き
だという。
だから、それは 時系列な論理では説明不可能
だ。
甲野氏は、 体育関係の理論家とは考えが全くすれ違い だが、逆に ロボット工学をやっている人たちとは考えが合う という。
A氏
:ロボットを作ることは、 いろいろ現実を総合的に考えた試行錯誤の連続
だからね。
私
: 宮本武蔵
が 剣の極意
は何かと問われて、
「 3尺の板
がある。
地上1尺
だったら誰でも渡れるけれど、 城の天守閣から向こうの山まで
掛け渡してあったら、とても足が震えて歩けないだろう。
しかし、そこを 同じ3尺の板
だということを 身体が納得
して、すらすら渡れることだ」
という たとえ
によって答えたという。
A氏:「 意識」
があるから 危険の予知や対策
を立てることもできるが、その一方で「 意識」
があるから 余計な恐怖心
を感じてしまうんだね。
「 火事場のバカ力
」だね。
私:要するに「 意識
」の切り換えがポイントだね。
これを 甲野
氏は「 火事場のバカ器用
」と言っているね。
明日は、甲野氏の 教育論 からふれよう。
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